〝リサイクル〟にあらず、〝アップサイクル〟とは!? やむを得ず発生する食品ロスが新たな可能性を発見して活用するプロジェクトに取り組む〈日清製粉ウェルナ〉の場合
「アップサイクル」という言葉をご存じだろうか。いわゆる「リサイクル(再生利用)」ではなく、廃材や規格外の食材等、これまでは廃棄せざるを得なかった物や不用品に新たな手を加えて、より付加価値のある製品へと生まれ変わらせること。
たとえば、日清製粉ウェルナでは、製造の切替えや選別の時に発生するパスタの端材や輸送中の包装破損などによって発生する食品ロスに、新たな可能性を発見して活用しようと試みようとしている。そのプロジェクトとは、〈パスタデミライ〉と呼び、まさにアップサイクルによって持続可能な社会の実現に貢献しようという取り組みだ。
本プロジェクトの第一弾として、〈丸紅フォレストリンクス〉と〈コバヤシ〉と協業し、食品ロスとなるパスタを活用したプラスチック素材〈パスタデプラ〉を開発。食品ロスの削減に加え、従来のプラスチックを置き換えることにより、化石燃料由来資源の使用量を抑えることができるとしている。
日清製粉ウェルナはこれまでも、食品ロスの発生抑制や有効活用に取り組んできているが、発生せざるを得ないパスタの食品ロスは、主に飼料としてリサイクルしていた。こうした従来のリサイクルだけでなく、付加価値のある製品への活用方法に取り組むべく、前述の「アップサイクル」の可能性拡大を目指した。
パスタの活用によって出来上がった〈パスタデプラ〉とは、食品ロスとなるパスタを10~51%配合したプラスチック素材。パスタを粉砕して粉末状にし、それをポリプロピレン等のプラスチック原料と混合・押出して作られる。パスタデプラはさまざまな製品への加工が可能。通常のプラスチックと同等の強度を持ちながら、パスタ由来の独特な風合いが特徴で、今後は、丸紅フォレストリンクスやコバヤシと協業しながら、原料販売や加工製品の一般販売も視野に入れ、社外への展開を進めていきたいとしている。