6月頃に事故原因取りまとめへ 上越市の県営高田発電所の水管破断事故 城山浄水場への応急給水も検討
新潟県は2025年5月15日、4月6日に確認された上越市の県営高田発電所の水管破断事故で、下流河川などに流出した土砂の撤去などの応急対策が完了したと発表した。県は専門家などに依頼し、6月頃に事故原因を取りまとめる予定。また水管破断でダムからの取水が停止したままの城山浄水場(同市灰塚)への応急的な給水を優先して検討するという。
《画像:水管が破断し土砂崩れが起きた現場付近(2025年5月11日撮影)》
事故は後谷ダムから発電所に引いている水圧管路が壊れて水が流出し、破断部分の周辺で大規模な土砂崩れが発生した。発電所は改修工事中で、ケーブルクレーン用の高さ約50mの鉄塔2基が倒れ、崩壊した土砂約6万5000立方mのうち約4万2000立方mが発電所下流に流出した。このため発電所下流の同市向橋の取水堰が流木でせき止められ、同所の休耕田約1万6000平方mが浸水したほか、沢山川や儀明川、用水路にも流出土砂が堆積(たいせき)した。
県によると、崩壊現場で発生した土石流を防止する土砂止めブロックの設置や、河川に堆積した土砂の撤去などの応急対策を5月14日までに完了した。
事故原因の究明のため、県は地質や構造物など各分野の業者や専門家に調査を依頼しており、結果の取りまとめを6月に予定している。また崩壊部分の復旧方法は9月頃に決まるという。
《画像:事故の影響で停止している上越市の城山浄水場。奥が破断した水管(同)》
事故の影響で、上越市は旧上越市内の約6割に水を供給する城山浄水場を停止し、正善寺浄水場の配水量増加や地下水浄水場の運転で上水道の配水を行っている。県は同浄水場への応急的な給水路の確保を優先して検討するとしている。