【京都・烏丸】ビジネス街のアートギャラリーで「万博」の展覧会が開催中
大阪・関西万博が開催中ですが、京都烏丸でも「万博」を楽しむことができるのをごぞんじですか? 公益財団DNP文化振興財団が運営するアートギャラリーで、万博の歴代ポスターを展示する企画展が開催中。隣接する「DNP京都太秦文化遺産ギャラリー」では、大日本印刷(DNP)の印刷技術を生かしたプロジェクトを体感することができます。
【画像】1958年から現代までの万博ポスター。私のお気に入りは「亀倉雄策《日本万国博覧会(海外向け第1号公式ポスター)》1967年」(正面右上)
COCON KARASUMA 古今烏丸のなかにある「京都dddギャラリー」
烏丸界隈でちょっと時間にゆとりのある時に度々訪れている「京都dddギャラリー」は、DNPグループの関西での文化活動の拠点として、1991年に大阪・堂島にグラフィックデザイン専門ギャラリーとして開設され、2007年の大阪・南堀江移転を経て、2014年に京都市右京区太秦に移転。2022年に現在地に移転リニューアルオープンしました。変な自慢ですが、私は堂島以外の3か所すべてを訪れたことがあります。
COCON KARASUMA古今烏丸は、1938年施工の京都丸紅ビルを建築家・隈研吾氏が2004年にリノベーションして、唐長文様「天平大雲」のパターンをのせたガラスファザードやアトリウム空間などが誕生した複合商業施設。2021年に同氏によって二度目のリノベーションが行われ、より魅力的な空間に生まれ変わりました。
グラフィックから歴代万博の空気感を感じ取る
そんなビジネス街にある「京都dddギャラリー」で開催されているのが、第247回企画展「モダン・エキスポ・ポスターズ:グラフィックでみる現代の万博」(開催中〜8月20日)です。
万博テーマの変遷を色濃く反映したポスターからは、時代や社会の変遷を感じ取ることができます。本展では、現代的な万博の走りとなった1958年ブリュッセルから、2025年大阪・関西までの11回の登録(一般)博覧会に、沖縄、つくばの2回の認定(特別)博覧会と大阪(国際園芸博覧会)を加えた、計14回の現代の万博のポスターを、DNP文化振興財団の所蔵作品を中心に、博覧会国際事務局、万博博物館および乃村工藝社の協力のもと展示。また特別展示として、2025年日本国際博覧会のロゴやデザインシステムについても紹介しています。一部データから作成したリプロダクション作品も含みますが、その他は当時のもの。経年変化を感じさせないポスターの保管と色褪せないデザインに驚かされました。
DNPが文化遺産の保存と継承に取り組む拠点
企画展を楽しんだら、お隣の「DNP京都太秦文化遺産ギャラリー」もぜひ訪れてほしいです。こちらはDNPが印刷事業を通じて培った文化遺産のアーカイブ事業を広く公開・紹介する施設。DNP独自の高精細複製「伝匠美(でんしょうび)」の洛中洛外図屏風(池田本)は必見です。印刷の美しさはもちろんですが、至近距離で見ると凹凸まで再現されているんです。
ほかにもDNPの取り組みのひとつである「DNPミュージアムラボ」ではルーヴル美術館やフランス国立図書館をはじめ、国内外のミュージアムと共同で開発したインタラクティブ鑑賞システムを実際に触って操作でき、美術作品の新しい見方を体感することができます。DNPが提案する文化遺産の「未来のあたりまえ」を体感したひとときでした。
■京都dddギャラリー 住所:京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON KARASUMA 3F 電話番号:075-585-5370 アクセス:阪急京都線「烏丸駅」23番出口 三井住友信託銀行口直結、「烏丸駅」25番出口 三井住友信託銀行四条口直結、地下鉄烏丸線「四条駅」2番出口 四条烏丸西直結 営業時間:11:00〜19:00(土日祝 18:00まで) 休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、 祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)、展示替え期間 入館料:無料 URL:https://www.dnpfcp.jp/gallery/ddd/
■DNP 京都太秦文化遺産ギャラリー 電話番号:075-662-7090 営業時間:11:00〜19:00(土日祝 18:00まで) 休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)、京都dddギャラリーの展示替え期間中 入館料:無料 URL:https://dnp-cultural-heritage.jp/
まとめ
今回の「乙な京都」はいかがだったでしょうか。「京都dddギャラリー」では年間5~6回の企画展が催され、国内外のアーティストとの意外な出会いを楽しむことができます。しかも駅直結の好立地&無料なので近くに寄られた際はぜひ訪れてみてください。
TEXT by 乙な京都™