全九州高校体育大会 柔道女子 強豪に挑んだ柳ケ浦が3位、夏前につかんだ手応え 【大分県】
全九州高校体育大会 柔道
6月21日 クラサス武道スポーツセンター
女子団体
準決勝 柳ケ浦0-2大牟田(福岡)
準々決勝 柳ケ浦2-0鹿児島南
1回戦 柳ケ浦2-0佐賀工
全九州高校体育大会の柔道競技が大分で開催され、女子団体では柳ケ浦が3位入賞した。準決勝で全国屈指の実力を誇る大牟田(福岡)に0-2で敗れたが、選手たちの目からは悔しさとともに確かな手応えが感じ取れた。
今年の柳ケ浦は、3年生を主軸とした団結力のあるチームだ。練習中は明るく、時折笑い声が絶えない。だが、畳に立てば目の色が変わる。互いを信じ、自分の役割を全うする。その姿勢が、県高校総体からこの大会へとつながる成長を支えてきた。
初戦から堅実な戦いぶりが光った。先鋒の坂山杏(3年)は、粘り強く「投げられない柔道」を徹底し、引き分けでつないだ。得意の大内刈りを軸に相手の攻めを受けきる。中堅には、モンゴルからの留学生ジャランタ・アナラ(同)が立つ。力強い組手と鋭い投げ技で勝ち切る力があり、ポイントゲッターとしての存在感を示した。締めを任された大将・住本遥香(同)は常に冷静。勝っている展開でも、リードを広げるために果敢に技を仕掛け、時には寝技でポイントを積み重ねる柔軟さも見せた。
ポイントゲッターのジャランタ・アナラ
準決勝の相手、大牟田は全国でもトップクラスの強豪。その壁は高く、実力差を痛感させられる展開となった。それでも、山尾明監督は「気持ちで負けていなかった」と選手たちを評価する。勝敗の先にある「全国基準」を肌で感じられたこの敗戦は、7月の金鷲旗高校柔道大会、8月の全国高校総体に向けての貴重な財産になる。
「日本一を目指す」と語るアナラの言葉は、悔しさと覚悟が入り混じる。住本は「九州で全国のレベルを体感できた」と語り、控えの菊陽葵(きく・ひまり、3年)は「チーム一体となった雰囲気をつくりたい」と前を向く。大会を通じて各自が役割と課題を明確にし、次なる挑戦に向けて一層の結束を誓った。
今大会では、試合展開だけでなく選手同士の声かけや支え合いにも目を見張るものがあった。勝っても負けても互いの健闘をたたえ合い、次の一本を前向きに見つめる姿勢が、柳ケ浦の原動力だ。結果だけでなく、過程に価値を見いだせるその姿勢が、やがて大きな成果となって花開くはずだ。
試合後に笑顔を見せる選手ら
(柚野真也)