<トラブルメーカーは誰?>駄菓子を買いたい娘「おごりおごられNG」わが家のルール【まんが】
私は30代後半。娘(ナナ、小4)と小1の息子、夫との4人暮らしです。娘には小1のときから仲良しのアイカちゃんがいて、親子で付き合いがあります。アイカちゃんとはずっと同じクラスでしかも家も近いので、娘たちは学校終わりによく公園で遊んでいます。最近は小4から同じクラスになったミコちゃんも加わって3人で遊ぶようになりました。3人で仲良く遊べてはいるのですが、遊ぶときの駄菓子の購入をめぐって少し心配ごとが出てきます。
最近よく遊んでいる公園のそばには駄菓子屋があります。どうやらミコちゃんは遊びに行くたびに、1〜2個駄菓子を購入して食べているらしいのです。娘はその様子をうらやましく思ったそう。娘が3人で遊ぶのは大体週に1〜2回です。週に50〜100円で好きなお菓子を買うぐらいならいいかなと思いました。そこで私は、必ず守ってほしい約束を娘に伝えることにしました。
「まずは食べながら走ったり遊ばない。アメやガムがのどに詰まったら? 出たゴミはその場で捨てずに持って帰って」と守ってほしいことについて、話をしました。それからお小遣いの使い方についてもルールを伝えました。
「あと大切なのはちょっとでも誰かにおごったりしないでね。おごられるのももちろんダメ。お金のやりとりはトラブルになるから気をつけてね」と、念を押しました。
こうして娘は私と約束をしてお小遣いを持って公園へ行きました。娘が帰宅して話を聞くと、とても楽しそうに公園での様子を教えてくれました。
以前から、ミコちゃんが駄菓子を買うときにアイカちゃんが「いいなーいいなー」と連呼するそうです。みかねたミコちゃんがアイカちゃんの分の駄菓子も買うようになったのです。
たしかに、一緒に遊ぶお友だちが駄菓子を買って食べていたら自分も食べたくなる気持ちはわかります。でも、たとえおごる額が毎回数十円でもお金はお金です。小学生にとってはそれなりの額だし、積み重なれば大きな額になりかねません。お金をめぐる子どものやりとりに、正直「面倒だな」と思いましたが、こういう事態も子どもにとっては勉強になるでしょう。しかしアイカママは気が強いタイプ。できるだけやんわりと伝えようと思いました。
お金を持ってこない子「いいなー!」禁止は楽しみを奪う?
アイカちゃんにママから注意すると聞いていたのに、娘が遊びから帰って話を聞くと「アイカちゃん今日もミコちゃんにおごってもらってた」と、言うのです。
娘はアイカちゃんに「お母さんにダメって言われなかった? って聞いたけど、『でも私だっていっしょに食べたいもん』ってアイカちゃん言ってた」と、話すのです……。
アイカちゃんはアイカママに注意されたものの、やはり駄菓子が食べたくなるみたいで、まだミコちゃんのおごりは続いているようでした。
後日、娘はミコちゃんとふたりのときにも話したのだとか。でも、ミコちゃんは「私たちだけ食べるのもなんかイヤだし……。それにアイカちゃんだけ食べないのはかわいそうだもん」と、言ったのだそうです。
娘たち3人とアイカママ、それぞれの言っている内容はわからなくもありません。
その2日後、ミコちゃんが娘を迎えにきたとき、娘には事前に許可を取り、私からも話をしてみることにしました。
私からもミコちゃんに話してみましたが、状況は変わりませんでした……。
やはり事情を知っていて知らん顔を決めるのはよくない気がしました。アイカママにあとになって「私はいまだにおごってもらうのが続いているなんて知らなかった。知っていたのにどうして教えてくれなかったの?」と言われるのもイヤです。かといって、アイカちゃんに合わせて全員駄菓子を買うのをやめさせるのは娘たちの楽しみを奪うようで気が進みません。私は再びアイカママに連絡をとるべきか、ミコママの連絡先を入手して相談すべきか迷います。
【アイカママの気持ち】正しさって?わかり合えない人なのね
私は30代後半。娘(アイカ、小4)と、夫との3人暮らしです。娘には小1のときから仲良しのナナちゃんがいて、親子で付き合いがあります。ナナちゃんとはずっと同じクラスでしかも家も近いので、娘たちは学校終わりによく公園で遊んでいます。最近は小4から同じクラスになったミコちゃんも加わって3人で遊ぶようになりました。3人で仲良く遊べているようですが、ミコちゃんが遊ぶときに毎回駄菓子を買うのが発端で、トラブルが発生してしまいます。
「うちは買い食い自体禁止なの。アイカには注意しとくから、おごったりしないでね!!」と伝え、その後アイカと話します。
正直、「面倒くさい事態だな」と思いました。どうしてミコママもナナママもわざわざ買い食いなどさせるのでしょうか。小学生なのだから「おごったおごられた」「羨ましい」などとなるに決まっています。そんな簡単なことも想像できないのでしょうか?
ナナママは遠慮した感じですが、告げ口のような雰囲気もあって感じが悪いなと思いました。
私はナナママの告げ口みたいに何度も送られてくるメッセージにイライラしました。私は絶えきれず、思わず本音を送ってしまいました。
つい強い口調の「オヤツなんて家で食べるか、家から持ち寄って集合したらいいだけなのに、買い食いにこだわるの、どうかなって。小学生でおごるとかって正しくないよね?」というメッセージを送ってしまいました。するとそれ以後、ナナママから返事はありませんでした。やはりわざわざトラブルになりそうなやりとりはやめた方がいいと思ったのかもしれません。
しかし数日後……。
ミコちゃんのママがどんな人かは知りませんが、娘に買い食いさせておごったりしても何も言わないのですから、そういう教育方針の親なのでしょう。ミコママやナナママみたいな親がいることで、学校で何かと禁止事項が増えるのかもしれないな、と思いました。とくにナナママは自分の正しさばかり押しつけてきて、話し合いになりません。正直、あの流れで急に他人行儀に怒りだすなんてどうかしています。ナナママみたいな人とは距離をおく、これ一択だと思いました。
【ミコママの気持ち】使い道は子どもの判断で「必要な経験」
私は30代後半。娘(ミコ、小4)と小2の息子、夫との4人暮らしです。最近、娘のミコは小4から同じクラスになったナナちゃん、アイカちゃんと学校終わりに公園でよく遊んでいるようです。私はとくにトラブルもなく、3人仲良く遊べてはいると思っていました。しかし遊ぶときの駄菓子の購入をめぐって、ナナちゃんのママから突然連絡があり、驚いてしまいます。突然の連絡なんて、なんだか嫌な予感がします。
「娘たちのことでご相談があるのですが、通話よろしいですか?」とナナママからのメッセージに驚きました。
突然、会ったこともない話したこともないナナママから、メッセージが届きました。相談なんて何ごとでしょうか。驚きながらも了承すると、ナナママは「忙しい時間にすみません」と遠慮しながらも、興奮気味で一気に話をします。
どうやら買い食いはダメと言われてるアイカちゃんにうちの娘が駄菓子をおごってあげていて、それが続いてしまっているという話みたいです。
正直、誰かに私の連絡先を聞いてまで、直接話すほどの内容? と思いましたが、ナナママの様子は真剣です。
ナナママの電話越しの勢いは止まりませんでした……。わが家の言い分としては「うちはお小遣いを子どもに渡していてその範囲であればある程度自由に使わせてるので……」と、ナナママになるべく落ち着いたトーンで話しました。
ナナママは「私、どうして他の家の都合に合わせて、子どもたちの楽しみを奪わないといけないのかわからないんです。納得いかないから、アイカママに『そちらの都合には合わせられない』と伝えたいんですが、いいと思います?」とまくし立てます。
子どもに対し、なんでもかんでも禁止して、問題になりそうなことは事前に防いであげる。そんなふうに、ぬくぬくとした子ども時代を過ごしても、結局大人になったらいろんなトラブルに巻き込まれるのです。現に、ナナママたちとのやりとりも、小さいながらもトラブルです。私は、やはり親がいるうちに子どもはいろんな経験をすべきだと思うし、「トラブルになりそうだから」という理由で、子どもたちの言動を制限したくないと思っています。
【私の気持ち】私の考えは正しかった?子どもたちが決めたルールとは……
アイカママの意見に納得がいかない私は「娘たちの楽しみを奪ってまで、アイカママの都合に合わせたくない」と言ってやりました。
私は心配になり、「ねぇナナ? まだアイカちゃんにミコちゃんがおごってあげたりしてる?」と質問します。ナナは目を泳がせながら、「えっと……ときどき?」とはっきりしない返事をします。ミコママはおごりを無理矢理やめさせる気はなさそうです。
ミコママが「3人でルールを決めてみたら?」と話し合いを促してくれたというのです。どうやらミコママは子どもたちだけで話し合いをさせる方向でアドバイスをしたようです。
ミコママの提案に感心すると同時に、私自身も自分の正しさをほかのママや子どもたちに押しつけようとしていたかも……と気づきました。アイカママの家のルールを強要してくるような姿勢に辟易していたけど、アイカママからしたら、私も似たようなものかもしれません。 その様子を見聞きしていたミコママは、私とアイカママの様子をバカバカしいと思ったかもしれないと思うと、少し恥ずかしくなります。
私は大人になり、母になってももめてしまいました。子どもたちが多少もめるのなんて当たり前とも言えます。 娘ももう10歳。トラブルを避けるためとは言え、手や口を出すばかりではなく、一歩ひいて見守る姿勢も大切にしたいと強く思いました。
今回、ほかの家との子育て方針のちがいに悩みました。自分の家のルールをある程度決めておくのは大切ですが、自分の「正しさ」にこだわってそれを押しつけるのは、よくなかったと反省しました。それに、「私の考えは正しい」という傲慢さがあった気がします。 親としての毅然とした態度も必要ですが、娘も大きくなってきたし、「私はこう思うけどあなたは?」と娘に考えて決めさせる機会も増やしていきたいと思います。私にとっても学びのある出来事でした。