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「ラジオ愛が止まらない!」北海道のNHK×民放4局のパーソナリティーが集結!熱気あふれる公開生放送に密着&インタビュー

Domingo

1925年3月22日、日本で初めてのラジオ放送が始まりました。100年の節目となる2025年、3月15日(土)ここ北海道ではNHK札幌放送局の神門光太朗アナウンサーが月に1回放送するラジオ番組「北海道のなにか」の公開生放送が開催。普段一緒に話すことのない、道内民放4局のパーソナリティーをゲストに迎え、“日本のラジオ100年を北海道で祝う100分”が放送されました。

NHK&民放4局のパーソナリティーが集結した「北海道のなにか」公開収録

NHKラジオ第1「北海道のなにか」の公開生放送はココノススキノで開催

NHKラジオ第1で月1回放送されている「北海道のなにか」は、NHKアナウンサー・神門(かんど)光太朗さんがパーソナリティーを担当。リスナーから投稿された北海道の“なにか”を、神門さんが道内179市町村で探し出す番組です。

この日は、ココノススキノ1階のオープンラジオスタジオ「MID.αSTUDIO」からの公開生放送!オンエア前から、多くのラジオファンが会場に集まっています。今か今かと待っていると……。午後1時5分に放送開始。NHK札幌開局25周年当時の、ノイズ混じりの音源が流れてきます。1953年のNHKラジオの音源をつないだものです。

オープニングジングルとともに、公開生放送「北海道のなにか」がスタートしました。たくさんの観覧客の拍手、歓声で包まれます。

自作のうちわを手にした観覧客の姿も

オープニングには、帯広から観覧に来ていた13歳の少年、ラジオネーム「無名」さんが、神門さんに呼び込まれてスタジオに飛び入り参加。特別企画コーナー「クイズ百年満点」の呼び込みを担いました。リスナーたちは無名さんに温かい拍手を送ります。この懐の深さがラジオ番組の魅力です。

続いてレギュラーコーナー。今年開村100年を迎えた西興部村での神門さんのレポート音源です。「西興部村の人はどんなところで幸せを感じるのか」をテーマに街頭インタビュー音源を流します。ここで、リスナーにとってはお馴染みの「犬インタビュー」も。チワワとダックスのミックス犬、ロンくんに話を聞きます。

神門さん「西興部は良いところですか?物価高は感じてますか?」
ロンくん「ワン!ワン!!ワン!!!」

なんとも斬新なインタビュー音源が流れ、会場が盛り上がります(笑)。軽快なトークとともに、どんどんと増えていく観覧者。神門さんの顔がプリントされた手作りウチワを持っている人の姿も……!

“公開企画会議”は白熱!「どうやったら局の力を合わせられる?」「飲み会じゃないですか?」

手前の緑の服がNHK神門光太朗アナウンサー。奥で手を振っているのがエフエム北海道から鈴木彩可さん

北海道のラジオ放送は、1928年6月5日午前11時に産声を上げました。3年後、2028年6月に迎える”北海道のラジオ100年”に向けて何をしていけばよいのか。午後2時5分からは「企画会議」と称し、ゲストとともに語り合います。

まずスタジオに現れたのは、エフエム北海道(AIR-G’)から鈴木彩可さん、FM NORTH WAVEからヤマタさん。各パーソナリティーのファンも集まり、拍手で迎えます。まずは100秒間の自己紹介。鈴木さんはAIR-G’の43年間をぎゅっと詰め込んだスペシャルジングル、ヤマタさんは「さざなみドラム」の癒やされるような音とともに好きなサウナ、自身のバンド・HAMBURGER BOYSについても話題が広がります。

真ん中がFM NORTH WAVEからヤマタさん

北海道の放送100年に向けて、リスナーからのさまざまな提言を読み上げながら、軽快なトークが進みます。

ヤマタさん「子どもたちに、ラジオ番組にリクエストを送って、それがオンエアされるという体験を増やしていければ」

鈴木さん「各局の皆さんにお会いすることはなかなかなくて。こういう機会がもっともっと増えて、皆さんと一緒に楽しいことを企画したい」

各々にラジオの未来につながる提案が。リスナーからも「スキー場で放送が流れたら」、「パーソナリティーの皆さん、リスナーの皆さんとのつながりを感じるラジオであり続けてほしい」などさまざまなメッセージが届きます。

神門さん「こういうつながりを地道に広げていくのが良いと思います。どうやったら局の力を合わせて、広げていけますかね?」

鈴木さん「飲み会じゃないですか?」

鈴木さんのコメントに会場から大きな拍手が!

道内各地で出張放送をし、現地でリスナーたちと飲み会をする……これは実にワクワクする提案です。楽しい時間は、あっという間に過ぎていきました。

STVの木村洋二アナウンサー、43年の時を経てNHKの番組に出演!

真ん中が道民なら誰でも知ってるSTVの木村洋二アナウンサー。右がHBCラジオから山根あゆみさん

続いてのゲストが登場。まずはHBCラジオ「カーナビラジオ午後一番!」でおなじみの山根あゆみさんの100秒挨拶。リスナーの皆さんと一緒に作られた、ラジオ愛あふれるカーナビラジオのオリジナル曲「ラジオは魔法の周波数」をBGMに、軽快に自己紹介。

さらに、2時間前にSTVラジオ「ごきげんようじ」の放送を終えたばかりの木村洋二アナウンサー。テレビでもお馴染みの名物アナウンサーですが、かつてNHKの入社試験を受けるも残念な結果に終わったエピソードを披露。「“覚えてろよ!NHK!!”と心の中で叫びましたが……43年たった今、NHK札幌の生番組に出ています」と、笑いを交えながら感慨深げに語ります。

会場は終始温かい雰囲気に包まれていました

山根さん「ラジオのほうが気楽にしゃべれて、より素が出やすいです。カメラが苦手で……」と、目の前にテレビの取材カメラがいるのにポロリ。慌てて訂正する姿が笑いを誘います。

一体になって盛り上がる会場にグルーヴすら感じますが、気がつけば放送時間は残り2分……!楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

木村さん「こうやって笑顔がたくさん広がっているし、ラジオの使命って笑いかもしれませんね」

番組の最後に、この2時間のまとめ。北海道のラジオ100年に向けて何をするのか。

神門さん「先ほどのパートでは道内各地で出張放送し、夜はリスナーを交えて飲み会をしようということになりましたが……」

山根さん「やりたいです!」(即答)
木村さん「それでいいんじゃない?」(即答)

約50分間話し合った結論に、パーソナリティーと観覧者全員が両手を上げて大賛成。確かに昔は民放ではよく番組企画のツアーイベントがありましたね。北海道のラジオ100年に向けて、みんなの心が一つになったような気がします。

神門さん「NHKなので、飲み会はスポンサーが絡まない形でお願いします(笑)」

大歓声に包まれながらのエンディングトーク。最初から最後まで、100人を超えるリスナーが集まり、大盛りあがりの生放送でした。ラジオは、映像はないけれど、人と人とのつながりが感じられるちょっと特別なメディアということを、改めて感じるあっという間の時間でした。

今回の放送は、3月22日(土)まで、「らじる★らじる」の聴き逃し配信で楽しむことができます

北海道のなにか - らじる★らじる
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=PG31M5PGGK_01
※3月22日(土)14:55配信終了

公開生放送を終え、ラジオリスナーに聞いた「ラジオへの思い」

ラジオ愛に包まれた公開生放送を終え、ラジオリスナーの方々に「ラジオへの思い」をうかがいました。

■ラジオネーム さきがけさん

――印象に残っているラジオ番組は?

NHKで放送されている「東京03の好きにさせるかッ!」が好きです。ラジオドラマが好きでしたが、今ってほとんどの番組で聞くことがありません。ただ、この番組はコントではありますが、良質なラジオドラマを聞いているよう!ラジオドラマって古臭いと思うかもしれませんが、コントだから若者が聞いても絶対に楽しいと思います。新進気鋭の若手芸人から、俳優、声優まで、いろんな人が参加しているので、いつも楽しく聞いています。

――2028年の「北海道のラジオ100年」に向けて、応援のコメントもいただけますか。

ラジオ深夜便のように、「長年変わらない」という良さもあると思います。一部のネット配信者のように過激な方向に向かったり、受けを狙うことに特化するよりも、変わらない良さも守っていってほしいと思います。ただし、深夜ならではの過激なコーナーも大歓迎です!

■ラジオネーム Wild-tkさん

――印象に残っているラジオ番組は?

小学校5年の時から聞いていた ニッポン放送の「欽ちゃんのドンといってみよう!」ですね。萩本欽一さんのラジオでラジオにハマった最初の番組でした。

10分ぐらいの短い番組でしたが、いろんなコーナーがあり、ちょっと前でいうところ「ハガキ職人」が投稿して、笑いのツボを押さえた楽しいラジオ番組でした。スポンサーが「集英社」だったのでCMもあり「♫しゅうえいしゃ〜のざっしです」ってジングルは今でも覚えてます。

――2028年の「北海道のラジオ100年」に向けて、応援のコメントもいただけますか。

最近はかなり増えたと思いますが「聴取者参加型」「インタラクティブ」な番組がもっと増えると聴取者の心を揺さぶると思いますし、今やネットの時代ですがSNSとの連動ももっと新しい形で増えてくると思います。

■ラジオネーム セブンティーンワイルドさん

――印象に残っているラジオ番組は?

STVラジオを聞いて育ちました。小学生のときに聞いていた、熊谷明美さんと、大森俊治さんの「ラジオクリックiしてる」が私のハガキ職人デビューでした。他にも、室田智美さんの優しい声で始まる「リクエストプラザ」、島本和彦さんが激アツに語る「マンガチックにいこう!」、ニッポン放送だと毎週録音しながら聞いた「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」など。みんな本音で語ってくれた、思い出深い番組だらけです。

――2028年の「北海道のラジオ100年」に向けて、応援のコメントもいただけますか。

自分にとって、今でもラジオは身近な存在です。クスりと笑える瞬間、ジーンと心に響く瞬間、「へぇ〜」ってなる瞬間、いっぱいあります。無駄話も存分に!これからもいろんな情報を届けてくれることを期待してます!

各局パーソナリティーの皆さんからのメッセージ

放送終了後、番組に出演した各局パーソナリティーのみなさんにも、放送の感想や事前アンケートでラジオへの思いをうかがいました。

■神門光太朗(NHK)

――本日の放送はいかがでしたか?

ラジオって普段は閉鎖的なスタジオで、マイク1本に向かってしゃべっています。そのマイクの向こうに、どういう人がいるか想像しながらしゃべっているんですが、その実像はモヤがかかったようにはっきりと分かりません。今回の公開放送で、いつもモヤモヤっとしているものが、くっきりと目の前に見えました。今後ラジオでしゃべるときは、その人を思い浮かべながらしゃべるってことができます。今まで見えていなかった人たちも、ちょっとだけ、くっきり見えるようになったと思います。そこに向かって、今後もしゃべっていけるかなと思います。すごく熱気を感じました。

――これまでのパーソナリティー人生の中で、印象に残っている番組はなんですか

「北海道まるごと雑談ラジオ」(NHK北海道)です。コロナ禍で対話ができない中、リスナーと電話をつないで、ただ雑談をするという特番を自ら企画しました。2020年3月~2021年7月に計4回放送。先行き不透明な日常を生きる中で、ただ雑談をすることで、ただ雑談を聞くことでリラックスできたと多くの反響がありました。

――リスナーからの投稿などで印象に残っているものはありますか

2013年〜2015年に担当していた「夕刊ゴジらじ」(NHK名古屋)で、スタジオの外の様子を実況描写していたら、リスナーが集まるようになりました。遠くは関東や関西などからやってくる人も。毎日の放送後にリスナー集会を開いて、直接対話をしていました。テレビ視聴者とこんなコミュニケーションはとれません。ラジオリスナーとパーソナリティーの関係性ならではだと思います。

――北海道ラジオ100年に向けて、また、北海道のラジオの今後について、リスナーに伝えたいことは。

「札幌発→全道」の情報があふれていますが、「178市町村発→全道」をやっていくのが大事なのではないかと思います。『北海道のなにか』はそれを目指して企画しました。

ラジオにしかできないこと、北海道のラジオにしかできないことを追求するのがいいんだと思います。なんか堅ッ苦しいですが、そんな青臭いことを言い続けている47歳おじさんです。

■鈴木彩可(エフエム北海道)

――本日の放送はいかがでしたか?

「ラジオってオールドメディアだよね」と言われることが昨今増えています。若い方々に聞くと、「で、ラジオって何?」みたいなこともあります。社内でも、もっとリスナーさんを増やすにはどうしたらいいだろうっていうことが話し合いのテーマになることが多いです。でも、こういう場に来て、あれだけたくさんの方々が楽しんでくれているのを見ると、まだまだ捨てたもんじゃないと感じますし、今日スタジオ前にいた方々が、ほんとにラジオ愛を持って集まってくれたのだと思います。目の前にいる方々を、まず大切にしたい。そして、その後ろにいる、まだお会いしたことのない方々も、同じようにラジオを愛してくれてるんだろうなと自信につながりました。すごく良い機会だったと思いますし、各局が集まれば「こんなに人を集められるんだぜ!」とうれしく感じました。

――これまでのパーソナリティー人生の中で、印象に残っている番組はなんですか

産後に担当した「&.LOVE」という番組です。当時、初めての出産を終えたばかりで、仕事に復帰できるのかわからない時に、お世話になっていたディレクターが「彩可のやりたい番組を叶えよう!」と、声をかけてくださいました。 リスナーさんが優しく「おかえり」と言ってくれたこと、たくさんのスタッフの方の力を借りたこと、家族の協力を得て絆が生まれたこと、どれも感慨深く、これからたくさんの恩返しをしていきたいと心に誓いました。あの経験があって、今の自分がいると思います。

――リスナーからの投稿などで印象に残っているものはありますか

コロナ禍で大変な時期に、医療従事者の方からいただいたメールが印象に残っています。その方は、当時、病院での勤務で毎日大変な中、毎週メールをくれていた方です。病院の現状や、コロナ禍における仕事の大変さなど、赤裸々にメールをくれていました。普段は悩みを送ってくれることが多い方だったのですが、一度、とても前向きなメールをくれたのです。それが、「恋をしました!」という内容のメールでした。そのメールには、「大変な世の中だけど、いいことってあるんですね」と書かれていて、それがとてもうれしくて印象に残ってます。

コロナ禍って本当に大変でしたよね。そんな中でラジオを頼りにしてくれたこと、そしてご自身でちゃんと希望を見つけたことが、とてもうれしくて。ラジオをやっていてよかったと思いました。

――北海道ラジオ100年に向けて、また、北海道のラジオの今後について、リスナーに伝えたいことは

いつもラジオを聴いてくださってありがとうございます。たくさんのメディアがある中で、ラジオを選んでくれていることが奇跡のようなことだと感じています。北海道のラジオ100年まであと3年!こんな風に他局の方々とワイワイできるような機会って今まではあまりなかったので、もっとやっていきたい!って思いました。ラジオを通して楽しいことができるように頑張ります!!!!

■ヤマタ(FM NORTH WAVE)

――本日の放送はいかがでしたか?

人がたくさん集まってくれたことが凄くうれしかったです。ラジオもテレビもそうだと思いますが、100の情報を100伝えるのって難しいと思うんです。だからこそ、ちょっとでも情報が伝わるきっかけ作りができたらなと思っています。このラジオを通して各局の名前覚えてもらってもいいです。ラジオがきっかけで今日のようなリアルに人が集まるイベントがあることで、リスナーさん同士が仲間になって、その後友達になったり、飲みに行ったりなどがあると思います。そういうきっかけをラジオが作れて、広がりになってくれたらうれしいです。

――これまでのパーソナリティー人生の中で、印象に残っている番組はなんですか

レギュラー番組ではなく特番ですが、2017年に行われたFMノースウェーブ 「安室奈美恵 SPECIAL TALK in サッポロファクトリー」です。当時会場にはおよそ5000人が来場。デビュー25周年で、引退の発表もあった安室奈美恵さんにインタビュー出来たことは、とても貴重な時間でした!

――リスナーからの投稿などで印象に残っているものはありますか

最近番組に送られてきた投稿です。地元のスクールバスの運転手をされているリスナーさんから、番組のリクエストコーナーの時間がちょうど小学生高学年の帰りの時間なので、小学5年生からのリクエストをかけてほしいと。その時いただいたMrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」をオンエアーしました。その後、小学生達が喜んでいたと、また報告を受けてラジオの楽しさを感じてくれてうれしかったです。

――北海道ラジオ100年に向けて、また、北海道のラジオの今後について、リスナーに伝えたいことは

朝起きて準備をする時、移動中の車の中、お店の仕込みの時など、生活のお供にラジオ!

声で想像し、音楽で心踊らせ一緒の時間を共有しましょう!是非、あなたの耳から始まるラジオストーリーを楽しんでください!

■山根あゆみ(HBC)

――本日の放送はいかがでしたか?

今日集まっていただいたリスナーさんを見ていると、ラジオの良いところが全面にでているように感じました。今回の放送は「北海道のなにか」ファンの方々が中心に集まっていたと思います。私のことを知らない方々も多かったと思いますが、手拍子や歓声で盛り上げてくれました。ラジオを聞いて、人を応援するとか、優しい心が育つ。そしてみんなで盛り上げようっていう心が育つんだなと、目の前のリスナーさんを見ていて思いました。やっぱりラジオって良いメディアだなって本当に思いながら、すごく温かい空気の中でしゃべらせていただけたという印象です。

――これまでのパーソナリティー人生の中で、印象に残っている番組はなんですか

「ミッドナイトカーナビ」。カーナビラジオはお昼12時~午後4時生放送。ミッドナイトは深夜12時~午前4時生放送。「笑えるニュース・適当な道路&天気情報」や肝試し、真夜中ライブ、酒盛り、笑ってはいけない対決などリスナーさんと一緒に爆笑夜更かしをしました。

「亀渕昭信のニッポン全国ラジオめぐり」というNHKさんの番組も。東京NHKさんのスタジオに呼んでいただき出演させていただきました。

――リスナーからの投稿などで印象に残っているものはありますか

「山根あゆみをよろしくお願いします」。カーナビ初日に営業スポンサーさんから番組宛てに届いたFAX(私、制作部の前、営業部所属でした)。

「仰向けになり、両膝を両手で抱えると、自然と屁が出ます」。カーナビラジオリスナーより。大爆笑!!!涙出た。

「いつもみたいに笑って下さい」「笑い声が聞きたいです」。東日本大震災のあとにリスナーさんから届いたメール。

「大丈夫? 私も頑張らなきゃ」。胆振東部地震、深夜の私の震えた第一報を聞いて。

「私もいつか広島に行きたいと思いました」。広島原爆被爆者の方から聞いた話を番組で話した時の感想メール。

……うーん、他にもたくさんあります!

――北海道ラジオ100年に向けて、また、北海道のラジオの今後について、リスナーに伝えたいことは
これからもラジオはあなたの友達です!パーソナリティーはもちろん、リスナーもあなたの友達です。いつでも「こんにちは!」と「おかえり!」が言える仲です!だからラジオはやめられない!

■木村洋二(STV)

――本日の放送はいかがでしたか?

ラジオファンの方がこんなにもいてくださると分かり、ただただうれしかったです。神門さんをはじめとするNHKのスタッフの方は、「これはもう第2弾だな」と。これで終われないだろうと思ってらっしゃると思いますんで、ぜひまたお声がけをしていただきたいです。次はメンバーを変えて……とは思わずに(笑)。今日のメンバーに勝るものはない!とお願いをしておきたいと思います。ありがとうございました。

――これまでのパーソナリティー人生の中で、印象に残っている番組はなんですか

パーソナリティーとしての原点は間違いなく「団地妻訪問」という生中継のコーナーです。5分足らずの放送時間内で、団地に住んでいらっしゃる奥様を直撃して世間話を楽しみながらお手伝いもしてくるという企画。犬のしつけの手伝い、オセロゲームの相手、もやしのヒゲとりなど何でもやりました。ラジオ情報誌「日の当たらないコーナー」全国第3位に選んでいただきました。

――リスナーからの投稿などで印象に残っているものはありますか

今から40年も前のこと。当時担当していた深夜番組「アタックヤング」に女子高校生から「クラスメートの女子を本気で好きになってしまった」という真剣なお便りをいただきました。「多様性」という言葉など耳にもしない時代。それでも僕なりの考えを、しどろもどろになりながらも話した記憶があります。そして翌週のこと「まだ自分でもよくわからないけれど……いっしょに真面目に悩んでくれたことに感謝です」と返信がありました。 当時の自分は、もうそれだけでうれしかったです。

――北海道ラジオ100年に向けて、また、北海道のラジオの今後について、リスナーに伝えたいことは

今こそ「ラジオ大好き人間」の皆さんのお力を結集して頂かないと。残念ながら『ラジオ』はなくなってしまうかもという危機を迎えています。100年もの間、たくさんの方が愛し続けてくださったラジオの灯を消すわけにはいきません。

北海道のラジオ局はライバル関係にあっても、がっちりとスクラムを組んで前進します。局と局との間の団結力が問われているんです。ラジオの合同イベントは 札幌にある立派なホールだけでしかできないものではありません。ラジオ好きの皆さんが集まってくださるのならばお邪魔したいです。小さい町の公民館だって、小さい村の集会所だって、どこだって熱気ムンムンになるはずですから……。

【ライタープロフィール】
山下 恭平(雑誌・書籍編集者&ライター)
ラジオ局で番組制作の仕事をしながら、ミニコミ誌の制作や雑誌のライター業を始める。その後、編集者として出版社に入り、タウン情報誌をメインにさまざまな記事を手掛けてきた。好きなことは料理、山登り、川釣り、札幌の石碑。札幌市南区在住で、南区をこよなく愛している。

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