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60歳以上でも介護職で活躍できる!おすすめの職場や活躍するための方法を解説します!

ささえるラボ

60歳以上でも介護職で活躍できる!おすすめの職場や活躍するための方法を解説します!

本日のお悩み:60歳未経験、介護職で活躍できる?

来年60歳を迎え、定年退職をします。しかし、まだ体力的にも自信があるため、何かできることはないか調べていたところ、介護業界で60歳以上の方が活躍しているという記事を見つけました。

興味はあるものの、私は未経験です。60歳以上で未経験からでも介護業界で活躍することはできるのでしょうか。

介護職は年齢を問わず活躍の場があります!

執筆者/専門家

後藤 晴紀

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9

ご質問ありがとうございます。
定年退職お疲れさまでした!そして、還暦という新たな節目を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。

これまで培ってこられたキャリアもあったと思いますが、新たな挑戦として介護業界へのチャレンジを嬉しく思います。全力で応援させていただきます!

介護職について知ることで不安解消につながります!

定年退職後に介護業界で新たなキャリアを築いていただくことは、他の60歳以上の方にとっても非常に興味がある選択肢だと思っており、身体を酷使するイメージの介護業界としても、事業所の種類によっては多様な働き方ができることを知っていただくことで、人材不足解消の一助になっていただくことが可能だと思います。

そのため、双方にとって多くのメリットがあるチャレンジになると思います。年齢問わず、未経験からでも活躍できる可能性は十分にありますので、その理由や選択肢について詳しく解説させていただきます。

そもそも60歳は高齢者なのか?

年齢はただの数字!どのように生活しているかが大事

まず初めに、60歳が高齢者と見なされるかどうかは、場合によって変わります。「まだまだシニアと呼ばないで!」と思われている方のほうが多いのではないでしょうか。WHOでも定められており、多くの国や文化では、65歳以上の人々が一般的に高齢者と見なされることが多いです。

しかし、日本では60歳を過ぎると定年退職の年齢となることが多く、社会的には高齢者と見なされることもあります。ただし、個人的には年齢はただの数字であり、重要なのは『その人がどのように生活し、感じているか』だと思っています。

本人がどのように感じているかも大事

現在の感覚でいえば、アクティブで健康的な生活を送っている60歳の方が多くいらっしゃいます。ご質問者さんが感じている通り、『まだまだ体力的にも自信がある』方も多いため、その人がどのように感じるかが大切です。

アクティブシニアという言葉もありますが、そもそもシニアなのかという議論も広がりつつあります。

前期高齢者が65歳からなのに定年退職が60歳なのはなぜ?

個人的には60歳はまだまだ元気で、シニアというには失礼な印象もありますが、定年退職が60歳である企業が多くあります。前期高齢者の定義が65歳なのに、どうして60歳が定年となっているのでしょうか。

日本で定年退職が一般的に60歳に設定されているのは、歴史的および社会経済的な理由があります。一方で、前期高齢者が65歳以上からとされている背景については、医療や福祉の観点から定められています。以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

定年退職が60歳に定められていることが多い理由

定年退職が60歳で定められている場合が多い理由は、主に以下3つです。

1.歴史的背景
2.年金制度
3.企業の人事管理

■1.歴史的背景

昭和30年代頃から、経済の急成長に伴い、企業は若い労働力を求めました。その結果、60歳を定年とする慣行が定着していったという時代背景が主な要因です。以前は55歳が定年だった時代もあり、時代背景や経済状況に応じて段階的に引き上げられていきました。

■2.年金制度

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

日本の年金制度は60歳での退職を想定して設計されています。60歳で退職して退職金や貯蓄で生活し、65歳から年金を受け取り始めるというライフプランが一般的です。しかしこのライフプランは、以下で説明するアクティブシニアが増加している近年にはそぐわない設計となっています。

そのため、年金制度には65歳より早く受給を開始する繰り上げ制度と、65歳より遅く受給を開始する繰り下げ制度があります。早く受給を始めると、その分1ヶ月あたり0.4%の減額となり、遅く受給を始めると1ヶ月ごとに0.7%の増額となります。

■3.企業の人事管理

以前の企業は60歳を一区切りとししたほうが、生産性と賃金の関係で経営を行いやすいと考えられていました。また、従業員側も退職時期が明確になることで、経済的なライフプランが立てやすいというメリットもあります。

しかし、近年では医療の発展などもあり、60歳以上でも健康な方が増えてきたことから、定年退職を65歳と定めている企業や、定年後再雇用制度を整える企業が増えてきています。

前期高齢者が65歳からと定められている理由

前期高齢者が65歳以上と定められている理由は、主に以下の2点です。

1.健康状態
2.国際基準

■1.健康状態

65歳を過ぎると、体力や健康状態に変化が見られることが多く、医療や介護のニーズが増えることが一般的です。しかし、近年では医学と生活水準の向上により、65歳を迎えても健康で活発な生活を送る方が増えています。

■2.国際基準

世界保健機関(WHO)などの国際機関は65歳以上を高齢者と定義しています。そのため日本もこれに倣って、65歳以上を高齢者と定義しています。

65歳も高齢者ではなくなる!?

近年の動向として日本では、65歳前期高齢者の定義の変更を検討する議論が進んでおり、65歳以上の人々が働き続けられる環境を整える政策が含まれています。先述した通り、高齢者を定める基準は社会経済や医療福祉と密に関係しており、現代では働くことによって高齢者の生活の質を向上させることや、労働力不足の問題を解決することも期待されています。

具体的には、定年退職の時期延長や再雇用制度の拡充、年金制度の見直しなどの検討です。そして何より高齢者の社会参加が促進されることで、高齢者の経済面における安定も期待されているのです。

アクティブシニアとは?特徴4選を紹介!

「アクティブシニア」とは、年齢に関係なく、積極的に活動し、社会に貢献する高齢者のことを指していて、具体的には、スポーツや趣味、ボランティア活動、仕事など、様々な分野で活動的に過ごしている方々のことをそのように呼んでいます。

以下でアクティブシニアの特徴を1つずつ見てみましょう。

特徴1:健康志向

定期的な運動やバランスの取れた食生活を心がけている健康志向は、アクティブシニアの特徴の1つです。

具体的な例としては、ウォーキングやヨガ、水泳、ジムなどで日常的に運動をしていること、自炊などで栄養バランスを考慮した食事をとっていることなどが挙げられます。

特徴2:学習意欲

また、運動だけでなく新しいことを学ぶ意欲の高さや、趣味や興味のある分野で勉強を続けていることもアクティブシニアの特徴です。

趣味の例としては、絵画や音楽、料理、園芸、アウトドアなど趣味の活動が挙げられ、学びの面では、大学やコミュニティカレッジでの講座、セミナーへの参加、資格取得に向けた学習などが挙げられます。

特徴3:社会貢献

ボランティア活動や地域コミュニティへの参加を通じて、社会に貢献することも、アクティブシニアとして重要な特徴です。

具体的には、社会的な交流や地域のボランティア活動やクラブ活動への参加などが挙げられ、継続的に周囲とかかわりを持ちつづけていることが挙げられます。

特徴4:自立性

先述した3つの内容や、自身のライフスタイル、活動などを自ら選択し、行動に結び付けながら生活を送っているのもアクティブシニアの特徴です。

これらのような生活スタイルをとることで、セカンドライフをより充実したものにすることができます。年齢にとらわれずに人生を楽しむライフスタイルとして近年、アクティブシニア(60歳以上の就業率)は増加傾向です。※
働くということも含めて、アクティブに楽しむという姿勢が大切なのです。
※出典:内閣府令和5年版高齢社会白書 1就業・所得

60歳以上でも活躍できる介護職!

先述した通り、介護職は60歳以上からでも活躍することができます。ただし、サービス形態や業務内容によって体力的な負担が異なるため、主な事業所の種別や、業務内容を確認しておきましょう。

また、あわせて体力に自信がない方向けにおすすめの働き方も紹介します。

1.介護業界の主な事業所種別

介護業界にはさまざまな事業所があり、それぞれ形態によって異なるサービスを提供しています。また、サービス形態だけでなく正規雇用、非正規雇用や日勤のみ夜勤のみといった働き方でも業務内容や負担を調整することができると思います。

以下で主な事業所の種類とその特徴を紹介します。

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

2. 介護業界での具体的な業務内容

介護業界での業務内容は多岐にわたりますが、以下で代表的な業務を紹介します。

■身体介護

・入浴介助: ご利用者が安全に入浴できるようサポート
・排泄介助: トイレへの誘導やおむつ交換
・食事介助: 食事の準備や摂取のサポート

■生活援助

・掃除: 利用者の居住空間の清掃
・洗濯: 衣類や寝具の洗濯
・買い物代行: 日用品や食材の購入

■レクリエーション活動

・体操: 軽い運動を通じてご利用者の体力維持
・手工芸: 手先を使った作業で認知機能の維持
・ゲーム: 楽しみながら交流を深める活動

体力に自信がない方におすすめなのは?

60歳を迎え、「体力に自信はないけど介護業界に挑戦してみたい!」という方におすすめしたいのは、利用者さんの要介護度が比較的軽度な「デイサービス」や「訪問介護」等です。

身体的・精神的負担が多い夜勤という業務がないということも大きな理由として挙げられますが、それだけではなく、要介護度が比較的軽度なため、コミュニケーションをとりやすい、介助の身体的な負担が少ないといったメリットもあります。質問者さんのこれまでの人生経験などを聞くことで、コミュニケーションがとりやすくなり、介護の際の関係性にも活かせると思います。

【60歳未経験】介護業界で活躍するためにできる準備や工夫

60歳未経験から介護職に入職するにあたって、できる準備や入職後の工夫はさまざまあります。以下で具体的な内容を紹介します。

1.資格取得
2.体力づくりと健康管理
3.コミュニケーション能力の向上
4.継続的な学習

1.資格取得

介護業界が無資格未経験からでも、入職は可能です。しかし、資格を持っていると、知識やスキルの証明となり、採用時に有利になったり給与交渉に役立ったりとメリットが多くあるでしょう。

取得するうえでおすすめの資格は以下の通りです。

■認知症介護基礎研修(無資格の場合受講必須)
■介護職員初任者研修
■介護福祉士実務者研修
■介護福祉士(スキルアップ)
■ケアマネジャー(スキルアップ)

■認知症介護基礎研修(無資格の場合受講必須)

介護保険のサービスを提供する事業所で働くためには、この研修の修了は必須です。1日で受講できるe-ラーニングのため、働く前までには必ず受講を済ませておきましょう。

また、所定の資格を取得している場合は研修が免除されます。

【研修の受講が免除される資格】
医師・歯科医師・薬剤師・看護師・准看護師
介護福祉士・介護職員初任者研修修了者・介護福祉士実務者研修修了者・生活援助従事者研修修了者・介護職員基礎研修課程/訪問介護員養成研修一級課程もしくは二級課程修了者
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師
管理栄養士・栄養士
社会福祉士・介護支援専門員・精神保健福祉士等

■介護職員初任者研修

介護職として働くための基本的な知識と技術を学ぶ研修です。

130時間のカリキュラムを修了する必要があります。初任者研修を修了することで、単独での身体介護が認められ訪問介護や居宅サービスなどで実施可能な業務範囲を広げることができます。

■介護福祉士実務者研修

初任者研修よりも高度な知識と技術を学ぶ研修です。

450時間のカリキュラムを修了する必要があり、他にもルートはありますが、基本的には社会人になってから、介護福祉士の資格取得を目指す方にとって必須の研修です。実務者研修を修了することで、より専門的な介護業務を理解することができます。

■介護福祉士(スキルアップ)

介護職のなかで唯一の国家資格で、実務者研修のさらに上位資格です。より専門的な知識やスキルの習得ができ、介護のプロとして現場に携わることができます。

取得するには、専門の養成施設の卒業もしくは、3年の実務経験と実務者研修(または介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修)の修了後、国家試験に合格する必要があります。

■ケアマネジャー(スキルアップ)

介護支援専門員とも呼ばれ、ケアプランの作成や利用者さんの相談援助業務を行います。

介護福祉士やその他、医療・福祉の国家資格を取得後、5年以上の実務経験もしくは相談援助業務に従事、さらに「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、「介護支援専門員実務研修」を修了することが必要です。

2.体力づくりと健康管理

介護職の身体的・精神的な健康状態は介護の質に大きく影響します。また、介護職はシフト制であることが多いため、頻繁に体調を崩してしまうと周囲の同僚に負担をかけてしまう可能性もあります。そのため、日頃から体力づくりや健康管理をしっかりと行うことが重要です。

適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠や休息などを心がけましょう。

3.コミュニケーション能力の向上

介護職で働くにあたって、利用者さんやそのご家族とのコミュニケーションは非常に重要です。
笑顔は介護の標準サービス。介護(技術や知識)を用いて、福祉(利用者さんの豊かさや幸せ)を実現するために、利用者さんに直接ありがとうを伝えていきましょう。これまでの社会経験を活かして、相手の気持ちに寄り添った対応は、質問者さんの強みとなるはずです。

また、コミュニケーション能力に自信がない方は、企業や団体が実施しているコミュニケーション研修やセミナーに参加してみるのも何かポイントを掴めるきっかけとなるかもしれません。

4.継続的な学習

介護業界は常に新しい知識や技術が求められます。介護福祉士の倫理綱領にも定められている通り、専門職として定期的に研修や勉強会に参加し、最新の情報を学び続けることが大切です。

また、介護保険制度の改定なども定期的に行われているので最新の情報を確認するようにしましょう。

最後に:謙虚さと思いやりを持って、介護業界でセカンドキャリアを築きましょう!

60歳からの介護職について解説してきました。いかがでしたか?未経験からでも介護業界で活躍することは十分に可能です!
訪問介護や通所介護、施設介護など、さまざまな事業所での業務内容を理解し、必要な資格を取得することで、新たなキャリアを築くことができます。

自分より年齢の低いスタッフたちと一緒に働く機会も多くなると思いますので、年齢に関係なく、全ての人に対しての謙虚さと思いやり、少しのガッツと向上心で一歩ずつ進んでいきましょう。 そうすることで、これまでのキャリアや経験を活かしたうえで、充実したセカンドキャリアを実現することができます。

介護業界は人手不足が深刻であり、シニア世代の方々の活躍が期待されています。ぜひ、前向きにチャレンジしてみてください。

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