【10/1(火)~12/1(日)開催】アートでふらっと倉敷2024 ~ 観て食べてアートを楽しむ新しい形。名画をモチーフにしたスイーツが登場
暑さも和らぎお出かけしやすい季節が訪れました。食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋。やりたいことがあれこれ出てくるのではないでしょうか。夏にできなかったことを叶えたいですね。
倉敷市ではこの秋、2か月に渡り、「アートでふらっと倉敷2024(以下、「アートでふらっと倉敷」と記載)」が開催されています。食欲と芸術の両方を満たせる内容です。倉敷らしさも詰め込んだイベントを楽しみに出かけましょう。
アートでふらっと倉敷について
2019年に誕生した「アートでふらっと倉敷」。コロナ禍の影響で中止した年もありましたが、2024年に5回目の開催を迎えました。
倉敷市には大原美術館をはじめとした、美術館やギャラリーなどのアート施設が多数あります。またブドウや桃といったフルーツが豊富で、色とりどりのスイーツがさまざまなお店で提供されています。
スイーツを「食べるアート」と捉え、アートとスイーツをかけ合わせ、新たな観光モデルとして誕生させたのがアートでふらっと倉敷です。
イベントのパンフレットでは、倉敷市内のアート施設とスイーツを紹介しています。同時にスタンプラリーを実施していて、参加店のスタンプを集めると抽選で賞品が当たります。
掲載されているアート施設は20か所も。倉敷に芸術の歴史が根付いている証拠ではないでしょうか。
アートの種類はさまざまで、画家が描いた絵画のほか、陶芸作品や昭和のアンティークコレクションなどもあります。さまざまな形のアートに触れると感性が豊かになりそうです。
スイーツ部門は15店舗が掲載されています。掲載店では、大原美術館所蔵の名画をモチーフにしたオリジナルスイーツを提供。絵画が3次元の世界にやって来て、食べられるなんて。店舗にはモチーフとなった絵画が展示されるので、鑑賞しながら食べると、よりイベントを楽しめそうです。作り手の豊かな想像力を目で見て舌で味わいましょう。
スタンプラリーに参加でさらに楽しく
アートでふらっと倉敷を存分に楽しむならスタンプラリーに参加するのが良いでしょう。参加方法は3ステップです。
・パンフレットを入手
・参加施設に行って、パンフレット内のスタンプ台紙にスタンプを押してもらう
・プレゼントを選んで応募
施設によって獲得できるスタンプ数が異なるので注意してください。
・有料アート施設入場…2ポイント
・無料アート施設入場…1ポイント
・スイーツ購入…1ポイント
アート施設とスイーツ店舗は必ず1か所以上訪れる必要があります。
プレゼントは豪華です。アートにまつわるものが用意されています。
・A賞:倉敷アイビースクエア(大原美術館鑑賞付)ペア宿泊券・・・1名
・B賞:八間蔵の「蔵と名画コース」ペアでご招待・・・2名
・C賞:大原美術館ポストカード5枚セット・・・30名
・D賞:畳縁コースター・・・50名
スタンプラリーとは別に、アート施設を訪れるともらえるプレゼントも。全3種のオリジナルアートコースターです。数量限定なのでほしい場合は早めに訪れるのが良いでしょう。
有料アート施設の場合は入場料を支払い、無料アート施設は500円以上の買い物をすると、オリジナルコースターが入手できます。
お披露目会に参加
アートでふらっと倉敷の開催に先立ち、報道関係者に向けたお披露目会が2024年9月24日(火)に開かれたので参加しました。
担当者からイベント概要の説明があったのち、スイーツの試食がありました。倉敷スイーツのスポット15店舗のうち、5店舗が来場。お店の人も同席していたので、想いなどを聞きました。
文近堂
和菓子店も参加しています。岡山の歴史にちなんだ和菓子や大福が人気の文近堂は、鮮やかな目を引く一品を提供。モチーフとなった絵画は画家 児島虎次郎(こじま とらじろう)の『和服を着たベルギーの少女』です。さまざまな色が使われている絵画で、和菓子で表現するには相性が良いと思い、選んだそう。
紫ベースで裏地が赤色の着物を練りきりで表現し、自家製のこし餡を包みました。トップに添えられているハートは少女っぽさをイメージしたもの。
ベルギーの少女が和服を着ている絵は、洋と和が融合しています。それを味でも表現するため、こし餡には刻んだベルギーチョコを混ぜているそうです。和菓子店ならではの技ですね。
cafe「庭とブンガク」
個室もある古民家カフェのcafe「庭とブンガク」からは、「愛する人に贈るもの」の商品名が付いたエクレアを提供します。画家アメデオ・モディリアーニの『ジャンヌ・エビュテルヌの肖像』をモチーフにしたそうです。
モディリアーニは生涯妻の肖像画を何枚も描いたそうです。お店の人は、彼女を好きだったから描き続けたのではと想像しました。夫婦の何気ないできごとに贈れるものをと考えて、エクレアが生み出されました。
妻、つまり大人の女性に贈るので、栗はブランデー漬けにしてリッチな味わいに。カスタードクリームの上にマロンクリーム、栗の間には生クリームを絞りました。
自分が食べるのはもちろん、大切な人に贈るのも良いですね。
PÂTISSERIE Oxalis
「かたばみ」という植物が店名の由来となっているPÂTISSERIE Oxalis(パティスリー オクサリス)。2022年10月に倉敷市中央から倉敷市浦田へ移転オープンしました。
アートでふらっと倉敷では、画家カミーユ・ピサロの『リンゴ採り』をモチーフにしたケーキを提供します。『リンゴ採り』を選んだ理由は、自分の感性に刺さった絵であり、秋の食材(リンゴ)からインスピレーションを受けたから。
チョコレートスポンジの生地のなかには紅の夢という果肉まで赤いリンゴを使用した、コンポートとジュレが。トップにもリンゴのコンポートが添えられていて、ひと口目から最後までリンゴを味わえます。
秋の食材、さつまいもはモンブランに。「さつまいもはミルクチョコと相性が良い。フードペアリングも楽しんでほしいです」と語るお店の人。ミルクチョコの風味やシナモンクッキーのシナモンとの食べ合わせも楽しめる一品です。
ROJAN BŌRO
2022年6月に児島にオープンしたROJAN BŌRO。1日1組貸し切りのカフェもしている店です。
ケーキのモチーフとなった絵画は画家 児島虎次郎の『睡れる幼きモデル』。モデルが着ている白いワンピースをケーキのシルエットにしました。
トップにはクリスタルポムという、りんご飴とドライフルーツを掛け合わせたようなものが添えられています。これは絵に描かれているカーテンを表しているのだとか。光を当てると透き通って見えます。
表面のシンプルな見た目に対して、中身はイチゴのジュレとピスタチオのクリームで華やかに。
「児島虎次郎に提供するなら」との想いを込めて作ったというケーキ。きっと児島虎次郎も気に入ることでしょう。
Pâtisserie PIAGET
倉敷市児島にあるPâtisserie PIAGET(以下「PIAGET」)は、商品名「受胎告知」を提供します。商品名からわかるように、モチーフとした絵画は画家エル・グレコの『受胎告知』です。
ケーキの赤色は聖母マリア、黄色は天使ガブリエルのローブを表現。表面に光沢があるのは、つや出しや乾燥防止のコーティング、グラサージュをしているため。PIAGETが得意とする技術です。
赤色と黄色の混ざり具合は、ケーキによって異なっていました。トップには天使ガブリエルの天使の羽が。全体的にダークな色合いに仕上げているのも、モチーフの絵によるものです。
ケーキの内側はブラウニーをベースにフランボワーズムースとマンゴーのムースがあり、あたたかな色合いを表現しているとのこと。
おわりに
アートであふれている倉敷市。アートでふらっと倉敷は、世界に誇る名画を所蔵し、大事にしてきたからこそ誕生したのではないでしょうか。あらためて施設の多さに驚きました。
アートから縁が遠い生活を送っている人でも、スイーツもあるので、より親しみやすいイベントかと思います。これをきっかけに目で見て舌で味わって楽しんでみては。ぜひスポットを巡ってスタンプラリーに応募しましょう。