意外と多い!?20代女性が知っておくべき、決済トラブルと対策
最近では、現金を使わず買い物ができるキャッシュレス決済を日常的に使用している方も多いと思います。しかし普及に伴いトラブルも増えており、特に若い世代、女性の被害が多い傾向がみられます。
本記事は20代の方や女性のために、決済トラブルの具体例や不正利用の手口を紹介するとともに、トラブルを防ぐ対策もお伝えします。
キャッシュレス決済の利用動向
キャッシュレス決済とは現金を使わない決済手段の総称です。クレジットカード・電子マネー(交通系ICカードなど)・スマートフォン決済(QRコードなどの二次元コード)が代表的です。
ポイントが貯まる、レジでの支払いがスムーズ、現金を持ち歩かなくてよい、ATMでお金を下ろす手間が省けるといった理由から利用者が増えています。
経済産業省が2023年に発表した「消費者実態調査」によると、18歳~29歳のうち「現金とキャッシュレス決済を半分ずつ利用」「現金よりキャッシュレス決済を多く利用」との回答者は62%と半数を超えました。また男女別でみると男性が67%、女性が70%と、女性の方がやや積極的にキャッシュレス決済を利用していると見て取れます。
マネートラブルは若い年代・女性に多い
複数の調査結果から、キャッシュレス決済のトラブルは、若い世代、中でも女性に多い傾向が見られます。下表はキャッシュレス決済の中でも利用者の多いクレジットカードのトラブルを年代別に整理したものです。20~30代の若い世代に多いことが分かります。
政府広報オンラインを参考に筆者作成
次に、詐欺なども含むマネートラブルの被害経験を見てみましょう。下表のとおり、わずかな差ではありますが、男性以上に女性の被害が多い状況となっています。
参考:「20 代の金銭感覚についての意識調査 2023」「30 代・40 代の金銭感覚についての意識調査 2022」
また、金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査2022年」によれば年齢層が低いほど金融リテラシーが低く、男女で見ると女性のほうが金融リテラシーが低い傾向にあります。
整理すると、若年層や女性が決済トラブルに遭いやすい原因として、他の世代と比較して、そもそもキャッシュレス決済の利用割合が大きいこと、また金融リテラシーの不足があげられるでしょう。
キャッシュレス決済のトラブルの具体的な手口
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キャッシュレス決済では具体的にどのようなトラブルが多いのでしょうか。
MMD研究所と株式会社フォリウムの共同調査「2022年版:スマートフォン利用者実態調査 第2弾」によれば、トップ5は下記のとおりです。
1位 クレジットカードの不正利用
2位 フィッシング詐欺
3位 なりすまし
4位 QRコード決済の不正利用
5位 ネットショッピング詐欺
もっとも多いクレジットカードの不正利用は、2位のフィッシング詐欺、3位のなりすまし、5位のネットショッピング詐欺と関連しています。
フィッシング詐欺は大手クレジットカード会社やネット通販サイトを名乗ってメールやSMSを送信し、偽のサイトにアクセスさせてクレジットカードの情報を盗む手口の詐欺です。
こうして不正に入手したクレジットカード情報を使い、クレジットカードの保有者本人になりすまして商品を購入する手口が「なりすまし」です。
またネットショッピング詐欺は、商品の注文・決済があっても商品を発送しない手口でお金を騙し取ります。ショッピングサイト自体が偽物で、商品価格が相場よりも安すぎる、運営会社の情報が記載されていないなどの特徴があります。
ここまではいずれもクレジットカードに関するインターネット上のトラブルでしたが、4位のQRコード決済の不正利用はアナログな手口の犯罪です。例えばもともと提示されているQRコードの上に詐欺サイトにリンクする偽QRコードを貼りつけて不正に送金させる手法が挙げられます。
あるいは、レジの順番待ちの間にあらかじめQRコードを画面に表示させておく人も多いでしょう。この時スマートフォンの画面が盗撮され、決済に使われてしまうといった手口も流行しています。
キャッシュレス決済のトラブルを防ぐには
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先述のとおり、決済トラブルの原因の多くは「インターネットを通じたクレジットカード情報の窃取」です。
フィッシングメールや偽サイトに共通してみられる下記の不審点を見逃さないようにしましょう。
・メールアドレスやURLの文字列が不自然
・メールやWebサイトの日本語の違和感
・URLの冒頭が「http://」(多くの正規サイトは「https://」とsが入る)
・相場よりも安すぎる価格での販売(ショッピングサイトの場合)
・会社情報の非掲載・誤情報
例として、フィッシング詐欺と思われるメールのスクリーンショットを見てみましょう。
筆者作成
Amazonを騙り、サイトに誘導しようとする内容です。
「方にも。」と中途半端な文末や「下からアカウントをログイン」といった不自然な表現がみられます。また、カードの期限切れ・請求先住所の変更など身に覚えのない情報や、「24時間以内に」と焦らせるような表現はフィッシングメールでよくある特徴です。
送信元メールアドレスを確認すると「◯◯◯@amazon.co.jp」と、正規のアドレスに見えました。しかし「ご利用確認はこちら」のURLにカーソルを当ててみるとドメインは「hoiwzs.cn」で「amazon.co.jp」ではありませんでした。
最近のフィッシングメール・偽サイトは巧妙な作りで、正規のものか偽物なのか判別しにくくなっていますが、メールアドレスまたは誘導先のURLの違和感で気付けるケースが多いでしょう。
決済トラブル・不正利用に気付くには
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万が一不正な利用があった際には、被害を最小限に留めるためにも早期発見が大切です。補償において「損害発生日から60日以内の申請」を一つの条件とする企業もあります。
不正利用に気付きやすくするためには下記2つの手段が有効です。
・決済履歴・明細を定期的にチェックする
・プッシュ通知を利用する
週1回、月1回など定期的に決済履歴・明細をチェックする癖をつけましょう。身に覚えのない決済履歴はないか、利用した日付・お店・金額を確認していきます。「この決済は先週のあの買い物だ」と思い出せれば問題ありません。しかし日付・お店・金額のどれも心当たりのない履歴に関しては不正利用の恐れがあります。
ただし、クレジットカードは明細に記載されている日付が実際の利用日と数日ずれていることもあります。また店名も実際に利用した店舗とは異なり、店舗の運営会社名での記載も少なくありません。
おおむね店舗のWebサイトやインターネット検索で突き止められます。少し手間はかかりますが、わからないまま放置しないよう心がけましょう。
またクレジットカードによっては、決済の度にアプリやメールで通知してくれるサービスを提供しています。不正利用にすぐ気付けるため、有効活用しましょう。
もし決済トラブルに遭ってしまったら…
もしトラブルに遭ってしまったら、早急に下記へ連絡してください。
・クレジットカード会社
・QRコード決済サービスの提供会社
・警察
不正利用を確認したら、まずはクレジットカード会社等に連絡してサービスの利用停止手続きをとります。クレジットカードの紛失・盗難の場合も同様です。
次に、警察に連絡して被害届を提出します。インターネットを通じた非対面の不正利用は警察でも対処が難しい事案です。それでも被害届を提出するのは、補償を受けるためです。
決済サービス提供会社のなかには「警察へ被害の届出を行うこと」を補償条件の一つに定めているところもあります。
「被害届を出していなかったために補償を受けられなかった」との声もあるため、忘れずに提出しましょう。
まとめ
今回の記事の要点をまとめます。
・キャッシュレス決済の普及に伴いトラブルも増加
・決済トラブルは若い世代や女性に多い傾向
・不正利用で多い手口はフィッシング詐欺、なりすまし、QRコードの盗撮、ネットショッピング詐欺など
・フィッシングメールや偽サイトを見分けるにはメールアドレスやURL、日本語の違和感、誤った会社情報が手がかり
現金よりもスムーズに支払いができ、ポイントも貯まるなどメリットも多いキャッシュレス決済ですが、インターネットを通じた不正利用が増加しています。
特に若い世代・女性が被害に遭いやすい傾向が見られ、メールやWebサイトには警戒が必要です。
日頃のちょっとした意識と知識で防げる被害が多くあります。日々の対策を忘れないようにしましょう。