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「松竹歌舞伎アーカイブス~幻の映画~」と題し、貴重な歌舞伎映画を約半年にわたって放送 5月は映画『勧進帳』と映画『京鹿子娘道成寺』

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映画『勧進帳』

CS放送「衛星劇場」が、「松竹歌舞伎アーカイブス~幻の映画~」と題した、松竹大谷図書館所蔵の貴重な歌舞伎映画を約半年にわたって放送する。2024年5月は、映画『勧進帳』と、映画『京鹿子娘道成寺』をおくる。

映画『勧進帳』

昭和18年11月、12月歌舞伎座における五十日興行で、七世松本幸四郎、十五世市村羽左衛門、六世尾上菊五郎の顔合わせによる幸四郎一世一代の『勧進帳』が上演された。映画では、この名舞台を後世に伝えるため、幕開きから弁慶の引込みまでの舞台を完全に収めた。当時数えで、幸四郎74歳、羽左衛門70歳、菊五郎59歳、名優たちが織りなす舞台は至芸。とくに七代目幸四郎にとって弁慶は最高の当たり役で、生涯を通じて1600回以上も演じたものである。弁慶の重厚感、富樫の名調子、義経の優雅と品格、そして山伏問答の緊迫感、どこをとっても一分の隙もない『勧進帳』だ。

映画『京鹿子娘道成寺』

映画『京鹿子娘道成寺』は昭和30年12月、松竹大船撮影所でカラー撮影された。昭和戦後期を代表する女方・六世中村歌右衛門は当時三十八歳。まさに芸の円熟期に差し掛かった頃で、桜の木々の下、花びらの散る特設のセットで舞う姿を、鮮やかにとらえた作品となっている。

なお、6月以降も、映画『紅葉狩』、映画『汐汲』など貴重な歌舞伎映画が登場する。

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