「想像の5倍やかましい」「フリーレンの次回予告」 あまりにも〝やかましい〟コーヒー牛乳、人気拡大中
「美味しそう」というよりも、「なんかやかましい」という感想が先に思い浮かびそうなコーヒー牛乳が、X上で注目を集めている。
古谷乳業(本社:千葉県千葉市)が製造している「ミルクの束縛 ミルクコーヒー」(以下、ミルクの束縛)だ。
「やかましい」とはどういうことなのか。気になったJタウンネット記者が探して購入してみたところ......たしかに、やかましかった。
コーヒ牛乳らしく茶色と白のツートンカラーが用いられているのはいいが、パックにはキャッチコピーたちが所狭しと書かれている。
「牛乳好きのためのミルク愛コーヒー」 「生乳、珈琲、砂糖、以上。」
商品についてのそんな熱いアピールのメッセージが、文字通り縦横無尽に表記されているのだ。
一体どうしてこのようなパッケージデザインになったのか。記者は21日、古谷乳業に詳しい話を聞いた。
「生乳の美味しさを伝えたくて...」
「ミルクの束縛」は、生乳・コーヒー・砂糖のみを使ったシンプルなコーヒー牛乳で、生乳75パーセント使用による旨味とコクに加え、すっきりとした後味が特徴の商品。
記者も飲んでみたところ、たしかに乳本来の味をしっかりと感じられる、甘すぎず苦すぎずの絶妙な味わいの飲み口だった。
同商品の開発に至った経緯について、記者の取材に応じた古谷乳業の広報担当者はこう説明した。
「開発の背景には、生乳を多く使った商品を作り、生乳のおいしさをお客さまにお届けしたいという思いがありました。そうすることで生乳の消費拡大と安定化に繋がるのではないか、と考えています」(広報担当者)
「ミルクの束縛」に限らず、同社では創業以来「おいしさにこだわった商品」を作ってきた、と語る同広報担当者。
一方、その価値を顧客にどう伝えたらいいかが課題であり、代わりにブランディングを担ってくれる会社を探していたという。
そこで白羽の矢を立てたのが、日清カップヌードルのフタ裏に「ネコの顔」を印字する、といったユニークなコンテンツ事業を手掛けるカヤック(本社:神奈川県鎌倉市)だった。
「カヤックさんならではの、業界の常識にとらわれない新しい切り口でご提案いただけるのではないかと思い、ブランディングとパッケージデザイン製作を依頼しました」(広報担当者)
「生乳の美味しさを伝えたい」という思いが、カヤックのブランディングによって全面に押し出された「ミルクの束縛」。
2023年10月に発売された当初は千葉県内のファミリーマート限定発売だったところ、2025年1月中旬からは関東甲信越・東北・北陸・関西など販売地域を拡大。2025年内には本州全域での販売も検討しているなど、その反響は徐々に大きくなっている。
こうした現状について、広報担当者は「嬉しいです」と胸の内を語った。
「パッケージデザインや中味、そして同カテゴリの商品と比較しても高価格帯に位置していることなど、業界では類を見ない商品として弊社にとって挑戦的な商品でした。 こうして徐々に販売地域を拡大し、多くの方々に飲んでいただいていることは非常に嬉しいです」(広報担当者)
「やかましい」くらいに開発に至った思いや賞品のアピールを前面に押し出す「ミルクの束縛」のパッケージに、X上ではこんな声が寄せられている。
「ワードセンス最高」 「想像の5倍やかましいな」 「見たこと無いけど、探したくなる奴です」 「フリーレンの次回予告じゃねーか」
こうした反響について、広報担当者は「大変ありがたく感じております」と感想を述べつつ
「デザインの持つ力を改めて実感した貴重な機会となりました。 まだお試しでない方々には、ぜひ、一度飲んでみていただきたいです。 飲んでいただくと、ミルクに束縛されてしまうかもしれません」
とコメントしている。