庭ってどう手入れすればいいの?「剪定」コツをプロが指南
春に向けて、ワンランク上の庭のお手入れ術を身につけておきたい。初心者脱却のプロ技を教えます。今回はは剪定についてお伝えします。
Q1 そもそも剪定をする理由は何?
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教科書のようなものをザッと読んで分かった気分になっても、案外応用は効かないものですよね。ひとつひとつポイントを押さえながら、植物と向かい合っていきましょう!
ということで、今回は植物の剪定についてお話しますね。
まず知ってほしいのは、ほとんどの木々は、1年間を規則正しいサイクルで生活しているということです。春に芽吹いて、新しい葉が開き、新しい枝を伸ばしていくんです。この新枝は6~7月に成長を止め、新芽が固まります。8~10月は光合成によって作られた炭水化物が枝から幹へと送られ蓄積されて、枝や幹は太く充実していきます。そして11月ごろになると、落葉樹は葉を落とし、枝のみの姿となって、常緑樹の葉は色褪せます。そして冬には、春を待つように眠るのです。
このような木々の1年間のライフサイクルに合わせて、管理をしていくことが大切です。そのまま放置しておくと、枝葉が茂り過ぎたり、木の形が乱れて美観を損ねてしまいますからね。そうなると日照りや風通しが悪くなって、樹冠の中の枝が枯れてしまい、病害虫にも侵されやすくなってしまいます。ですから、定期的に剪定を行うことはとても大事なのです。
Q2 剪定はいつどのようなタイミングで行うべき?
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A2 木によって異なりますが、成長し過ぎた枝葉を剪定して通気や日照を良くする夏場の剪定や、春に向けて行う冬場の剪定が一般的ですね。ただ、花が咲く木や実がなる木は、花芽がついた枝を切ってしまっては花が咲きませんし、実もなりません。花芽を付ける前に剪定を行うことが無難でしょう。一般的に無難な時期は、花や実が終わった後と覚えておくといいですよ。
ちなみに剪定には、育ち過ぎた木を小さくする場合に行う「枝おろし剪定」、伸び過ぎた枝を切りのぞいたり、樹形を整えるとともに通風や日照をよくして光合成を促進させ、枯れや病害虫を防ぐ「枝すかし剪定」、伸び過ぎた枝を途中で切り詰めて樹形を整え、切った部分から新梢を出させる「きり戻し剪定」などがあります。
あとは、外形を整えるために行う「刈り込み」もありますが、これは刈り込みバサミで大胆にバリバリと切っていく作業なので、樹種や仕立てによっては向いていないものもあるので、ご注意を。
Q3 失敗しないコツを教えて?
出典元:有限会社HANAKO
A2 先述したように、美観を整え病害虫を寄り付きにくくすることが目的です。なので、重なり合った枝や、込み合った枝、見苦しい枝を切除していくことがポイントです。ただし、感覚的にやってしまうと、切ってはいけない枝まで切ってしまうこともしばしばです。
整枝の方法は木の種類によってもさまざまですが、幹や太い枝から上に伸びている「立ち枝」や、それとは逆に下方向に伸びる「下がり枝」、ふたつ以上の枝が同じ方向に向かって平行に伸びている「平行枝」などなど、剪定すべき枝(忌み枝)は共通しています。写真のように図解している本やインターネットのサイトがありますので、それと見比べてみることが理解への近道だと思います。無駄な枝葉を取り除くことで、伸びてほしい枝葉の成長を促進してくれますよ。