約4時間の特殊メイクで驚異的な変貌を遂げた、ビル・スカルスガルド演じる“オルロック伯爵”登場『ノスフェラトゥ』本編映像
2024年に世界各国で公開され話題となった、『ウィッチ』『ライトハウス』『ノースマン 導かれし復讐者』などで知られる映画監督ロバート・エガースの最新作『ノスフェラトゥ』が、5月16日（金）より公開される。このたび、本編映像の一部が解禁となった。
恐ろしくも美しい“ゴシック・ロマンスホラー”が開幕
「第97回アカデミー賞」で撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ＆ヘアスタイリング賞の4部門にノミネートされ、世界各国で高い評価を受けている話題作が、満を持して日本公開を迎える。
本作は、ロバート・エガース監督が幼少期に夢中になった1922年に作られたF・W・ムルナウ監督のサイレント映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』に独自の視点を入れ創り上げた渾身の新作映画。撮影に必要な演出のためにキャンドルの明かりが必要となれば適したカメラレンズを使用、スタジオには当時の建物を研究した約60ものセットを組み、本物のねずみ約2000匹を使って撮影をするなど、“本物”にこだわった映像は世界各国でも高い評価を受け、監督が本作に掛ける執念に近い思いが、リアルな質感としてスクリーンを通し観る者にじわじわと恐怖と共に襲ってくる。
物語は、不動産業者のトーマス・ハッターが、仕事のためオルロック伯爵へ会いに行くところから始まる。トーマスが不在中、彼の新妻エレンは夫の友人宅で過ごすが、ある時から夜になると夢の中に現れる得体のしれない＜彼＞の幻覚と恐怖感に悩まされるようになる。時を同じくして、夫のトーマス、そしてエレンが滞在する街に様々な災いが起こり始めていく。正体の見えない＜彼＞がじわじわと忍び寄る恐ろしさと、リアルを追求した美しさが織りなす至極のゴシック・ロマンスホラー。
夜な夜な夢の中で、正体の分からない＜彼＞に怯える主人公・エレンを演じるのは、本格的なホラー映画への出演は初となるジョニー・デップの娘、リリー＝ローズ・デップ。また、オルロック伯爵は、『IT／イット』シリーズのペニーワイズ役で世界中を恐怖に陥れたビル・スカルスガルドが演じた。さらに、今作でロバート・エガース監督とは3度目のタッグとなるウィレム・デフォーがエレンを治療するフォン・フランツ医師を、エレンの夫・トーマスをニコラス・ホルト、トーマスの友人・フリードリヒをアーロン・テイラー＝ジョンソンが演じるなど、豪華な俳優陣が名を連ねる。
運命を変える禁断の契約シーン
エレンの夫で不動産業者のトーマスは、商談を結ぶためにトランシルヴァニアへと向かい、そこで恐ろしい見た目をしたオルロック伯爵と、運命的な出会いを果たす。古い貴族の家柄で、高齢のように見える彼は、エレンとトーマスが暮らす街に屋敷を購入したいと言うのだ。
本編映像は、なぜ古びた屋敷を購入するのか不審に思いながらも、トーマスがオルロック伯爵と契約を結ぶシーンで、本編冒頭の物語が動き出す重要な場面を捉えている。オルロック伯爵の全貌は確認できないものの、低く重厚感のある声と、細く伸び枯れた指先は、不気味な様相を呈している。また、トーマスが腰に下げていた、妻エレンからの贈り物であるペンダントを意味深げに手に取るオルロック伯爵の姿も。この契約をきっかけに、エレンとトーマス夫妻の運命が大きく動き出す—。
約4時間もの特殊メイクにより驚異的な変貌を遂げたオルロック伯爵を演じたのはビル・スカルスガルド。外見だけでなく、その“声”にも強いこだわりを見せた。対峙したニコラス・ホルトも、「彼がこの役のために作り上げた声を初めて聞いた時は本当に怖かった。とても威圧的で、完璧に作り込まれた恐ろしい声だった。声を聞いた時は感動したけど、近くにいるだけでぞっとしたよ」と、明かした。音に編集を加える必要がないほど、完璧で深みのある低音域を披露したスカルスガルドは、「ロバートはできるだけ人間らしい声に仕上げたいと言っていた。それは決して容易なことではなかったよ」と苦労も語っている。
『ノスフェラトゥ』は5月16日（金）よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開