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【感想文】本選びのコツと読み方のヒント 〔小学生 中学年の部〕課題図書を全冊レビュー 「2025年青少年読書感想文全国コンクール」

コクリコ

文章力養成講座「カキマクル」で「親子インタビュー式読書感想文」の指導をしている、ゆか先生こと松嶋有香さんによる、本選びや読むときのヒントをまとめた「2025年青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書全冊レビュー「小学生中学年の部」4冊です。

「頭がいいから中学受験する」はもう古い! 「勉強が苦手な子」こそ輝く場所がある“新しい中受”とは

「課題図書は、『青少年読書感想部全国コンクール』の『課題図書』選定委員会が選書をしています。選ばれているのは良書ですし、選定理由を公式サイトで公開しているので、本のテーマがわかりやすいのが良い点」。というのは、文章力養成講座「カキマクル」で「親子インタビュー式読書感想文」の指導をしている、ゆか先生こと松嶋有香さん。

文章指導歴30年の間に、たくさんの子どもたちの文章を読み、その成長を感じてきたゆか先生の指導方針は「子どもの意見を尊重する」こと。読書計画を立てたり、読む本を自分自身で選ぶところから、徹底して「子どもの選択」を第一にしています。

どうしても選べないという場合は「課題図書」を見てみるのもひとつの手。

ゆか先生によるあらすじと〈読書感想文を書くときのポイント〉を紹介する、「2025年青少年読書感想文全国コンクール課題図書」全冊レビュー「小学生中学年の部」をお届けします!

『ふみきりペンギン』ふみきりにペンギンが……!? 奇想天外なシチュエーションから始まる物語

『ふみきりペンギン』作・絵:おくはらゆめ、あかね書房、1,430円

〈あらすじ〉
左利きのゆうとは、ふみきりでペンギンに出会います。大好きな子とクラスが分かれてしまったるりは、公園で白いへびの遊具にぺろりんとなめられます。鏡の中のライオンは、ななことまいにしか見えません。子どもの世界には不思議なことがいっぱい。

また、これらの一見関係のなさそうに見える出来事は、同じテーマ「ふつうってなんだろう」で描かれ、実は複雑にからみあっています。

〈この本で読書感想文を書くときのポイント〉
読み進めていくと、別々の話だと思っていたことが、実は角度を変えて書かれていることに気づきます。

急に疎遠になったように感じた友達にも、理由と葛藤があった。多角的なものの見方ができるようになってくる年に、こういう本に出会えることが大切だと感じます。

自分の考えの変化に気づけたら、そこを言語化するといいかもしれません。

『バラクラバ・ボーイ』転校生が被っている帽子を脱がそうとするクラスメイトのユニークな作戦

『バラクラバ・ボーイ』作:ジェニー・ロブソン、訳:もりうちすみこ、絵:黒須高嶺、文研出版、1,540円

〈あらすじ〉
転校生のトミーは、目だけが見えるニット帽、バラクラバ帽をかぶっています。

なぜ? どんな理由で?

クラスメイトたちは、あの手この手でバラクラバ帽を脱がすユニークな作戦を立てます。そしてついに、なぜトミーはバラクラバ帽をかぶっているのか、その真実が明らかに。

〈読書感想文を書くときのポイント〉
このクラスメイトたちの作戦はなかなかおもしろいのですが、自分だったら、どんな作戦を立てるか、考えてみるのも楽しいでしょう。

最後に真実が明らかになりますが、それを読んでみて、自分が考えた作戦で成功したかどうか、検討してみるのもおもしろいかもしれません。

インパクトのある表紙が目を引く『たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害』

『たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害』文:キム・ファン、絵:チョン・ジンギョン、童心社、1,980円

〈あらすじ〉
生き物が生き生きと過ごす海中、サンゴ礁、流氷、海岸、高山……。ところが、それぞれ1ページめくると目を覆いたくなるような悲惨な絵に変わります。

でもこれは直視すべき現実の問題。「地球は温暖化という病気にかかった」という表現を通じ、その病気を治すにはどうしたらいいか、そのことを考えさせられる本です。

〈読書感想文を書くときのポイント〉
暑い夏休みに考えるのに、ぴったりな本です。

日本は年々暑くなっています。気象庁によると、2024年の日本の平均気温の基準値(1991~2020年の30年平均値)からの偏差は+1.48℃で、1898年の統計開始以降、2023年を上回り最も高い値となりました。

この本に登場する少女と猫とともに、地球温暖化について、子どもたちが初めて自分事として考えられる本になっている素敵な本。大人も、しっかりと考えてみましょう。

多様性について考える一冊『ねえねえ、なに見てる?』

『ねえねえ、なに見てる?』絵と文:ビクター・ベルモント、訳:金原瑞人、河出書房新社、1,793円

〈あらすじ〉
同じものでも、見ている人によって違うように見える。それが体験できる本。

家族が囲む食卓は、科学者のママ、ゲーム好きのパパ、ペットの犬オレオには、それぞれどう見える? 菜食主義者からは?

さまざまな捉え方に違いはあるけれど、それに良し悪しはない。むしろ「そういうふうに見えるの?」という、新たな発見ばかり! そんな多様性について考える一冊です。

〈読書感想文を書くときのポイント〉
まずは、色覚異常のトーマスから始まります。「障がいだから仕方がない?」そういう考えは、次々と表現される11人の登場人物の見え方を知るたびに、揺らいでいきます。

もしかしたら、自分と同じように世界を見ている人は、一人もいないのかもしれない。そんな観点から多様性について考えを広げてみましょう。巻末の「訳者あとがき」も必読です。

本選び、読書感想文のテーマ選びに役立つ情報がいっぱいでしたね! 本を選んだら、次は「読書感想文」の宿題を片付ける番。そこでおすすめするのが、ゆか先生が指導している『2週間7つのステップで「読書感想文」を完成させることができる、「親子インタビュー式読書感想文の書き方」』です。

実は、ゆか先生が指導する「親子インタビュー式読書感想文の書き方」には、単に宿題が終わるというだけではない、驚くべき2つの効果があります。その2つの効果の中身だけでも、知っておいて損はありません! 気になったらコチラをチェックしてください。

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