日本を変える!?しーびーくらうどって?新進気鋭のIT企業、CBクラウドは沖縄から飛び立って…
今回のテーマは『新進気鋭のIT企業 沖縄で事業拡大のワケ』です。
ここ数年、急速に業績を伸ばしているIT企業が2024年10月、活動拠点を東京から沖縄に移しました。 2年後の上場を見据える企業がなぜ新たな拠点に沖縄を選んだのか、話を聞いてきました。
物流業界の課題を独自のシステムで解決
最近このCM、よく見かけませんか?
インパクト大のCMで、企業の存在をアピールするCBクラウド。一体どのような会社なのでしょうか… 那覇市出身の松本隆一(まつもと りゅういち)さんです。
伊波さん 「あそこに飛行機の絵があるんですが、何か意味があるんでしょうか」 CBクラウド 松本隆一CEO 「私は起業する前に航空管制官という仕事をしておりまして、そこの空のイメージで、『沖縄から飛び立って、価値のあるサービスを全国に届けたい』という思いで滑走路(と飛行機)を」
航空管制官からIT企業の代表という異色の経歴を持つ松本さん。そのキャリアについて伺う前に、まずは会社の概要について聞いてみることに。 伊波さん 「CBクラウドとはどのような会社なのでしょうか」 CBクラウド 松本隆一CEO 「荷物を運んでほしい企業のオーダーに合わせて、全国の荷物を輸配送、テクノロジーの力を駆使しながらドライバーをネットワークして荷物を輸配送している会社になります」 CBクラウドが提供する「ピックゴー」は、荷主とフリーランスの宅配ドライバーを即座に繋ぐサービスです。
インターネット販売の普及により宅配便の数が増加する一方で、物流業界は低賃金や長時間労働などの課題を抱え、宅配ドライバーの人手不足が深刻化しています。 その根底にあるのが、日本の物流業界の多重下請け構造です。
荷主から荷物が届けられるまでの間に、複数の運送会社が業務を請け負う形となっていて、中間マージンによって最終的な配送を担うドライバーに、適切な賃金が支払われないという問題を抱えていました。 ピックゴーは自社開発したシステムで、荷主とフリーランスのドライバーを直接つなぐことにより、迅速な配達とドライバーの待遇改善に繋げていて、国内の登録台数は大手の運送会社に匹敵するおよそ6万台に及びます。
2024年11月、沖縄アリーナで行われたIT・DXの展示商談会・リゾテックエキスポでは、玉城知事や韓国・済州(チェジュ)島の知事がブースの視察に訪れるなど、行政からも高い関心が寄せられています。
CBクラウド 松本隆一CEO 「私たちのネットワークに所属することによって好きな時間に働いたり、好きな仕事を自由に選んで働ける環境を作れてきましたので、職業の在り方を変えらえることによってさらにドライバーになりたい方々を増やすことにも貢献できたかなと思っています」 航空管制官から一転、物流関連のIT企業を立ち上げるに至ったのには、軽貨物車などを販売する会社を経営していた義理の父の存在がありました。
CBクラウド 松本隆一CEO 「社会として必要とされている職業にもかかわらず、なかなかドライバーの働く環境が良くなかったり、そういったところに目をつけてました。義父がビジネスを作り始めていた時に僕が出会いまして、僕も元々プログラミングをしていた経験がありましたので、それを活かせば義父が作りたい世界に貢献できるなと」 事業を形にするためシステム開発に打ち込み、完成のメドが立った2013年、起業のため松本さんは国土交通省を退職しました。
しかしその2週間後、義理の父が急逝。 遺品を整理していた際に見つかったのが、手書きで記された事業構想案「軽タウン」でした。
この構想を基に亡き父の遺志を受け継ぎ、ドライバーの待遇改善という使命のもと、今も事業を展開しています。 スーパー「軽town」を設立し、現在は「ピックゴー」として事業展開。 時代の波を捉え急成長を遂げるCBクラウドは2024年11月、東京に構えていた本店を沖縄に移転し、県内のIT企業として新たなスタートを切りました。
CBクラウド 松本隆一CEO 「全国のお客様を対象としながら仕事をすると、けっこう沖縄の人材が自分の殻を破ってものすごく成長して貢献するところを僕は実感というか体感としてありましたので」 那覇市にある本店では現在、およそ40人の社員が働いています。 賃金テーブルは東京と同等。成果に応じた昇給制度も設けていて、実力が適切に評価される環境と充実した業務内容にやりがいを感じているようです。 CBクラウド プロダクト本部 玉城一麿マネージャー 「これまで10年ぐらい(IT)業界に務めているんですけど、振り返ってみたら(システムの)自社開発をやったことないなっていうことに気づいて。せっかく与えられたチャンスと言いますかステージと言いますか、そこでどれだけ暴れられるか」
松本さんは県内のIT企業として初の上場を目指すととともに、沖縄の雇用創出にも貢献したいと意気込みます。 CBクラウド 松本隆一CEO 「(沖縄で)5年以内に200名以上の採用を追加でしたいなと考えています。東京の人材と変わらない、またはそれ以上の活躍をしていますから、環境や待遇など、そういった仕事の魅力をちゃんと感じることによって、まだまだ沖縄の人材の可能性っていうのは秘められていると強く感じています」
沖縄の人材を活用し、価値あるサービスを全国へ! CBクラウドの挑戦は続きます。
今日の一言
──さて伊波さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。 伊波さん 『沖縄出身経営者が日本を変える』です。
最近、松本社長のように、日本全体の課題を解決する有名な会社の代表が、実は沖縄出身者という事例が増えています。 芸能やスポーツに続いて、IT業界でも全国制覇する企業が続々と誕生しています。その企業がいずれ沖縄に凱旋して雇用を生み、県内の経営レベルも上げる。CBクラウドはまさに理想的なモデルケースです。どんどん後に続く経営者が出てきてほしいものです。