選抜高校野球98年ぶり大阪勢不在のピンチ…東洋大姫路・岡田龍生監督が救う?
履正社と大阪桐蔭が初戦敗退、大阪学院大高は準々決勝で散る
高校野球秋季近畿大会で異変が起きている。甲子園常連の履正社(大阪1位)と大阪桐蔭(大阪2位)が初戦敗退し、大阪学院大高(大阪3位)は初戦突破したものの準々決勝で東洋大姫路(兵庫1位)に0-4の完封負け。2025年春に行われる第97回選抜高校野球の近畿の出場枠は「6」のため、大阪から1校も選ばれない可能性が出てきたのだ。
大阪はセンバツ通算勝利数が全国最多の215勝。2位・兵庫の180勝を大きく引き離しており、12度の優勝も2位・愛知の11度を上回る最多記録。近年は大阪桐蔭と履正社が2強を形成しているが、過去にもPL学園や上宮、近大付、浪商(現大体大浪商)などが何度も甲子園を沸かせてきた。
センバツは近畿から6校選ばれるのが通例となっており、必ずしも大阪から選ばないといけないわけではないが、前年秋の近畿大会でベスト4以上に入れば翌春のセンバツ出場はほぼ確定する。
しかし、今秋はベスト8までに大阪勢が全滅。当たり前のように毎年出場してきた大阪勢が仮に選ばれなかった場合、なんと1927年の第4回大会以来98年ぶりとなるのだ。
近畿大会決勝は東洋大姫路vs智弁和歌山
私立全盛の大阪では1995年センバツの市岡以来、公立校の出場はないが、戦前は公立校が大勢を占めていた。
1924年の第1回選抜中等学校野球大会から3年連続出場したのが市岡中。春11回、夏10回の計21回甲子園に出ている古豪だ。
第3回大会に初出場した八尾中も当時は強く、春6回、夏4回の計10回、甲子園に出場している。
しかし、全国から8校と出場校の少なかった第4回大会だけは大阪から唯一、出場校がなかった。同年は東京、神奈川、愛知からも出場校がなく、近畿からは関西学院中と和歌山中(現桐蔭)が出場。決勝で広陵中を8-3で下した和歌山中が初優勝している。
今年の秋季近畿大会は4日の決勝で、東洋大姫路と智弁和歌山が激突。初戦敗退の履正社と大阪桐蔭はセンバツ絶望的なため、大阪学院大高が選ばれるためには、準々決勝で敗れた東洋大姫路が優勝した方が可能性は高まるはず。東洋大姫路の岡田龍生監督はかつて履正社を率いて全国制覇した名将だが、結果的に大阪勢を後押しすることになるか。
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記事:SPAIA編集部