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名物の河越茶とサツマイモスイーツを食べ歩き。川越『ACROSS THE RIVER-TEA STAND-』で地元の人に混ざって街を満喫

さんたつ

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川越駅の東側から始まるクレアモールは、地元の人が日常的に利用する全長約1kmの商店街。買い物客に混ざってあちこち回遊するうち、喉が乾いてきた。なんだか小腹もすいたなあ。Googleマップで食べ歩きにちょうどいい場所を探すと、近くに『ACROSS THE RIVER-TEA STAND-』が。川越にはたくさん名物があるけれど、そういえばお茶も有名だ。

ACROSS THE RIVER -TEA STAND-(アクロスザリバー ティースタンド)

乾いた喉を、歴史ある銘茶・河越茶で潤す

500年以上前の南北朝時代、「天下の茶所」と呼ばれていたのが旧河越領。界隈の武将に愛された河越茶は、10数年前に復活し、今も川越や狭山、所沢などで生産されている。『ACROSS THE RIVER-TEA STAND-』に行くと、河越茶で作るアレンジティー、さらに台湾の高級茶葉を使ったドリンクなど、メニューがバラエティに富んでいてつい目移り。オーナーが台湾のお茶文化にくわしく、ドリンクはこの2本柱になったそうだ。

クレアモールのメインストリートに面して掲げられた、青い庇が目印。
小江戸和紅茶(M)340円。淹れ方は台湾のお茶の先生直伝。

なかでも気になったのは小江戸和紅茶。河越茶の茶葉を発酵させ、紅茶に仕上げているという。飲んでみるとほのかに甘く、すっきりして飲みやすい。毎回注文を受けてから一杯ずつ淹れているそうでえぐみがなく、じわじわと体に滋味が染み渡っていくようだ。柔らかい香りも、ふわり。

店内のイートインスペースも利用可能。散歩の途中で休憩するのにもいい。

店頭に用意されている茶葉は、全部で5種類。作り置きは一切せず、すべて淹れたてを提供している。アイスティーの場合も茶葉にお湯を注ぎ、氷を使って急冷。そのため、味わいや香りがしっかり保たれ、茶葉本来の魅力がダイレクトに伝わってくるのだ。

川越ならでは!サツマイモが主役のクレープでホクホク

さて、小腹は何で満たそう。入り口にある幟(のぼり)には、色とりどりのクレープが描かれている。2017年にティースタンドとしてオープンした後、オーナーは「この辺りは人通りが多いわりに食べ歩きにぴったりのお店が少ない」と思い立ち、2024年にクレープも始めた。するとたちまち若者の人気を呼び、今では老若男女がこれを目当てに訪れるようになった。

芋モンブラン680円。見た目通り重量感があり、食べ応えも十分だ。

聞くと、「香料は使いません。フルーツソースは素材の味を生かすため、店内で手作りしています」とスタッフ。例えば、イチゴソースはフレッシュなイチゴに砂糖、レモン果汁を加え、小鍋で丁寧に煮詰めている。芋モンブランは地元産のサツマイモを使い、店内の絞り機で製造。全体としてほどよい甘さになるよう、バランスがよく計算されている。

クレープトンボ(クレープの生地を広げる棒)を回転させる手際のよさで、生地の厚みが決まる。

生地は、具材の味わいをぐっと引き立てるため極力シンプルに。それでいて、卵を多めに使っているので、食べるとほっこりする朗らかな旨味がある。国産の小麦粉と米粉をブレンドした、もちもち食感もたまらない。齧った瞬間、表面がサクッと軽い歯触りがするのは、焼く時に薄く伸ばしているからで、これには技術が必要なのだとか。

食感のアクセントとして、ダイス状にカットした干しいもをトッピング。

クレープは全10種類。とことん川越気分を味わうには、サツマイモをふんだんに使った芋モンブランがいい。カスタードクリームも手作り、生クリームは甘さ控えめに仕上げてあり、サツマイモのほくほくした甘さと口の中で重なり合う。力強い味わいでありながら決して重たくならず、ぺろっと食べられるから不思議だ。

台湾発祥のタピオカドリンクもバリエーション豊か

また、タピオカのドリンクも見逃せない。真っ先に目に止まったのは、河越抹茶ミルク、河越ほうじ茶ミルクなど、台湾と川越をミックスしたオリジナルのラインアップ。さらに、タピオカ入りのスムージーはボリュームがあり、おやつ感覚でも楽しめる。少し小腹がすいたくらいなら、これだけでも十分満たされるかもしれない。

タピオカドリンクの底を見ると、新鮮なタピオカがたっぷり入っている。

タピオカドリンクは、ミルクティーとスムージーを合わせて10種類以上。ストローを吸うと大粒のタピオカがつるんと滑り込み、噛むともちっと弾力がある。時間が経つと独自の食感が失われ、固くなってしまうので、こまめに準備するのがこだわりだという。国産メーカーのものを使用し、店内で蒸し、氷水で洗って冷ますことで噛み応えを生んでいる。

フルーツを使ったドリンクも評判。季節限定メニューを楽しみに訪れる常連客も多い。

ストロベリースムージーには手作りのイチゴソースを。こちらも注文を受けてから一杯ずつシェーカーを振り、丁寧に作ってくれる。果肉たっぷりで、フレッシュな果実味がハツラツとした印象に。氷を使っていないためアイスが溶けてしまっても味が薄まることなく、最後までしっかりイチゴの風味を味わえるのがうれしい。

店で使われている茶葉も販売。台湾出身のオーナーが厳選している。

クレープは他にもサラダチキン、ハムチーズなどの食事系も用意されている。生地そのものを楽しむなら、シンプルなシュガーバターも捨てがたい。夏はなんとかき氷も登場し、毎年これを楽しみにしている常連客もいるとか。あれもこれも気になって、頻繁に通える地元の人たちをうらやましく思ってしまうなあ。

ACROSS THE RIVER -TEA STAND-(アクロスザリバー ティースタンド)
住所:埼玉県川越市脇田町8-1/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR川越線・東武鉄道東上線川越駅から徒歩5分

取材・文・撮影=信藤舞子

信藤舞子
ライター
北海道弟子屈町生まれ、札幌市育ち。現在は東京在住。雑誌、WEBメディアを中心に、街歩きや旅、日本の文化について執筆する。なかでもおやつには目がなく、近著は『東京おやつ図鑑 和菓子編』(交通新聞社)。レコードや着物も好き。

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