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輸血用血液製剤 安定供給への支障に懸念 需要急増で供給量最高に

タウンニュース

県内の赤血球製剤供給量の推移(上)と動画のイメージ(同センター提供)

神奈川県赤十字血液センター(港北区)はこのほど、県内における2024年度の輸血用血液製剤の供給量が過去最高だと発表した。現状、医療機関からの需要は急増しているが、県内だけでは必要な献血者数を確保できていない。同センターでは、特に若年層の献血者数減少が課題で、さらに少子高齢化が進むと将来の安定供給に支障をきたす恐れがあるとし、輸血経験者が出演する動画を公開する等、献血の普及、啓発を図っている。

同センターによると、特に赤血球製剤の供給量が増えており、10年度は38万747単位だったが24年度は43万8484単位になり、15年間で15%増(1単位=200ミリリットル)。

供給量増加の背景には、高齢化やコロナ禍以降の手術件数の増加、在宅医療での使用量増加など複数の要因が重なっている。輸血は、年齢と共に罹患率が高くなるがん等の病気やけがの治療のために行われる。

血液中のすべての成分を献血する「全血献血」の献血者数は、24年度は22万1457人で前年度比で3124人増、過去最高を記録した。しかし、県内の全血献血だけでは対応が困難で、関東甲信越ブロック内で調整して供給している。

若年層の献血者減少

少子高齢化で全国的に献血可能人口が減少している。10代から30代の協力者数はこの約10年間で33%減。県内では1日950人の献血協力が必要とされているが、同センターでは、今後さらに少子高齢化が進むと将来の安定供給に支障をきたすと危惧しており、若い世代への普及、啓発が重要な課題としている。

動画で普及、啓発

同センターは献血が誰かの命につながっていることを伝えるために、動画「LIFEGOESON#5献血がくれた『たからもの』」を公開している。出演したのは、輸血経験のあるミユキさん(40代)。動画では自身の経験などを語っている。ミユキさんは30歳の時、倦怠感や脱力感で最寄りのバス停から自宅まで歩けなくなった。肝臓の機能が低下し、意識障害などの症状が現れる「劇症肝炎」と診断され、医師から「明日の命もわからない」と告げられたが、48人分の輸血で救われた。

その後、出産を経験し元気に生活している。動画に出演し「献血は、あなたの大切な人を助けられるかもしれません。元気を分け合い、優しさが広がる世界であってほしい」と期待を寄せた。

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