ピアニスト稲積陽菜、ヤマハのディスクラビアを用いたピアノリサイタルを開催
2025年11月~1月、京都・愛知・宮城・東京にて、稲積陽菜 ピアノリサイタル『伝統の継承、未知への探求-』が開催されることが決定した。
桐朋学園大学音楽部門に特待生として在籍し、日本音楽コンクールピアノ部門第2位、日本ショパンコンクール第1位などの受賞、ポーランドでのショパン国際ピアノコンクールへの挑戦など、次世代のピアニストとして活躍の場を広げる稲積陽菜。この度、従来のリサイタルの枠を超える新たな試みに挑む。
稲積は2026年4月より慶應義塾大学大学院に進学し、「奏者の感情的関与が聴衆の感情喚起に及ぼす影響」をテーマに、ヤマハのディスクラビアを使用した実証的な研究を進めている。本公演で使用される「ディスクラビア」は、稲積が研究対象として今後継続的に使用する予定のピアノであり、今回の演奏会はその最初の活用例として、名古屋・仙台・東京の各会場に特別に搬入・設置される(京都公演はディスクラビアの稼働はなし)。
「ディスクラビア」は、演奏者の鍵盤やペダル操作を精緻に記録・再現する世界最高峰の精度を誇るシステム。今回のリサイタルでは、ヤマハの楽器協力のもと、演奏者・研究者としての稲積がこの楽器を活用し、“演奏に込められた感情”を数値として記録し、後の研究につなげる新たな取り組みの第一歩となる。単なるコンサートに留まらず、聴衆が「研究協力者」という立場にもなり、音楽と科学の融合を体験できる先駆けとなる舞台となる。
今回のプログラムでは、稲積の演奏家としての新たな挑戦を含んだ選曲が披露される。前半にはバッハやモーツァルト、ベートーヴェンといった古典派・バロックの王道の作品を据え、後半ではボルトキエヴィチ、リャードフ、モンポウ、レヴィツキなど、一般にはあまり知られない作曲家たちの楽曲を演奏する。
また、会場によって2つのプログラムを用意。2つのプログラムを同時に展開し、研究だけでなく、ピアニストとしての覚悟を感じられるプログラムとなっている。「伝統の継承、未知への探求ー」というテーマを選曲そのもので体現し、聴衆とともに音楽の多層性と可能性を探っていくリサイタルとなる。
4歳からピアノを学び、数多くのコンクールで高い評価を獲得してきた稲積。今回の公演は、演奏家としてのキャリアと、研究者としての新たな挑戦をつなぐ“知の架け橋”。演奏者と聴衆の感情がどのように共鳴するのか。稲積が行う挑戦の第一歩を会場で体験しよう。
【ご報告】慶應大学院に進学します