“筋肉留学”をした、なかやまきんに君にスペシャルインタビュー【中学生の基礎英語 レベル1】
Hello there! 「中学生の基礎英語 レベル1」のテキストを担当しているキソ5号です。4月の講座内容、いかがでしたか? 「楽しかった!」と感じた方も「難しい……」と感じた方も、ぜひ自分なりに学習を続けていってくださいね。
今年度の「中学生の基礎英語 レベル1」の連載、Kiso1 Special Interviewでは、さまざまな方に英語学習法などについてお話をうかがっています。5月号はなかやまきんに君さんが登場!
お笑いタレントとして順調に仕事をしていた2006年、突如選んだ「筋肉留学」の道。「英語は得意だと言いきれるほどではなかった」という彼がなぜアメリカのカレッジに入学し卒業証書を手にできたのか、その精神力の強さに迫ります。
なかやまきんに君さん的英語が上達する3つのルール
――なかやまきんに君さんが実践した英語が上達する3つのルールを教えてください。
1 毎日、英語と向き合う
17歳から始めた筋トレで学んだのは、“筋肉は1日で成長しない”ということ。毎日1時間、コツコツとトレーニングをすることが、いい筋肉をつくるポイントなんです。きのう持ち上がらなかったダンベルが、きょうは持ち上がることと同じ。きのうは知らなかった単語の意味をきょうは知っている、と言えるように、コツコツ学習することこそが近道だと思います。
2 自分に必要だと思うほうを選ぶ
ぼくのデビュー時、筋肉キャラのお笑いタレントはゼロ。でもぼくは、お笑いと筋肉の合わせ技わざは絶対に笑いを生むと信じてトレーニングをしていました。でもまわりは「やめたほうがいい」と言う人ばかり。それでも続けていたらみなさんに覚えてもらえました。いつでもやめられるし、楽なほうを選ぶことも簡単。英語上達に何が必要か考えて実践(じっせん)しよう!
3 努力したことは何かの糧になる
たとえば、将来、通訳者になることが夢だとします。でも残酷(ざんこく)ですが、英語学習をがんばったら、必ず通訳者になれる確証はありません。では英語学習をやめますか? ぼくならやめません。だって1か月筋トレをしたら1か月分の筋肉がつくから。人生で英語を使う場面はたくさんあります。“人生の筋肉”になるという気持ちを忘れず学習を続ければ英語は上達します!
サンタモニカ・カレッジでの日々――毎日夜中の3時まで勉強して、朝の6時に起きて学校へ
――「筋肉留学」について、くわしく教えてください。
筋肉芸人として仕事をしていた2006年、夢だったアメリカ留学を「筋肉留学」と名づけ、飛び立ちました。ぼくがアメリカに行きたかった理由は、大きくふたつ。まず、17歳で筋トレを始めたときから、トレーニング雑誌で見てあこがれていた、ロサンゼルスにある筋肉の聖地・ベニスビーチの地を踏みたかったから。もうひとつはベニスから車で30分ほどのハリウッドで、映画などのオーディションを受けてみたかったから。
とはいえ渡米当時のぼくの英語力はほぼゼロ。英語を話すことも聞きとることも自信はありませんでした。それでも、4年半のアメリカ生活中に英語を習得! もちろん、急に英語がしゃべれるようになったわけではありません。
――アメリカではどのようなことをされていたのですか?
留学した当時、28歳。英語を使うのは高校以来、約10年ぶりでしたが、いろいろなことにトライしました。特にお笑いショーを企画・開催したり、映画をつくって上映したりしたことが、英語力アップにつながったと思います。また、映画やテレビ番組のオーディションを受けて合格したものの、学生ビザで渡米していたため、出演はあきらめたこともありました。
あっという間に30歳になっていました。学生ビザでできることを考えて、カリフォルニア州にある2年制大学のサンタモニカ・カレッジで運動生理学を学ぶことにしました。もちろん授業はすべて英語。果てしない暗記の日々が始まりました。右手で書くことに疲れたら左手で書く。それでも覚えられないので、ペンをグーににぎって書く。そのうち目がかすむので頭の中で書く。平日は毎日夜中の3時まで勉強して、朝の6時に起きて学校に行っていました。
ただ、そんな生活を1年半くり返していたら、1ページを読むのに1時間はかかっていた教科書が、卒業間際にはスラスラと読めるようになったのです。結果、2年制大学を1年半で卒業できました。
いかがでしたか? テキスト本誌掲載のインタビュー記事では、「筋肉留学」のその後についてもお話をうかがっています。そして、勉強の合間におすすめのストレッチやスクワットもご紹介!
今後もスペシャルなゲストのインタビューをお届けします。6月号は、玉城ティナさんです! みなさんも“先輩”の声を参考にしながら、一緒に「中学英語をイチから楽しく」学んでいきましょう!
なかやまきんに君
1978年、福岡県生まれ。高校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)大阪校の第22期生に。2011年、アメリカのサンタモニカ・カレッジ運動生理学部卒業。21年、「東京ノービスボディビル選手権大会」75キロ超級第1位。22年、「マッスルビーチ・インターナショナル・クラシック」メンズマスターズ1位。YouTube チャンネル「ザ・きんにくTV【The Muscle TV】」で筋トレ情報などを配信中。
※この記事は「中学生の基礎英語 レベル1」2025年5月号の「Kiso1 Special Interview」を再構成したものです。
撮影=宮坂浩見 ヘア&メイク=大坂ひとみ 取材・構成=松浦聖子・キソ5号