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<離婚する?復讐する?>26年前の罪⇒高校生で妊娠「またいつか……」未来を信じて【まんが】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

私(ナツキ)は、夫のトモヤと2人暮らしをしています。トモヤとは高校の同級生でした。高校時代からお付き合いがはじまり、紆余曲折ありましたが現在も仲良く暮らしています。数年前にマイホームも購入。平日はお互いに仕事に勤しみ、週末は美味しいものを食べに行ったり、長期休みには旅行をしたり。腐れ縁……と言ってしまえばそれまでですが、付き合いはじめから数えると26年も一緒にいることになります。実は私とトモヤには人には言えない秘密があったのです。それを共有することで、これまで支え合ってきたのでした。

当時、高校生だった私は、同級生のトモヤとお付き合いをしていました。勉強に部活に学校行事に恋愛にと、まさに青春真っただ中にいた私たち。

そして、高3の秋……予期せぬ妊娠の発覚。

当時、受験生であった私たちの将来を心配して、義両親は猛反対をしていました。

一方ウチの両親は最初こそ反対していたものの、私の意思の固さを知り

「堕胎なんて簡単に言わないでください! 傷つくのは娘の身体なんですよ!!!」

と必死に話し合ってくれました。

私たちは何度も何度も話し合いました。けれど……トモヤの気持ちがくつがえることはありませんでした。

「今回は、諦めよう」

私がいくらお願いしても、トモヤは首を縦に振ってはくれませんでした。

たしかにそのときの私たちはまだ高校生。自立もままならない子どもでした。「堕胎」という選択は仕方なかったのかもしれません。私たちはたくさんの涙を流しながら、お腹の赤ちゃんとお別れをしたのでした。

高校生での妊娠は慎重にならないといけなかったし、まだまだ未熟だった証拠でした。 だからこそ、その責任をとろうと、私は産みたいと思っていました。 しかし当然、トモヤをはじめ、特に義両親に猛反対されます。 何度も何度も話し合いを重ね、いつかまた赤ちゃんを抱ける日を願いながら、私はお腹の赤ちゃんに別れを告げたのでした。 それからしばらくはショックで呆然。 しかし迫る受験に向けて気持ちを切り替えなくてはならず、私はなんとか前を向いて歩みはじめたのです。 大学生になってからもトモヤとは交際を続けており、お腹の赤ちゃんのことを忘れた日はありませんでした。

妊活に終止符「もし産んでいたら……?」後悔ばかりの10年

子どもを堕ろして以降、両親はトモヤとの交際をよく思っておらず、結果的に私は結婚を機に実家から勘当されてしまいました。

結婚してからしばらくは、自然に任せながら妊活をしようと思っていたのですが、なかなか成果がでません。そのまま数年が経ち、ついにクリニックに通いながら本格的に不妊治療を始めることにしました。

しかし……治療のステップアップをしても、私たちは子どもを授かることができませんでした。

「あのとき、産んであげられなかった罰が下ったんだ……」

妊活がうまくいかないと、あのときお空に返してしまった赤ちゃんへの想いがますます募ってしまい、身動きがとれない気持ちになってしまいます。

そして、治療を続けているのに、なかなか子どもを授かれない辛さもあって、私は自分を責めてしまう日々を送っていました。

両親を失ってでも、私はトモヤを失いたくはありませんでした。 私の人生にはトモヤが必要だったし、きっとトモヤも同じことを思っていたでしょう。 私たちはずっと支え合い、幸せに暮らしていました。 ただ子どもを授かることはできませんでした。 これはきっと、あのとき無責任に妊娠をして、産んであげられなかったことに対する罰。 だからこそ、あのときの赤ちゃんのためにも子どもを授かりたい。 あの子の分まで目いっぱい愛情を注いであげたい。 その一心でどんな辛い治療も頑張ったし、たくさんお金もかけました。

しかし最後まで授かることがないまま、私たちは10年以上の妊活に終止符を打ったのでした。

決意!2人で前進しよう……が謝る夫「本当にすまないッ!」

2人でいれば、生きていける。そう思っていました。

散歩の途中で、ペットを散歩させている夫婦を見かけました。私は、ペットをわが家に迎えることを提案しました。

「私たち親にはなれなかったけど、命を迎えて大切に育てていければいいよね」

しかし、トモヤの反応はあまり良い感じではありませんでした。

そう……幸せは長くは続かなかったのです。

妊活に区切りをつけて、私も仕事を一層頑張り、キャリアを積みながらトモヤと2人で楽しく生きていくんだ。そう思っていた矢先の出来事です。

帰宅したトモヤの表情が神妙なことに気が付きます。

そして、謝るのです。ただ何度も。

子どもを諦めたときは、本当に悲しく、やり切れない想いでした。 でもこれは、高校生で無責任な妊娠をし、産んであげられなかった罰なのかもしれない。 そう思うことで何とか受け止められたような気がします。 私たちはこれからも2人で、あのときの贖罪を背負って生きていくんだ。 そう覚悟をした矢先の出来事でした。 地べたに頭をこすりつけるように土下座をして謝罪をするトモヤ。 離婚を申し出る彼の姿を見ても、私は信じられません。 何を言っているの? 好きな人ができたって何? しかも彼女のお腹の中にはトモヤの子どもって……? あまりに突然の出来事に、私の頭の中は処理が追いついていませんでした。

家も金もあげる!?許せない「ゼッタイに離婚しないから!」

「彼女が……妊娠したんだ……」

トモヤの衝撃の告白に、私もはじめは理解できませんでした。この人はなにを言っているの? もう子どもを産めない私を差し置いて、トモヤは自分の子どもができたからと私を切り捨てようとしているのです。

ずっと一緒に生きていくと約束したのに、トモヤは私を裏切りました。

「なんでもする! なんでもするから!!! 家も渡すし、貯金も全部渡す。俺にできることは何でもやるから!」

なんでもするからとにかく私と別れてほしい。それがトモヤの要求のようでした。

トモヤが何を言っているのか、最初は分かりませんでした。 ただ私に対する重大な裏切りをしたということは、ストレートに伝わってきました。 お腹の赤ちゃんに対して今度こそ責任をとる。 トモヤの言っていることは一見正しそうですが、その言葉がどれだけ私に対して失礼なことを言っているか、自覚がないのでしょうか。 トモヤが不倫相手の子どもを心配すればするほど、私が傷つき続けることを彼は気付いていないのかもしれません。 しかも義両親も不倫相手を受け入れているかのような口調です。 許さない。 絶対に許さない。

私はどんなに多額のお金を積まれても、絶対に離婚だけはしないでおこうと決意しました。

「生まれてくる子に私の名を!」憎しみで心がドロドロに……

「これからずっと、2人で生きていこう……」

あのとき誓い合った想いが、もはやトモヤにはないということは明確でした。もうトモヤは私のところに戻るつもりはないのでしょう。

絶対に許さない。離婚なんてしてやるものですか。

トモヤとの離婚はもう仕方ないとしても……彼の子どもが誕生することが何よりも許せない。

そこを阻止することを最優先に考えた方が良いのかもしれません。

でも……「子どもを堕ろす」ことは、トモヤだけの一存で決められるものではありません。相手の女性がそれを拒否すれば、成立することはないでしょう。

それならば、生まれてくる子どもの名前を「ナツキ」にさせようか。子の名前を呼ぶたびに自分たちが犯した過ちを思い出すといいわ。

私の心の中は、ドロドロとした負の感情でいっぱいでした。 私に子どもを諦めさせたトモヤと義両親。 彼らが幸せな生活を手に入れようとするのは絶対に許さない。 そのためにいろいろな方法を考えました。 客観的に見れば良くないことだということは分かっています。 そんなことを考えている私の顔が、どれだけ醜いものかということも分かっているのです。 自分自身がどんどん悪い方向へ行っていることを自覚しつつも、今の私はそれくらい憎しみの感情でいっぱいだったのでした。 私をこんな風にしたのは、あの人たちです。 私は悪くない……絶対に……。 そう自分に言い続けるしかないのでした。

憎しみに支配され……他人の不幸を願う自分が「心底イヤ!」

トモヤのことがあってから、食欲もないのでまともな食事をとっていませんでした。そのせいもあってか、職場でもボーっとして、仕事に身が入りません。

そんな私の様子を心配した、職場の先輩のユミさんが、お昼休みに公園へ誘ってくれました。

ユミさんのお子さんの話を聞いているうちに「私もあのとき産んでいたら……」という想いがあふれてきてしまいました。

二度と手に入ることのない物への羨望と、人の不幸を願うしかできない自分の現状に、私の涙はとまりませんでした。

ここ数日、まともに食事をとっていませんでした。 職場の先輩であるユミさんはとても心配してくれていました。 お子さんのお弁当の残り物を詰めたユミさんのお弁当は、温度こそありませんでしたがとても温かい味がしました。 それは私が欲しくてたまらなかったものでした。 あの時、お腹の赤ちゃんを産んでいたら、私にもこんな未来があったかもしれないのに。 過去の自分を悔やんでも、もう時間は戻りません。 そして自分の苦しみが大きければ大きいほど、そこから一抜けして幸せになろうとしているトモヤに対する恨みが募るばかり。 でも人の不幸を願うしかできない自分のことも、心底嫌いになっているのでした。

選択肢は2つ?冷静なアドバイスに「今すぐに選べない……」

私の話を聞いたユミさんはとても怒ってくれました。

でもそれと同時に、冷静に、私の身の振り方を一緒に考えてくれました。

私には選択肢が二つある。そしてその一つ目は「離婚はせず、トモヤに復讐し続ける」というものです。そうすれば、いくら子どもがいるとはいえ、相手の女はトモヤのことを自分のものにすることはできないのです。

私に与えられた選択肢の二つ目は「もらえるものはすべてもらって、私は新しい人生を生きる」というものでした。

そしてユミさんは「復讐しつづける人生は疲れるよ」と助言してくれるのでした。

理屈では分かっているつもりでも、そんな簡単にトモヤと離婚なんてできないというのが私の本音でした。

ユミさんのお家に呼ばれて、ユミさんのご飯を食べて、カチコチに気を張っていた心が解きほぐされていきました。

そして、すべてを話してしまったのです。 ユミさんは優しく頷きながら聞いてくれて、私の気持ちに共感をしつつも現実的な話をしてくれました。(ユミさんの友人にも離婚をめぐって裁判になった方がいて、いろいろ話を聞いたことがあるそうです)

離婚をしないという選択肢も間違ってはいないと思うけれど、子どもが生まれてきたら、トモヤと子どもが無関係を貫くことは難しくなるでしょう。 そしてその子どもを産むのか否かに口を出す権利は、私にはないのです。 その言葉を聞いて、恨んでばかりいても仕方ないのかなと、少しだけ目が覚めた気がしました。

最大の裏切り⇒彼の人生に私はいない「愛情がゼロなら……」

「旦那さんが一番責任をとらないといけないのは不倫相手のお腹の子どもじゃなくて、なっちゃんの人生だったはずじゃないの? それに不倫相手が妊娠したことを、なっちゃんよりも先に両親に相談したんでしょ? 私からすれば”一番大切な場面では必ず親を頼る男”って見えるけどな」

ユミさんの言葉がグサグサ刺さってきました。だって、どれも本当に正論だから。

「旦那さんはもう何年も、自分の気持ちに反して、なっちゃんに寄り添ってきたことが、旦那さんなりの優しさだったのかもしれないね。でもハッキリ言って、やっていることはクソだから、どうあがいても擁護はできない。ねぇ……そんな男、復讐をするだけの価値がある……?」

ユミさんのおかげで、私はだいぶ冷静に物事を考えられるようになっていました。

ユミさんの作ってくれたご飯は、どれもとても美味しかったです。 久しぶりに愛情のこもったものを食べて、話を聞いてもらえて、少しだけパワーが出てきました。 私はトモヤと義両親と不倫相手を恨み、一生をかけてどうやって復讐をしていこうかと考えていました。 けれど、彼らは私が復讐をするだけの価値のある人たちなのでしょうか。 そんな彼らが目いっぱいの誠意として提示してきたのが、家と貯金全額。 もう愛情が手に入らないのであれば、せめてもらえるものはしっかりもらって、次に進んだ方が良いのかもしれないな……。

ユミさんのおかげで、そんな風に前向きに考えることができはじめていました。

【トモヤの気持ち】やっぱり俺は……自分の子どもがほしかった!

俺(トモヤ)は、妻のナツキと2人暮らしをしていた。ナツキとは高校の同級生だ。実は高校時代に、俺たちは一度子どもを授かっていた。しかしまだ若く、産んで育てるということに現実味がなかった俺たちは、ナツキのお腹の中にいる命を空に返す選択をしたんだ。それからもずっと一緒にいる俺たちのもとに、再び子どもが戻ってくることはなかった。これがあのときの罰なのか……。そんな風に思いもするし、これからもナツキと2人で穏やかに暮らしていければいいとも思う。けれど一方で、いつまでこの罪を背負わないといけないんだ……そんな風に思う俺もいたんだ。

高校生のころ授かったとき、ナツキに「産みたい」と言われたが、俺はその気持ちにこたえてやることはできなかった。そのあと結婚したけれど、二度と俺たちのもとに赤ちゃんは戻ってきてくれなかった。これは、あのときの罪を一生背負えということ……でもこんな気持ちいつまで……。

そして次第に、ナツキと一緒にいることが辛くなってきた。ミナとの出会いは、そんな俺を救ってくれたんだ。

「いまだって、自分の子どもが欲しい。でも妻の前ではもうそんなこと……言えないんだ……この間も奥さんから、親にはなれなかったから、ペットを育てたいって言われて……なんか複雑な気持ちになっちゃってさ」

俺はミナに話を聞いてもらうようになった。

ミナはいつも俺の苦しみを一番理解してくれていたんだ。

子どもを堕ろした苦しみから、いったいいつになったら楽になれるのだろうか。 そう考え続けた結婚生活だった。 ナツキと一緒にいると、楽しいけれど苦しかった。 ミナと一緒にいると、心が休まった。 そろそろ手放していいとミナに言われて、俺は確かにその通りかもしれないと思ったんだ。 ナツキも俺も、充分苦しんできた。 でももう終わりにしよう。 お互いに新しい人生を生きた方がいい。 俺もミナと一緒に生きていきたい。 そんな風に思い始めた頃、ミナの妊娠が判明した。 その報告を聞いたとき、俺はものすごく嬉しかったんだ。 やっぱり俺は自分の子どもが欲しかった。 ナツキにどんなに恨まれてもいい。 これからはミナとお腹の子どもと一緒に生きていこう。そう決意したんだ。

親も大賛成でホッ!離婚する3つの条件?

ミナが妊娠したことを、両親に報告しにいったとき、ぜったい怒られると思っていた。

ところが、両親の反応は真逆。そのことには驚きもあったが、正直ほっとした。両親が喜んでくれて、ナツキとの円満離婚に向けて協力してくれることもありがたかった。

俺が離婚を切り出すと案の定、ナツキは取り乱して、離婚に応じないと猛反発してきた。

らちが明かないと思った俺は、しばらく別居をすることでナツキの気持ちが落ち着くのを待った。するとしばらくしてナツキから「条件をのんでくれるなら離婚してもいい」と反応があった。

両親に怒られるかと思ったら、ミナとの間に子どもができたことに大喜びだった。 その姿を見て、ナツキとの間に子どもができなかったことで、両親にずいぶん心配をかけていたんだなと反省したんだ。

ナツキには慰謝料として貯金2000万と、家の名義を渡すことで納得してもらえた。 これでようやく俺も解放される。 ナツキには申し訳ないけれど、すべてをリセットして、俺はもう一度新しい人生を生きるんだ。 最後に、ミナに会いたいと言ったナツキ。 ミナへの慰謝料請求は仕方ないところもあるから、一度だけ会わせて終わりにしようと思う。

【ミナの気持ち】奥さんからの圧「受けて立とうじゃない!」

私(ミナ)は絶賛婚活中です! そんな中で、友人のホームパーティーで出会ったトモヤと付き合っています。トモヤは既婚者ですが、奥さんとうまくいっていないようです。奥さんは子どもができない体質のようで、トモヤはずっとその気持ちに寄り添い続けた結婚生活だったと聞いています。辛そうに話すトモヤを、私が幸せにしてあげたい。そう思っていました。さらに私の妊娠が判明し、トモヤは心から喜んでくれたのです。彼が奥さんと離婚話を進めてくれ、とうとう奥さんも離婚を承諾してくれたそうですが……?

トモヤの奥さんとは、お店で会うことになりました。

「200万入っています。ネットで調べて、相場はそれくらいだって。慰謝料として受け取ってください」

私は向こうから言われる前に、用意してきた封筒を渡しました。

すると、奥さんは封筒を受け取り「お節介ながら……」と話し始めたのです。

奥さんが話し始めるとトモヤが慌て始めたのです。

「も……もういいだろ? 金も払ったし、ミナもまだ体調が安定してな……ナツキ!!!」

トモヤは奥さんの話を制止するようにさえぎろうとしますが……奥さんは続けます。

なにやら私の知らない話があるようなのです。

トモヤの奥さんは、私に会いたいと言ってきました。 きっと罵詈雑言を吐くのだろう。 そんなの怖くもなんともない。 トモヤと一緒になりたいと思ったときから、私は覚悟を決めていました。 慰謝料だって支払うし、奥さんの愚痴くらい聞き流すことはできます。 私の愛はそんな簡単なものではありません。 トモヤと、お腹の赤ちゃんがいてくれればどんなことでも怖くない。そう思っています。 しかし奥さんは「二度も裏切った」と言っていました。 二度も裏切る……? 今回の不倫の一件以外に、トモヤと奥さんの間に、いったい何があったのでしょうか。

【私の気持ち】絶望!「いらないから、あげます」自分のために離婚を決意

離婚を受け入れる覚悟を決めた私は、不倫相手の女性と会ってすべて話すことにしたのです。

私が話したことは、ミナさんにははじめて聞くことばかりだったようです。

そう、トモヤは彼女に、過去の都合の悪い話を一切していなかったのです。

ついでにいうと、家と貯金も私に渡してしまうため、もはや自分がなにもない状態だということも話していなかったようです。

「せっかく授かった命です。大切に……大切に育ててあげてくださいね。そして……トモヤ、いままで長い間ありがとう」

ここまで決断するまでとても悩みました。

でも「いまはこれでよかったんだ」と前だけを向いて進んでいこう、そう思えていました。

最後にトモヤと不倫相手に言いたいことを伝えられて良かったです。 そう、私はトモヤの子どもができたから離婚するのではありません。 今まで2人で積み上げた日々を、トモヤが大切に想ってくれていなかったという証明がされてしまったことに、絶望したのです。 トモヤは傷付いた私をどん底へ落とすことができる人。 それも一度ではなく二度も。 そんな彼にこれ以上しがみついていても仕方ないと思って手放したのです。 彼を手放すことで、きっと私も新しい人生がはじまります。 わが子を育てることは叶いませんでしたが、もう一度自分の人生を見つめ直し、残りの人生をしっかりと歩んでいきたいと思います。

【ミナの気持ち】大誤算!かなりヤバい状況……私、大丈夫?

離婚を承諾した奥さんと会い、トモヤとのこれまでを聞かされて、私はだんだんトモヤとの未来が不安になってきてしまったのでした。

私が結婚を心に決めて、子どもをつくった相手は、いつのまにか金も家もなくしていたのです。

こんな大切なことを、妻となることになっている私になにも相談もなく決めてしまうなんて本当に信じられません。

いくら、私と結婚するための離婚の慰謝料とはいえ、ひどすぎます。

しかも、この離婚も両親の力を借りたと言うではありませんか。40歳も半ばの男が、いまもなお両親に頼り切っているなんて……。

え、まって?

私このままこの人と結婚して、子どもまで産んじゃって大丈夫なのでしょうか!?

奥さんに会うまでは「どんなことを言われても平気。跳ね返してやろう」くらいに思っていました。 しかし奥さんの話を聞いていると、急に現実の世界に引き戻されたような気がしてきます。 もしかして、私の選択が間違っていたのかもしれない。 「一番そばで苦しみを見ていたのに、平気で地獄へ突き落とせる人」 私が選んだトモヤという男は、「そういう人」なのかもしれない……。

そう思うと、だんだん怖くなってきました。 しかも貯金もなくて、義両親と同居を前提に話を進めてしまっています。 一番大切な決断は妻とするのではなくて親としてしまう、そんな男なのかもしれない……。 そう思うと、今さらですが結婚をためらってしまうのでした。

親にも友人にも見捨てられて……責任とは?

「てかさ、その男もやばいし、あんたの倫理観も崩壊しているわ。しかもあんたの男、奥さんに子ども堕ろさせておいて、辛かったなんて……よくそんなこと他の女に言えるわ」

友人には、罵倒とも言えるほどきつく怒られてしまいました。

「いま、その子を堕ろせって言われて。それからずっと子どもができなくなって。諦めた途端に、旦那が他の女を孕ませて離婚しようって言われるんだよ?」

たしかに、トモヤの奥さんの気持ちを考えたら……私たちのしたことはひどいとしか言いようがありません。

「どんなに辛くても投げ出さずに向き合う。それがあんたのできる「責任をとる」方法でしょうが。ま、まったく同情できないけどね。子どものときに教わらなかった? 「人のものはとってはいけません! それは泥棒です」って」

ここまで言うと、友人は「もう連絡しないで」と吐き捨てて怒って帰ってしまいました。

私は、親に勘当されて、友人も失いました。

「自業自得」以外に言葉が見つかりませんでした。 不倫をする男は、「そういうことができる」人なのです。 もちろんそれは私にも言えることですが……。 これから私は、いつトモヤに裏切られるか怯えながらこの子を育てていかなくてはいけないのでしょうか。 最初から不信感が募るこの結婚に踏み切っても、幸せな未来は待っていない。 そんな気がしてしまうのです。 この子のためにも、私は決断をしなければいけないな……そう思います。

【トモヤの気持ち】ぜーんぶ失った俺!唯一残ったのは……?

実は高校時代に、俺たちは一度子どもを授かっていた。しかしまだ若く、産んで育てるということに現実味がなかった俺たちは、ナツキのお腹の中にいる命を空に返す選択をしたんだ。それからもずっと一緒にいる俺たちのもとに、再び子どもが戻ってくることはなかった。これがあのときの罰なのか……。いつまでこの罪を背負わないといけないんだ……そんな風に思ってしまう。そんなときに出会ったのがミナだった。ミナは俺の気持ちを誰よりも分かってくれて、俺に寄り添ってくれた。するとミナの妊娠が判明。そこでナツキにはローン完済の家と2000万を渡し、離婚が成立。しかしミナからは「少し考えさせて」と言われ……?

ミナから別れを告げられてしまった。

「既婚者であるトモくんと付き合って、子どもまでつくってしまった私もいけなかった。だからトモくんだけを責められない。私も自分のしたことに責任をとらないといけないなって思ったの」

俺は「2人で責任をとろうよ……」と言ったけど、ミナからはハッキリ断られてしまった。

俺は、ミナまでも失ってしまったらしい。

ミナと結婚するために離婚して、離婚するために、家も貯金も失って……その上、一緒に暮らせないミナの子どもの養育費まで払わされるっていうのか……?

そんなひどい話ってあるかよ。

ミナにまで別れを切り出されるとは思わなかった。 ナツキが変なことを言ったせいで、ミナが不信感を抱いてしまったんだ。 親はそれをナツキからの復讐だと言った。 たしかに俺はナツキに最低なことをしたと思う。 でもだからこそ、お金で誠意を見せたつもりだったのに……。 ナツキも家も貯金もミナも子どもも、全部失ってしまった。 俺は空っぽになって、またイチから出直しだ。 でもそばには両親がいてくれる。 どんなときも俺を支えてくれる両親のことを、これからも大切にしていきたいと思っている。


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