海の生物多様性、回復の鍵は海藻?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、1月9日の放送にハフポスト日本版編集長・泉谷由梨子が出演。生物多様性を守るのに有効だという、海藻について解説した。
泉谷由梨子「生物多様性についても皆さんに知っていただきたいな、ということで。特にその中でも最近、取材しておもしろかったので、海藻の話をしたいんです」
長野智子「海藻ね」
泉谷「お正月に昆布巻きとか召し上がりました?」
長野「はい」
泉谷「海藻って何種類ぐらい食べたことがありますか?」
長野「食べたことがあるのは5種類ぐらい?」
泉谷「一般的には5種類ぐらいですかね。日本近海にある海藻は1500種類ぐらい。すごくよく知っている方でもマックス20種類ぐらいだと思うんですけど、海藻が海の生物多様性を守るのに非常に有効だという話をします」
長野「はい」
泉谷「特に最近、サンマやサケやブリなどがとれなくなっている、という話を皆さん、実感していらっしゃると思います。気候変動とともに海水の温度も上がっているので漁獲量が激減しているんですね。海の生物多様性を回復するために注目されているのが海藻ということです」
長野「海藻がたくさんあれば多様性を回復できる?」
泉谷「そうなんですよ。海藻は海の生態系のピラミッドの底辺に位置するといわれています。海藻が生えているところを藻場(もば)といいます。藻場にだんだん小魚、小さいほかの海藻だとかプランクトン、小エビみたいなものが詰まってきて。ここがエサ場になってほかの魚が棲みついている、という。これが磯焼けという状態になって、日本の近海では著しく消失している、という事態にあるんですね」
長野「なんでそういうことが起きるんですか?」
泉谷「気候変動による水分上昇というのがひとつですが、それだけではなく。護岸工事で水質が悪化したり、ウニが食べるという食害の問題があったり」
長野「聞いたことあります。東日本大震災のときに海の回復をしばらく取材していたんです。やはり海藻が最初に出てくるんですけど、ウニによってそれがなくなるんですよ」
泉谷「せっかく植えてもウニが食べるので、いま全国で様々な自治体なんかが藻場をなんとか再生しなければ、という取り組みをしています。たとえば藻を植えてそこをネットで覆ってウニが来ないようにする、みたいな地道なことをしている。あとウニを潰す、ということもしているんですね」
長野「自治体とかが一生懸命していると?」
泉谷「はい。水産省が音頭をとって各自治体に補助金をつけて藻場の再生、というのをしているんですね。ウニをダイバーが叩き割って駆除するなど。ただこれすごく大変なので。私が取材させていただいている、一般社団法人グッドシーという団体があるんです。そこがいま、海藻を養殖で増やそう、という取り組みをしています」