「これくらいが絶品なのかもしれません」 流氷をレポートし続け十余年...A5ランク級の眺めがコチラです
「サシが入ったA5ランクの霜降り」――そんなワードを見てしまえば、皆さんの頭の中は美味しそうな和牛でいっぱいになっているに違いない。ジュワッとよだれが出てきた人も、居るはずだ。
しかし、今回ご紹介したいのは絶品の牛肉ではない。絶品の......流氷である。
「サシが入ったA5ランクの霜降り状態 流氷も全面真っ白よりは、これくらいが絶品なのかもしれません...」
2025年3月11日、X上に投稿されたのは、約30秒の動画だ。
流氷の張った海面が緩み始め、潮の流れが幾筋も見えている。霜降りA5ランクのオホーツク海とは、なんとも美味そうな表現。全面真っ白より、味わい深いということなのだろうか。
投稿者は、流氷情報を発信するXアカウント「流氷なび」(@ryuhyonavi)。
Jタウンネット記者は「流氷なび」の〝中の人〟に詳しい話を聞いてみた。
流氷の去り際に輝く「幻氷」
「流氷なび」は2011年にスタート。当時の網走観光協会の発信によると、網走市、斜里町、羅臼町の3観光協会が連携して開設した、流氷のリアルタイム情報を発信するアカウントだ。
「近年は1日で去ったり、また来たりしますが、流氷の現地の情報がなく、網走・斜里・羅臼の地区でそれぞれの担当者が発信していました。今では、斜里地区担当者ひとりのみになってしまいました笑」(「流氷なび」中の人)
つまり、斜里地区では10年以上も活動を続けていることになる。
長きにわたって流氷を見続けてきて、好きな流氷の光景はどんなものか。尋ねると、中の人はこう答えた。
「流氷に太陽が沈む地域は、オホーツク海でも斜里町峰浜地区よりウトロなので、夕陽は絶景ですね。 春の蜃気楼『幻氷』も流氷がくる地域ならでは。流氷の去り際に海全体が鏡状になるのは凄いです」(流氷なび・中の人)
季節が移り変わろうとする時季、つまり春に向かう今しか見られない美しい光景があるということだろう。
流氷といえば観光船が運航している紋別や網走が有名だが、「流氷なび」中の人が暮らす斜里・ウトロは、流氷が最も長い期間接岸する地域で、漁船ですら出られないという。斜里町はまさに「流氷の街」と言えるそうだ。
「流氷なび」を始めた当初は、流氷を間近で見られるスポットである以久科原生花園の海岸へ降りるには、スノーシューが必要不可欠だった。今では多くの観光客が訪れるようになり、足跡で道ができてとても楽になったという。「SNSって凄いなと思っています」と中の人。
「(SNSで)『流氷なび』を見てココにきました」とか「『流氷なび』と同じところで撮ってみました」という投稿を見かけるのは嬉しいですね」(中の人)
流氷の状況は、1日1日と変わっているようだ。出かけようと思っている人は、「流氷なび」で情報をチェックして行こう。