Yahoo! JAPAN

「彼女とは別れた」を信じて…元カノから“略奪愛”と噂を流された女性のトラブル

ウレぴあ総研

すでに恋人のいる人を自分のほうに向かせ、新しい関係を持つのが略奪愛ですが、好んでそんな恋愛を望む人は少ないのではと思います。

略奪愛はネガティブなイメージを持たれるからこそ、自分はやらないと考える人もいるでしょう。

ある女性は、「普通に」お付き合いを始めたはずが、なぜか略奪愛の噂を流されて困惑しました。

女性に何があったのか、ご紹介します。

「彼女とは別れた」を信じて

mimot.(ミモット)

藍子さん(仮名/30歳)が友達関係だった男性と付き合うことになったとき、以前の彼女との関係については「終わった」と聞かされていました。

「それまで付き合っていた彼女と別れた後で改めて仲良くなり、お互い好きになりました。

彼のほうから告白してくれて、普通にお付き合いが始まったと思っています」

「彼女とは別れた」と男性はきっぱり口にしており、ふたりが親しくなる過程でそれが問題になることもなかったため、藍子さんはその言葉を信じていたといいます。

元カノは、藍子さんとはそれほど親しくないけれど「友達関係にはある」女性で、「私たちの話が耳に入ることは気になったけれど」と話す藍子さんは、それでも男性の自分への好意を嘘ではないと思っていました。

周りにも男性とのことは話しており、共通の友人たちから冷やかされることもあったといいます。

始まった交際はスムーズに進み、デートもお泊りも楽しかったことを藍子さんは話してくれました。

「元カノの話ですか?

彼から言ってくることはなかったですね。その人は私たちのグループにはいないし、普段から私と元カノを比べるような発言はしないし、今どんな関係かなんて気にしていませんでした」

そんな藍子さんが「略奪愛」の疑いをかけられたのは、ある女友達の存在からでした。

彼氏が「私に口説かれた」?

mimot.(ミモット)

「友達のAは元カノと知り合い程度の仲だったと思うのですが、ある日突然『あなたが彼を口説いたって、本当なの?』と聞かれました」

驚いた藍子さんが「誰が言っているの?」と尋ねると元カノの女性で、

「『まだ別れ話をしている最中だったのに横から入ってきた』ってAに話したそうで、彼がその人と別れてから仲良くなったと慌てて説明しました」

と、男性が「彼女とは別れた」と口にしたことを話したそうです。

自分たちがお付き合いを始めたことは、いずれ元カノの耳に入るとは思っていましたが、彼から聞いた状況と違うことに藍子さんは強く戸惑ったといいます。

「すぐ彼氏に確認しました。

そうしたら『この日に終わっているから』ってLINEのトーク画面を見せてくれて、そこには確かに『別れよう』と彼が切り出して『わかった』と女性が答えていて、その後は私物を引き取るやり取りが残っていました」

なぜ元カノがAさんにそんな話をしたのかについて、

「別れたくないと言っていたから、未練があるのかも」

と彼は話し、藍子さんは男性のLINEでふたりはきちんと別れていたことを改めてAさんに伝えます。

「証拠というか、ふたりの会話が今も確認できることと、別れた日もわかっていることが心強かったです。

何より彼氏がすぐLINEを見せてくれて、『本当に終わっているから』と話してくれたのがうれしかったですね」

それまで、男性が自分に隠れて元カノに会っているような雰囲気はなく、共通の友人たちもふたりが別れてから自分と仲良くなったと認識してくれていたため、藍子さんにとっては完全に「言いがかり」でした。

食い違う主張

mimot.(ミモット)

ところが、次にAさんから電話がかかってきたとき、藍子さんが聞かされたのは「元カノのほうは距離を置くつもりで別れ話に『わかった』と返した」という、何とも無理のある主張でした。

元カノの言い分では、男性の勢いに「仕方なくわかったと答えた」形になっていて、本当に別れたつもりではなかったのですね。

「でも、おかしいですよね。

それならどうしてその後で彼に連絡していないのか、私と付き合い始めてから急にそんなことを言い出したのか、何を考えているのかわからなくて怖かったです」

それをAさんに言うと、

「そうだねって頷いてはくれたのですが、彼の別れ方がおかしいとか、LINEじゃなくて面と向かって言うべきだとか、今度はそっちを責めだして。

何となく元カノの言い分を真に受けている感じでした」

Aさんが元カノからどんな話を聞いているのかは詳しく聞かなかった藍子さんですが、とにかくLINEに証拠が残っていることと、今になって騒ぎ出した元カノへの違和感が強く、ほかの友人にも相談したといいます。

「友達のBは、AにLINEのトーク画面を見せたらってアドバイスをくれたのですが、こっちが何を言っても元カノのほうは『仕方なかった』を通すだろうし、そもそもAが元カノの味方をするのなら無駄ですよね……」

一方的に「略奪愛」の言いがかりをつけられた藍子さんは、元カノに腹が立ちながら、Aさんへの不信感も強かったそうです。

「Aさんの目的は何だったのでしょうか」ふと気になって尋ねると、

「想像ですが、元カノに泣きつかれたというか略奪愛なら許せないという雰囲気がありました。

本当は私が元カノから彼を奪ったのではと疑っていて、それが真実なら皆に言いたいって感じでしたね」

藍子さんはため息をついて答えました。

元カノの「狙い」とは

mimot.(ミモット)

Aさんは、藍子さんだけでなく共通の友人にも元カノから聞いた話を伝えており、

「彼もこの話を別の男友達から聞かされて、うんざりしていました。

でも、彼のほうは元カノについて付き合うのが大変なことを以前から友人に話していて、別れたときもすぐ周りに言っていたようで、騒ぎにはなっていませんでした」

まだ別れていないのに藍子さんが男性を口説いた、という元カノのストーリーは、男友達だけでなく藍子さんの友人たちの間でも「じゃあ何で自分からよりを戻してって言わないの」「悔しいだけじゃない?」など、疑問を持つ声が多かったといいます。

「孤立していったのはAで、『元カノの話が本当なら、どうして本人が出て来ないの』と言われていました。

おそらく私と同じことを別の友人からも言われて、元カノのおかしさに気が付いたのかもしれません」

最初はトゲのある剣幕だったAさんは少しずつ勢いをなくしていき、藍子さんに電話をかけてくることもなくなります。

「彼と、元カノはどうして今さらこんなことを言い出したのかって話しました。

そのとき初めて聞いたのですが、それまで何回も別れ話は出ていたそうです。

LINEで書いたのは、元カノが電話に出ないし会おうともしないのが理由で、彼のほうこそ『仕方なく』だったのですね。

それ以降元カノは何も言ってこなくて、『俺から連絡してくるのを待っているのかも』と彼は言っていました」

どうして自分で言わずにAさんを利用するのか、が藍子さんは疑問だったそうで、

「Aは私に近い友人だし、略奪愛の噂を流せば私たちが別れると思ったのかもしれません」

と、肩を落としました。

うがった見方をすれば、自分の作ったストーリーは間違いだとわかっていながら、男性からこれを理由に連絡が来ることを望んだのかもしれない、とも感じました。

事実を曲げることのリスク

mimot.(ミモット)

この騒動は、Aさんが何も言わなくなったことで自然に消えていきました。

Aさんが藍子さんに事情を説明することはなく、元カノとはどんな話をしていたのかは、今もわかっていません。

男性が元カノに連絡することはなく、「今まで通り、ふたりで過ごしました」と、それまでと変わらない男性の様子に藍子さんは安堵したそうです。

何が「事実」なのか、LINEでのやり取りが残っており元カノがそれから男性に連絡をしなかった状況を客観的に考えれば、やはりふたりは別れていたと受け取るのが自然です。

元カノが主張する「仕方なかった」が本当だとしても、それなら自分から復縁を求めるのが筋であり、男性が藍子さんと交際を始めてから「自分たちは別れていなかった」とするのは無理があります。

違和感は、藍子さんの登場を「彼を口説いた」形にしていることで、それを裏付ける証拠もなければ男性本人からもそんな場面は出てきません。

自分と別れてから仲良くなったのを「口説いた」と指すのは、元カノのほうが歪んだ見方をしているといえます。

「元カノは、彼が私に騙されたとか、そんな言い方をAにしたのではと思っています。

自分と離れている間に私が彼を口説いて、いつの間にか別れた形にさせられたのが、元カノの望んだ話のような気がしますね」

話を聞きながら見えてくる元カノは、そう遠くない距離で新しい彼女を作った男性への恨みや、藍子さんへの憎しみを抱えている気がしました。

それは当人の事情でしかなく、事実を曲げて吹聴するのは、不自然な点がかえって露呈することになります。

最後に追い詰められるのは自分であり、望んだ結末は訪れないだけでなく、味方も遠のくことを、忘れてはいけません。

「Aについては、そそのかされたっていい方は悪いけれど、もう少し私の話もちゃんと聞いてほしかったなと、それが残念ですね」

Aさんとは今も疎遠なままですが、元カノの一方的な言い分を信じる様子を思い出すと、これから信頼を向けるのは難しいのが藍子さんの現実です。

他人の関係に踏み込んで事実をよく確認することなく荒らすのは、自分の孤立を誘います。

別れた人が新しい恋人を作ることを許せず、その仲を裂きたいがためにおかしな噂を流す人は実際にいますが、その結果かえってふたりの絆が強くなるのも、よくあることです。

別れた痛みと正面から向き合えない弱さは自分に返り、結局は立場を悪くすることもあります。

人を恨むのではなく、自分の在り方はどうなのか、もう一度考える機会が必要ですね。

(mimot.(ミモット)/弘田 香)

【関連記事】

おすすめの記事