【流山市】流山市立おおぐろの森中学校で実施 考える力育む授業「答えのない教室」が書籍化
流山市立おおぐろの森中学校が取り組んでいる「答えのない教室」の実践記録が本になりました。「考える力」を伸ばすための新しい授業スタイルとは?
ワクワクする授業 教室の雰囲気一変
本のタイトルは『答えのない教室パート2』。
著者の池田吉久教諭は、流山市の公立中学校4校で数学の教科担任を務め、定年後の2022年4月から同校で再任用教員として勤務しています。
昨年3月に出合った1冊の本が、池田教諭の授業スタイルを変えるきっかけとなりました。
『答えのない教室――3人で「考える」算数・数学の授業』(梅木卓也・有澤和歌子著、新評論)を読んで、「これだ! これなら生徒もワクワクしながら取り組める」と思いました。
中学1年生の数学を担当することになり、授業を通して「生徒たちの思考力、判断力、表現力を伸ばすにはどうしたらいいか悩んでいた」時期でした。
週4時間のうち3時間は教科書を中心とした指導に充て、残りの1時間を「答えのない教室」にすることを提案。
新学期から実施すると、教室の雰囲気が一変しました。
3人での学習が鍵 全教科で採用計画
数学の「答えのない教室」では、生徒が3人ずつのグループになって話し合い、ホワイトボードを活用しながら課題に取り組む方式。
池田教諭は「考えることを楽しんでいる生徒を見て、私自身がワクワクしています。学力も上がりました」と喜びます。
昨年度は数学を中心に理科、社会、美術の4教科で「答えのない教室」を実施しました。
今年度は全教科に拡大する計画で、前川秀幸校長は「全教科バージョンを本にしたい」と話します。
今回の本には、数学と理科の授業における15の教育実践を収録。
授業内容や進め方を決めた背景、教室の様子、生徒たちの反応などを紹介しています。
「授業はこうでなくっちゃ!」。
前川校長が「答えのない教室」を見て口にした感想が、本の帯を飾るキャッチコピーになりました。
(取材・執筆/秀)
流山市立おおぐろの森中学校
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