柵を乗り越え、トラの囲いに入れた手を噛みちぎられそうになった女に非難殺到(米)
米ニュージャージー州の動物園で今月18日、来園客の女が柵を乗り越えてトラの囲いに手を入れ、体重226キロ超(500ポンド)のベンガルトラを挑発した。幸いなことに女は無事だったが、この時の様子を捉えた動画がSNSで拡散し、「なんて愚か」「自分だけでなく、トラの命を危険に晒した」といった非難の声が殺到した。米ニュースメディア『People.com』などが伝えた。
ニュージャージー州ブリッジトンの「コハンジック動物園」で18日午後2時頃、来園客の女が木柵を乗り越え、オスのベンガルトラの囲いの中に手を入れて挑発した。
当時の様子は別の来園客が捉えており、動画では女が中腰になり、金網の中から右手を入れているのが見て取れる。トラは金網のすぐそばをウロウロして落ち着かない様子だったが、女はまるで飼い犬に接するかのように落ち着いていた。
ところが突然、トラが女の手に噛みつこうとして金網に足をかけ、女は慌てて手を引っ込めた。動画には子供の来園客がこの様子を見ているのも映し出されており、女はその後、木柵を乗り越えて姿を消した。
なおこの時の動画は20日、ブリッジトン警察のFacebookに投稿され、メディアが取り上げて拡散した。Facebookの動画は投稿から24時間後に削除されたが、警察は「女が木柵を乗り越え、金網から手を入れてトラに触ろうとし、その過程で噛まれそうになった」と説明し、女についての情報提供を呼びかけていた。
また警察は投稿の中で、木柵には注意書きがあり「柵を乗り越えないで! 動物園の柵を乗り越えるのは市の条例247Cに違反する。監視カメラは24時間稼働中」と警告していることにも触れており、地元メディア『News 12 New Jersey』は「条例によると、このような行為をした者は動物園の出入りを制限されるか禁じられる可能性がある」と指摘した。
そしてこのニュースには、「なんて愚かなのだろう」「子供たちが見ているのに」「どうかしているよ。もしトラに襲われたとしたら、トラは射殺されていたかもしれないぞ」「生きているのはただ幸運だっただけ」といったコメントが寄せられた。
女の愚行を受け、市のレクリエーション・広報部長のジョン・メディカ氏(John Medica)は声明で、次のように述べた。
「動物たちへの質の高いケアと、来園客の安全は私たちの最優先事項である。動物やスタッフ、大衆を危険に晒す恐れがある来園者の行為は到底容認できず、状況に応じて適切に対処する。」
コハンジック動物園のウェブサイトによると、このベンガルトラは2016年に誕生した2頭のオスの兄弟のうちの1頭で、2017年1月にノースカロライナ州の動物園から寄贈されたという。ベンガルトラはインドやネパールなどの森林地帯に生息しており、シベリアトラに次いで2番目に大きく、この個体は体重が226キロを超えるそうだ。
ちなみに2022年にはジャマイカの動物園で、ライオンの檻に指を突っ込んだガイドの男性が、来園客の目の前で指を噛みちぎられた。男性はライオンの顔を触ったり、手を叩いたりしていた。
画像は『News12 New Jersey 「Police: Woman who climbed into tiger enclosure at Cohanzick Zoo nearly bitten」(Bridgeton Police Department)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)