浜松市で58人食中毒 寿司・天ぷらも並ぶビュッフェで 検出された「サポウイルス」とは?
■13歳から53歳まで58人が食中毒 6月14日にビュッフェで食事
浜松市にあるビュッフェ形式の飲食店を利用した58人が食中毒の症状を訴えた。患者からは「サポウイルス」が検出されたという。
静岡市では同じ店が3週間で2度の食中毒 提供されたメニューは…
浜松市保健所によると、6月17日に浜松市中央区にある飲食店で食事をしたグループから下痢や発熱、吐き気の症状を訴える連絡が入った。グループは14日に、この飲食店で一緒に食事をしていた。
保健所が調査した結果、13歳から53歳までの男女58人が食中毒の症状を発症していると判明した。患者22人の便からは「サポウイルス」が検出された。重症者はおらず、全員が快方に向かっているという。
この飲食店はビュッフェ形式で食事を提供している。14日には肉や魚料理、寿司や天ぷら、ピザやグラタン、ラーメンやサラダなど、和洋中を幅広く並べていた。浜松市は患者に共通するのが、この店の食事に限られたことなどから、食中毒と断定。衛生状態の改善が確認されるまでの間、営業禁止を命じた。
■由来は札幌での集団感染 サポウイルスの予防ポイント
サポウイルスはノロウイルスと同じカリシウイルス科に属するウイルスで、年間を通して胃腸炎を起こす。感染経路はカキをはじめとした二枚貝の生食や、ウイルスを保有する調理従事者の関与が強く指摘されている。また、学校や保育園などで、生カキを食べていないのに集団発生する事例があり、原因として人から人への二次感染も疑われている。感染予防のポイントには、主に以下の4点が推奨されている。
①カキなどの二枚貝は中心部まで十分に加熱(85℃~90℃で90秒間以上)してから食べる。湯通し程度の不十分な加熱ではウイルスの感染力は失われない。
②生鮮食品(野菜、果物など)は十分に洗浄する。
③トイレの後、調理をする際、食事の前にはしっかり手を洗う。
④手洗いの後に使用するタオルなどは清潔なものを使用する。
サポウイルスは元々、「サッポロウイルス」と呼ばれていた。1977年に札幌の児童福祉施設で胃腸炎の集団感染が発生した際に初めて報告されたことが由来。 2002年の国際ウイルス学会で「サポウイルス」と正式に命名された。
(SHIZUOKA Life編集部)