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世界最深の湖にすむ<バイカルアザラシ>の秘密 淡水に棲む唯一のアザラシはなぜぽっちゃり?

サカナト

バイカルアザラシ(提供:PhotoAC)

かわいいぽっちゃり体型の<バイカルアザラシ>。

とても珍しい海獣で、ロシアのバイカル湖にしか生息していないのですが、実は国内の水族館でも見ることができるのです。

あなたもきっと見に行きたくなること、間違いなし!

バイカルアザラシ(学名:Pusa sibirica)は淡水生活者

バイカルアザラシ(提供:PhotoAC)

バイカルアザラシは、アザラシ類の中で唯一、淡水に生息しています。

大きな目が特徴的で、とてもかわいらしい姿。ぽてっとした体形とふんわりとした毛並みで、ぬいぐるみのような見た目がたまりません。

頭がよく、芸を覚えるため、ショーで観客を楽しませてくれる水族館もあります。

バイカル湖とその周辺の河川に生息

バイカルアザラシは、食肉目(ネコ目)アザラシ科ワモンアザラシ属に属するアザラシで、バイカル湖とその周辺の河川に生息しています。

魚類を主食にすると思われていましたが、近年の研究では重さ0.1グラムほどの小さなヨコエビを1日数千匹も食べることが明らかになりました。

最大でも体長1.4メートル、体重90キロほどと、他のアザラシと比べると小型です。

<バイカルアザラシ>の特徴や秘密

バイカルアザラシ(提供:illustAC)

バイカルアザラシの体脂肪率はなんと40%越え! なぜぽっちゃりとしており、ぬいぐるみのような姿なのでしょうか。

それには、生息場所が関係しています。

バイカルアザラシが生息しているのは、冬の気温がマイナス20~30℃となる極寒の地であるバイカル湖。寒さに耐えるため脂肪を蓄えるのです。

バイカル湖(提供:PhotoAC)

また、バイカル湖の水深は、世界最深の1642メートル。この中で少ないエサを探すため、目が大きく発達したそうです。なんだか、深海魚のデメニギスを彷彿させるような進化ですね。

さらには、深いところまでエサを探しに潜らなければならず、潜水時間が70分を超える記録もあります。

可愛い姿とは裏腹に、すごい独自進化を遂げたアザラシといえます。ちなみに、赤ちゃんは真っ白なので、とてもかわいいですよ。

バイカルアザラシは泳ぎが速い!

バイカルアザラシ(提供:PhotoAC)

ぬいぐるみのような姿をしているバイカルアザラシ。しかし、その泳ぎはびっくりするほどスマート!

すごい速さでビューンと泳ぎ回ります。

速い泳ぎにびっくり(撮影:額田善之、撮影場所:新屋島水族館)

水族館で見ると、素早い動きや泳ぎにびっくりします。

水に浮かんでいる姿は潜水艦のようにも見えますが、泳ぎ始めると目で追うのもやっと。そのギャップがまたかわいいんです。

バイカルアザラシを展示している水族館は?

バイカルアザラシ(提供:PhotoAC)

バイカルアザラシは日本のいくつかの水族館で飼育されており、繁殖にも成功しています。少しずつ、展示する水族館も増えています。

日本では2025年2月現在、仙台うみの杜水族館(宮城県仙台市)やサンシャイン水族館(東京都豊島区)、箱根園水族館(神奈川県足柄下郡箱根町)、いしかわ動物園(石川県能美市)、新潟市水族館マリンピア日本海(新潟県新潟市)、滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)、鳥羽水族館(三重県鳥羽市)、新屋島水族館(香川県高松市)と8つの水族館で展示されています。

旅行やお出かけでこれらの水族館に訪れる機会があれば、その特徴的な姿を観察してみてください!

(サカナトライター:額田善之)

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