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「観客を違う世界に連れて行きたい」「手加減しなかったところが素晴らしい」監督による対談映像が解禁『サブスタンス』

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「観客を違う世界に連れて行きたい」「手加減しなかったところが素晴らしい」監督による対談映像が解禁『サブスタンス』

映画『サブスタンス』に関する、ギルモア・デル・トロ監督×コラリー・ファルジャ監督による対談を捉えた特典映像が解禁された。

創作の源泉

映像は、アカデミー賞作品賞・監督賞を含む4部門を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)など、傑作ジャンル映画を生み出し続ける、メキシコの鬼才監督、ギレルモ・デル・トロ監督とコラリー・ファルジャ監督による対談を捉えたもの。

ファルジャ監督のこれまでの作品は“爆発“ではなく“排出”、つまりは「個人的な想いを吐き出した作品ではないか?」というデル・トロ監督からの問いに対しファルジャ監督が「確かに2作品とも個人的な映画」と認めつつも、映画制作という自由な場所で「現実では言えないことを爆発」させたかったと告白する姿や、『サブスタンス』劇中で何度も出てくるモチーフ“鏡”“脱皮”について「おとぎ話」と「SF」というキーワードを通したそれぞれの考察、ほか映画業界での男性監督と女性監督の扱われ方の違いなどにも率直に言及。

デル・トロ監督が「最近はメキシコやヨーロッパで女性がジャンル映画として興味深い作品をつくる」「“女性ならではの繊細な視点”などクソ食らえだ(笑)」と、この動きを全面的に支持していることを表明。

「そういう女性監督たちに君も親近感を持っている?」とファルジャ監督に質問すると「私の思いと全く同じです」と同意。

見た目やジェンダーで「自身の意見」の捉えられ方が変わってしまう現在の偏った社会システムの問題点を提起しつつ、自身がホラーやジャンル映画に挑戦し続ける理由を、制作の現場では「女性監督はまだマイノリティ」「権威に対しては、ジェンダーの差はまだほとんど変わっていません」と指摘。

その中で戦い続けるにあたり「この世界(ホラー、ジャンル作品)なら生の感情をぶつけられるから」と吐露。なので「“これが実際の暴力”“私たちは耐えることを強いられている”」というメッセージを作品を通して訴えていることも告白した。

そんなファルジャ監督の思いを受けたデル・トロ監督は「映画『キャリー』の主人公の怒りを思い出した」「手加減しなかったところが素晴らしい」と絶賛。

その後も、デル・トロ監督が「本当に美しいし、真実に満ちていると思う」と挙げる『サブスタンス』のラストシーンについて、それぞれの視点からの解釈を提示、デル・トロ監督は、色彩の美しさも特徴的なキューブリック監督を例に挙げながら「映画的なデザインを実現した重要な作品の一つだ」と称賛したほか、ファルジャ監督がセリフではなく視覚デザインや感覚を重視する理由や、「観客を違う世界に連れて行きたい」という想いを実現するためにこだわっていることなど、余すことなく創作の源泉について語っている。

『サブスタンス』は5月16日(金)全国ロードショー

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