「考え方は正しい」経済のプロが茂木氏の“増税ゼロ政策”をズバリ解説!
9月6日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏と、茂木敏充幹事長の増税ゼロ政策について意見を交わした。
寺島アナ「自民党総裁選挙に立候補を表明した茂木幹事長の政策が波紋を呼んでいます。防衛費と子供政策をめぐる「増税ゼロ」や政策活動費の廃止という公約が、岸田政権の路線の否定に繋がりかねないためだといいます。幹事長として政権中枢を担ってきた立場だけに、党内外から批判も上がっているといいます。茂木幹事長は、防衛増税と子育て支援金の保険料負担増をめぐってそれぞれ1兆円分を停止して「増税ゼロ」を推進すると表明しました。防衛費の増額と子育て支援の充実という政策は踏襲する一方で、財源は増税ではなく「新たに確保する工夫がある」というのが茂木幹事長の考えで、具体的には経済成長による税収アップを見込んでいるとしました。茂木幹事長の増税ゼロ発言を会田さんはどう受け止めてますか?」
会田「もともと増税はいらなかったはずです。防衛費の増額ですとか子育て支援の充実は、予算で増減できる裁量的歳出と言われます。この裁量的歳出に「特定の財源を当てます」というやり方は、世界的にはやらないわけです。税収の増加ですとか、今で言えば外貨準備に実現益が出ているので、こういうところと合わせて考える、というのが普通のやり方ですので、「防衛費を増額するから増税します」というのは、もともと妙なやり方なわけですね。ということは、茂木幹事長の考え方は正しいんですけれども、だとすれば、幹事長でしたから、もっと初めから言って欲しかったと思います」
寺島「岸田政権との整合性が指摘される茂木幹事長の政策、というのが産経新聞に出ています。まず政策活動費について茂木さんは「10年後の公開を見据えたとき、仕分けをきちんとすれば大半は公開できる。政策活動費とせず具体的な各費用とすれば、結果的に廃止となる」として政策活動費は廃止としました。ただ、岸田政権は「政策活動費の1年ごとの支出上限額や、10年後の領収書の公開方法などは、今後の検討事項」と先延ばしにしていたわけなんですね。そして、茂木さんは防衛増税、子育て支援金の追加負担に関しては「成長力生産性を上げることで、さらに税収が上がる。岸田政権で経済が良くなってきたメリットを活用。防衛増税を決めた1年半前にはこの判断はできなかったかもしれない」、こういう発言しています。では、岸田政権ではどうだったのか改めて振り返ってみると、「防衛力や子供子育て政策の抜本強化が必要だ。歳出改革や税外収入で最大限財源を確保し、それでも足りない部分は税制措置での対応をお願いすることとし、方針を閣議決定した」と言っていました。そこで、先ほどの会田さんの発言では、いや元々そういうところじゃない、と言うことなんですね。なんで岸田政権はこうしているんですかね?」
会田「財源論という根強い誤解がありますよね。例えば、社会保障のような義務的歳出、法律によって支出が義務付けられているものに関しては、財源を求めるというのが一般的な、世界的なやり方ですけれども、その他の裁量的歳出まで財源が必要だっていうのは、実は民主党政権の時からのやり方なんですね。すべての追加歳出に追加歳入が必要だ、とやり始めたのは民主党政権からの悪い伝統で、それを自民党政権でも、なぜか続けていると。誰も疑問に思わないからでしょうけれども、これは普通の財政のやり方に変えて欲しいですよね」
〈出典〉
「増税ゼロ」「政策活動費廃止」茂木敏充氏の政策が波紋 岸田文雄政権との整合性は? – 産経ニュース