上半期の速報値が発表 栄区 建物火災が前年比2倍
栄区内における2024年上半期の火災・救急状況(速報値)がまとまった。栄消防署によると、昨年を上回るペースで火災が発生し、中でも建物への被害が増加しているという。
火災件数は昨年から5件増の12件。特に建物火災は4件から10件へと2・5倍に増えている。加えて、焼損床面積は181平方メートルで昨年比約3倍に増加。死傷者数も増えており、3人から7人となっている。建物火災の増加に付随する形で焼損床面積や死傷者数も増える形となった。
電気配線による被害増
出火原因として顕著なのが、コンセント周りのトラブル。栄消防署によると電源タップなどに複数の電気機器を接続するタコ足配線が危険だという。電源タップの許容電流を越えることなどが原因で、熱を持ち発火する。加えてコードが家具の下敷きになって起こる断線も多く、踏まれている部分で電流の流れが悪くなることでコードに熱が溜まり、出火するケースがあるという。栄消防署副署長の菅野剛さんは「定期的な点検をお願いしたい」と話した。
同消防署は対策として防災訪問を実施。高齢化率の高い地域を重点的に警報機の設置状況の確認、防災に関する情報共有を行っている。予防係長の新倉浩一さんは「周囲の方とコミュニケーションを取ることで、注意喚起の輪が広がって欲しい」と市民同士の共助に期待を込めた。