【ついに口開く】立憲民主・梅谷守衆院議員「違法であるという認識はなかった」選挙区内での酒くばり行為について
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初回掲載:2024年9月25日
9月25日、新潟市中央区の新潟東映ホテルにおいて、立憲民主党新潟県総支部連合会と支持母体である連合新潟の定期協議が開かれ、県選出の国会議員らが顔を揃えた。この日出席した国会関係者は、菊田真紀子(旧新潟4区)、米山隆一(旧新潟5区)、梅谷守(旧新潟6区)、打越さくら(参議院新潟県選挙区)。西村智奈美(旧新潟1区)は公務のため欠席した。
9月25日に開かれた連合と立憲民主党県連の定例協議
会議の冒頭で、小林俊夫連合新潟会長から「総選挙が近いと聞く。新しい党代表も選ばれ、執行部人事に対して党内では様々な意見もあるようだが、すべての人が100%満足する人事などない。必要となってくるのは丁寧な説明と結果を出すこと。結果とは言わずもがな、次期総選挙でしっかりと党勢を拡大してもらうことで、連合が安心して支持できる政党になっていただきたい」と激励の挨拶。同党県連幹事長の米山氏は「次期総選挙で夢のような立憲民主党政権の実現を」とかつて安倍晋三元首相が使った「悪夢の民主党政権」という揶揄に対してのアンサーを示した。
党執行部の常任幹事長に選出された菊田真紀子衆院議員(手前は米山隆一県連幹事長)
小林俊夫連合新潟会長
次期総選挙の各選挙区候補に推薦状が手渡される。写真は前回落選の憂き目にあった新潟2区の黒岩宇洋氏
その後、次期総選挙の新潟5選挙区の各候補に対する推薦状が手渡され、小林会長が激励をした。
15時に始まった会議は約1時間半で終了。この日は、新たな代表に野田佳彦氏が決まった翌日でもあり、菊田氏が党執行部の常任幹事会議長に選出されるなどトピックも多かったが、詰めかけた多くの報道陣のターゲットは新たな新潟5区の連合推薦候補となった梅谷守氏だった。
梅谷氏は今年2月、選挙区内でのイベントで有権者に対し持参した日本酒を供与したことが報じられ、当局から捜査対象となっている。地元マスコミの記事には、実際に日本酒を渡している場面の動画も掲載され波紋を呼んだ。
4月には糸魚川市の行政書士から公職選挙法違反の疑いで刑事告訴されている。また立憲民主党本部からは幹事会を通じて「党員資格停止1カ月」「党役職停止3カ月」の処分が下された。過去には「議員辞職」や「公民権停止」などの例もあった重大な事案だけに、同党の処分が「あまりに軽微なのではないか」という批判の声もある。
また梅谷氏は、自らの口から事態の詳細を語ることは避け、地元記者クラブからの再三にわたる「地元での会見」要請を無視し、選挙区の会合やイベントなどにも姿を現さなかった。こうした姿勢が「説明責任を果たしていない」とまたやり玉に挙げられた。
会議後のぶら下がり取材で、詰めかけた報道陣は梅谷氏の周りに集結した。以下は一問一答の概略。
― この間の政治活動や有権者に対しての説明は?
「2月に報道が出る前に、私の方から自主的に捜査機関に対して事態の申告をし、全面的に捜査協力を行っている。そのため活動はままならない部分がある。本日、多くの報道陣が集まるということで、説明の場とさせていただきたい」
― この間、表に出てくる機会がなく、報道陣を避けているようにも見えたが
「私の方から自主的に捜査機関に対し申告し、全面的に捜査協力を行っている立場上、まずはそれを全うして判断を仰ぐことが私にとっての責任としたため、それ以外の場で話すことは捜査の妨げになりかねないので極力控えていた」
― 捜査の妨げになるので表に出て話せないということだが、それでも有権者に対して説明や謝罪くらいはできたのでは?
「申し訳ないと思ってはいるが、自ら捜査機関に申告した以上、最優先するのは捜査への協力。まだ結論は出ておらず、これほど時間がかかるとも考えていなかった」
― 連合から推薦状は出たが、捜査の結論が出ていない状況は変わっていない中で、立候補を見送る判断はできなかったのか。
「私としては法律に違反する行為だという認識は当時はなかった。今となっては、これだけの事態を招いたこともあり、今後は疑義の生じる『会費代わり』の提供は避けなければいけない」
― 次の選挙で当選しても、捜査当局から違法だと判断されれば議員辞職の可能性もあるのか。議席を得た後に違法だという判断がされてから議席を失うことは、有権者に対してよほど不誠実ではないか
「私としては疑義を持たれて自主的に申告をしたが、違法性があったと認識していない。まずは捜査当局の判断を待つというのが私のできることだと思っている]
― 現状での違法性の認識は
「うーん・・・今となっては、軽率な行動だと反省しているが、当時としては法的な規定も認識したうえで、会合出席の対価や会費のつもりで手渡したものだ」
また梅谷氏は「この事件の一部報道が『有権者に酒を配った』としているが、有権者ではなく会やイベントの運営に対して手渡した」と弁明している。
この日は、終始歯切れの悪い「説明」だったが、梅谷氏は選挙戦を通じて有権者に対し「捜査に支障をきたさない範囲で説明していく」としている。
(編集部 伊藤 直樹)