やまと「匠」プロジェクト 「作家の人生を表したい」 25日から初の追悼展
大和ゆかりの作家に焦点を当てて、文化芸術による街おこしを目指す「やまと『匠』プロジェクト」(金子欣平会長)が3月25日(火)から「大和のアート展」を開催する。今回は、市内で創作活動をしていた陶芸家・斎藤鷹郎さん(享年90)の追悼展として開かれる。
斎藤さんは下鶴間に自宅兼アトリエ「林間窯」を構え、陶器やコラージュ作品(絵画)、書道のほか、市保健福祉センターに飾られているロビー陶壁を手がけるなど、豊かな才能で地域を彩ってきた。鎌倉美術家協会展への出品や新宿三越で個展を開催するなど、市外でも精力的に活動してきた。
市内で造園業を営む金子欣平会長(73)にとって「一番古いお得意さん。初めて植木の手入れで伺った時、壁に陶器の破片を貼り付けた作品があり、壁自体を芸術にできるのかと感動した」と振り返る。友人としても40年以上の付き合いがあった斎藤さんについて「温厚で優しい人。個展を手伝うこともあった」と笑顔を浮かべる。
2022年、高齢者施設に入所していた斎藤さんからの依頼を受け、400点以上の作品を譲り受けた金子会長。翌年、斎藤さんが亡くなったことを知り「追悼の意を込めて、斎藤さんという一人の作家の人生を展示で表したい」と考えるようになった。
そんな金子会長の思いに賛同の輪が広がり、「ギャラリーおがわ」(上和田)の小川政男館長や、大正大学名誉教授の鈴木健次さんらが協力。今年1月に「やまと『匠』プロジェクト」が立ち上がった。金子会長は「展示会をきっかけに、大和市の芸術を発掘していければ」と話す。
およそ100作品
「大和のアート展」は3月25日(火)〜30日(日)、シリウス1階ギャラリーで開催される。午前10時〜午後6時。入場は無料。
斎藤さんの作品がおよそ80点展示されるほか、鈴木健次さんや鍛金彫刻家の安藤泉さん、井上なぎささんらが手がけた作品も出展。ギャラリーおがわに所蔵されている現代アートペインター・九十九伸一さんの作品なども合わせおよそ100点が並ぶ予定。期間中は大和みどり会(岩本宗翠会長)による茶席が毎日2回開かれる。【1】午前11時〜正午【2】午後2時〜3時。(問)金子会長【電話】046・274・3914