流産は”悲しい思い出” でも私だけじゃないと知り、優しさに励まされた
ママライターのにゃにゃです。私には、2人の娘がいますが、実は、長女が1歳5ヶ月の時に、一度流産の経験があります。当時は、よちよち歩きの長女と公園に行く日々でしたが、周りのお母さんたちも上の子と2歳差ぐらいで妊娠している方が多かったので、自分もそろそろ第2子を授かれたらいいなと考えていました。
生理が遅れただけだった?“少量の出血”は…
次の妊娠を望んでいたので、生理が2週間ほど遅れた時は、うれしかったのを覚えています。ただ、生理不順が時々あったので確信も持てず、あと少しだけ様子を見ることにしました。
そんなある日、祖母の法事に家族で参列したら、寒さが原因なのか、おなかが痛くなってしまったのです。しばらくしたら痛みは落ち着いたのですが、兄や従兄弟から、「珍しく食べないね」と言われるぐらい食欲も出ませんでした。
そして、その日の夜に実家で、下着に少量の血液がついていることに気づきました。「残念、妊娠ではなかったみたい」と私が言うと、母が、「もしかしたら切迫流産かもしれない。明日はお医者さんに行きなさい」と心配するので、翌日、実家近くの産婦人科を受診しました。
医師の「流産」という言葉に、心の中で泣いた
先生に診ていただいたら、「妊娠7週目ですが、残念ですが初期流産ですね。この時期の流産は、胎児の染色体異常などが原因になるので、お母さんはご自分を責めないでください。ただし、次の妊娠のためにも流産手術をしましょう」と言われました。
すると、さっきまでは生理が遅れたのねと気楽に思っていたのに、“流産”という言葉に、自分の周りが白黒になったような気分になりました。表面上は、自分でも驚くぐらい手術の日などをテキパキと決めていましたが、内心では泣いていました。
手術当日は、麻酔もして、体の痛みなどはまったくありませんでした。ただ、麻酔が効くまで、数を大声で数えていたことと、目が覚めたらすべて終わっていて何事もなかったように動いている自分に対して、嫌悪感を持ったことを強烈に覚えています。
手術の後は、夫や両親が懸命に励ましてくれましたし、手術の間、私の両親と泣かずに待ってくれていた幼い長女のためにも、泣いてはだめだなと思いながら、過ごしたように思います。
思いがけない人からの体験談に驚き、励まされた
流産手術の後、体を安静にする必要があったのでしばらく実家に滞在し、自宅に戻りました。いつもの公園に行くと、とても元気な3歳の息子さんがいる先輩ママから「久しぶりね。風邪でもひいていた?」と声をかけられました。
その時、あまり話したことがない方だったのに、流産したことを思わず話してしまいました。すると、「あー、そういう事あるわね。私も2回経験している」と言われ、驚きました。予想外の言葉に、ちょっと涙ぐんでいたら、「大丈夫よ、結構そういう話聞くわよ。私も周りで2人目妊娠している人が多いから焦るけど、頑張ろうね」と励まされたのです。
また、涙目の私を心配して寄ってきてくれた別の数人の中にも、「私も経験者よ」という方が2人もいました。それまでは、自分を責めつつも「私だけがかわいそう」と心のどこかで思っていたので、皆の言葉に本当に救われ、自分を憐れむのはやめようと思うきっかけになりました。
流産の経験はとても悲しい思い出ですが、経験している人がけっこう多いことを知り、思いもよらない人たちの、温かい優しさにふれることもできました。また、これから先に悲しい時やつらい時、困っている時は、「自分だけがかわいそうだ」と考えたり、ひとりで抱え込まないようにしようと思う契機にもなりました。ただ、できれば悲しい思いをする妊婦さんを減らしたいなと思っているので、少しでも何かの役に立ちたいと電車などではせっせと席を譲ったりしています。
[にゃにゃ*プロフィール]
32歳と29歳の娘たちが独立したので、夫と二人暮らしです。週に4日ほどホームヘルパーさんの仕事をしています。時々、1歳の孫の子守りをしていますが、私にとっては初めての男の子なので、することなすことが大胆で驚いています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。