ソン・ガンホも絶賛!ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』世界ツアー開催&〈半地下ファミリー〉からコメント到着
『ミッキー17』ワールドツアーに世界が熱狂
ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が3月28日(金)より全国公開となる。『パラサイト 半地下の家族』(2019)でのアカデミー賞®受賞後初となる本作は、半地下を超えた《どん底》の使い捨てワーカー“ミッキー”による、権力者たちへの逆襲エンターテイメントだ。
このたび世界公開に先がけて開催された、ワールドツアーの模様が到着。2月13日(木)イギリス・ロンドンでのワールドプレミアに始まり、15日(土)にはドイツのベルリン国際映画祭公式上映&公式会見、16日(日)にはフランス・パリプレミア、そして20日(木)には、ポン・ジュノ監督の母国凱旋となる韓国・ソウルプレミアへと続いたワールドツアーに世界中が沸き立ったようだ。
ポン・ジュノ監督「日本の漫画やアニメをたくさん見てきました」
ワールド・ツアーの幕開けは、15日(土)にロンドンで行われたワールドプレミア。ポン・ジュノ監督と共に、ミッキー役のロバート・パティンソン、ブラック企業トップのマーシャル役のマーク・ラファロ、その妻イルファ役のトニ・コレット、ミッキーのソウルメイト、ナーシャ役のナオミ・アッキー、ひと癖ありげな友だちティモ役のスティーブン・ユァンら、豪華キャストが結集した。
素肌にダークスーツを着こなしたロバート・パティンソンは、「僕の演じたミッキーも様々なアニメのキャラクターを参考にしているから、日本のお客さんにも響く部分があると嬉しい」とコメント。監督も「日本の漫画やアニメをたくさん見てきました。なので私の作品には日本人的な感性が感じられると思います!」と日本愛を口にした。
マーク・ラファロ「ポン・ジュノ監督と一緒に仕事をすることができてとても光栄」
ベルリン国際映画祭公式上映のレッドカーペットには制作陣も加わり、華やかなドレス姿の3女優が花を添え、革ジャンにトラックパンツ姿のパティンソンは笑顔でファンサービス。続いて行われた公式記者会見に顔を揃えた監督とキャストは全員カジュアルな装いでプレスからの質問に応じた。
ロバート・パティンソンは記者会見にて、「ミッキー18号を演じる時に、彼の気分が0から100まで信じられないほど急激に変わるところは、日本のアニメから影響を受けたよ」とコメント。「アニメで、まったく動かない人が突然どこからともなく激怒するところがすごく好きで、それを真似しようとしたんだ」と、役作りの裏には日本のアニメが影響を与えていたことを明かした。
16日(日)のパリでのプレミアでは、ポン・ジュノ監督とピンクのドレスを纏ったトニ・コレットを中心にグループショットをパチリ。高レビューが続出しているためか、監督が“グー”ポーズを披露するひとコマも。
そして20日(木)には、ポン・ジュノ監督の母国凱旋となる韓国・ソウルでのプレミアが盛大に開催。ポン・ジュノ監督、マーク・ラファロ、ナオミ・アッキー、ソウル生まれのスティーブン・ユァンがリラックスした笑顔で記念撮影などファンサービスに応じ、終始すさまじい熱気に包まれた。
パク・チャヌク「ロバート・パティンソンに“2つの”アカデミー賞を与えるべき」
その後は舞台挨拶も開催。ポン・ジュノ監督は「公開前にもかかわらず、こんなに早く来ていただきありがとうございます。私たちには皆、劇場で映画を観る理由があると思いますが、今日は『劇場で映画を観る』という体験に酔いしれてほしいです」と挨拶。ナオミ・アッキーは、「韓国のファンの皆さん、温かく迎えてくれてありがとうございます。私たち全員が愛情を込めて作った作品なので、ぜひ楽しんでほしいです」とコメント。
マーク・ラファロは「10年ぶりに韓国に戻ってきました」と久しぶりの韓国訪問に笑顔を見せ、「ポン・ジュノ監督のような監督と一緒に仕事をすることができてとても光栄です」と撮影を振り返った。スティーブン・ユアンも、「再びポン・ジュノ監督の新しい映画で皆さんとお会いできることをとても嬉しく、光栄に思います」と、『オクジャ』(2017年)以来となるポン・ジュノ監督作品への出演の喜びを語った。
ポン・ジュノ監督の母国・韓国で本日2月28日(金)より全世界に先駆けて公開を迎える本作だが、2月25日(月)時点で韓国国内の前売り率は50%を超えており、これは全映画の中でも圧倒的な数字だという。『スノーピアサー』(2013)では動員930万人、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)では動員1,030万人超えを記録するなど、韓国でメガヒットを連発するポン・ジュノ監督の最新作として、期待がますます高まっている。
同じく韓国出身で、『別れる決心』(2022)で第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞を受賞したパク・チャヌク監督も、本作に対して「ロバート・パティンソンに2つのアカデミー賞を与えるべきだ。主演男優賞と助演男優賞をね」とコメントを寄せている。
ソン・ガンホ「奇妙なのに忘れられない感動がある!」
さらに、ソウルでのプレミアでは『パラサイト 半地下の家族』に出演した豪華俳優陣≪半地下ファミリー≫からのコメントがお披露目となった。
半地下に過ごす中で、裕福な家庭の家庭教師を請け負った長男ギウを演じ、Netflixの大人気ドラマ『その年、私たちは』(2023)や『恋するムービー』(2025)などの日本でも大人気のドラマシリーズ主演を務める超人気俳優チェ・ウシクは、「本当にこれは傑作、絶対に観るべき!」とコメント。
全員失業中の半地下住宅の一家の主を演じ、『殺人の追憶』、『グエムル-漢江の怪物-』、『スノーピアサー』と数々のポン・ジュノ監督作品や、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』にも出演している俳優ソン・ガンホは、「奇妙なのに忘れられない感動がある!」と太鼓判を押した。
さらに、美大を目指す浪人生として、兄に続き裕福な家庭に”寄生する”長女を演じたパク・ソダムは「ポン・ジュノ監督の作品は、頻繁に観たくなります……今回も色々考えさせられた」、半地下の一家の母を演じたチャン・ヘジンは「人々がどれほど愚かな事をしているのか、同時にどれほど新しいことが起こっているのか、考えてしまう」とそれぞれコメントした。
ロバート・パティンソン「みんながポン・ジュノ監督を信頼していて、本当に楽しい現場でした」
主演のロバート・パティンソンはポン・ジュノ監督との出会いを振り返り、撮影中もキャストとスタッフ陣の確固たる信頼関係があっての撮影だったと明かす。
どんなプロジェクトかも全く知らなかったですし、彼はレジェンドなので最初はとても緊張していました。でも彼の映画で俳優たちが見せる演技も本当に好きで、彼が何をするにしても、それが非常に独特なものになると感じていました。
面白いのは、キャラクターについては多くは話しませんでした(笑)。監督とは一緒に多くのディナーの時間を過ごしましたが、ほとんどの時間はサッカーの話でした(笑)。でも監督は現場ではいつも冷静で、穏やかに楽しんでいるような雰囲気がありました。彼と一緒に仕事をしていると、何も問題が起こらないように感じます。みんなが彼を信頼していて、本当に楽しい現場でした。
それを受けてポン・ジュノ監督も、2人のミッキーを演じきったロバート・パティンソンを絶賛する。
物語を脚本に落とし込む際、どれだけ詳細に描写したとしても、結局それはページ上の言葉にすぎません。これらのキャラクターに命を吹き込めるかは俳優次第です。そして実際に、ロバートが自身の創造性とアイデアで、キャラクターに細かいニュアンスを加えたことで、私が考えた2人のミッキーの設定を完全に超えて、新たなエネルギーもたらしました。彼がミッキーに命を吹き込む瞬間は本当に素晴らしいものでした。
そんなポン・ジュノ監督の名采配とロバート・パティンソンの怪演によって生まれた、ミッキーという《どん底》キャラクターが繰り広げる超絶強欲な権力者への逆襲劇の行方は、果たして……? ロンドン、ベルリン、パリ、ソウルで熱狂的に迎えられたワールドツアーを経て、ついに『ミッキー17』は3月28日(金)より日本公開を迎える。
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