【座間市】広がるヒマワリ染 相武台東小の児童が体験
座間市の花、ヒマワリを使った染色が市内で広がり始めた。草木染め体験の活動を続ける座間高校のPTAや非常勤職員などが協力し、9月4日には相武台東小学校の5年生の児童が、黄色いハンカチ作りに挑戦した。
ヒマワリ染めは総合的学習の一環で行われた。素材の花びらを袋に入れて煮ると教室に紅茶に似た香りが充満。児童が代わる代わる鍋に入れたハンカチは、クエン酸や炭酸カリウムなどの効果で鮮やかな黄色に。色を定着させる作業は「媒染」と呼ばれる。黄色いハンカチは廊下にずらりと干され、さながら花畑のようになった。
染色の専門家も
同小学校ではこれまでも相武台南口店会や高齢者学級「あすなろ大学」などと共同でヒマワリ油の採取や種で作ったキャンディ作り、茎から作った和紙での凧の製作などに取り組んできた。
ヒマワリは以前から同小学校の児童と同商店会が協同で栽培しており、児童が種まきから雑草取りなどの世話を続けてきた。今回は学校関係者が「育てて終わりではなく咲いて先もあることを伝えよう」とヒマワリ染め体験を企画。草木染めに本格的に取り組む座間高校のPTA(古川斐香(あやか)会長)と、非常勤職員で社会科を教える佐藤栄介さんが協力することになった。
佐藤さんは以前京都国立博物館の文化財修復に携わった経験があり、掛け軸の「古色」を出す染色の知識があった。同高校では2009年ごろから草木染めを指導している。今回の体験でも染物の歴史などを解説した。
同高校の「染め」の取り組みは2002年ごろ教員が授業などで始めた藍染めが由来。その活動をPTAが受け継ぎ、文化祭で草木染め体験をするようになった。
昨年、メンバーの間から「座間のヒマワリを使ってみては」とアイデアがあがり、試し染めを実施していた。佐藤さんは「薬品を工夫し、試し染めより美しい。これが初成功です」。体験した児童の一人は「完成したら普段使いしたい」と笑顔を見せていた。