禅体験できる宿が新設 忠生の簗田寺に先月〈町田市〉
忠生にある約400年の歴史をもつ簗田寺(りょうでんじ)内に先月、禅文化を体験できる宿泊施設「宿坊泰全(たいぜん)」がオープンした。
「禅文化が世界から注目されている」なかで、「宿泊しながら禅を学ぶことができる空間にしたい」と同寺副住職の齋藤紘良さんが企画したもので、当日は月に1度、簗田寺で行われている焼き菓子や野菜などが販売される「開門日和」と呼ばれる催しが開かれ、訪ずれた地域住民らが楽しむ様子がみられた。
泰全の建物は40年ほど前から齋藤さんの父親である住職と家族が住んでいた家屋を改築したもので、泊まりの際にはベッドルームなどのある2階をまるごと貸切り、他の宿泊者を気にすることなく過ごせるという。
滞在中は座禅、断食、お香づくりなどを体験することができ、齋藤さんは「この宿では禅の教えを感じることができるようにしたい。自分と向き合い、周囲の音や景色も合わせ、本当の気持ちに気づく場所になれば」と話している。
交流の場に
一方で、齋藤さんは「人が交流する場所として寺が活用されることを期待している。若い世代は、悩みを直接、顔を合わせながら、みんなで考える場所を無意識のうちに欲しているように感じる。その場所として、今後お寺が重要になると考えている」と話し、「今後もイベントを開催したい」としている。周辺には精進料理を提供する食堂やカフェもあり、詳しくは「宿坊泰全」で検索を。