【魅せたい!技術 ふくおか企業Wish】驚きの輝きと独自の研磨技術!「東洋ステンレス研磨工業」(福岡県太宰府市)
私たちの日常生活に欠かせない金属。リビングやキッチン、さらにはトイレまで、あらゆる場所で金属が使われています。そんな身近な存在でありながら、その美しさや機能性を引き出す技術に注目したことはあるでしょうか。
太宰府市にある「東洋ステンレス研磨工業」は、独自の研磨技術でステンレスやチタンを美しく仕上げる企業。福岡市中央区にある福岡県弁護士会館では「東洋ステンレス研磨工業」が手掛けたステンレスパネルが採用されています。このパネルには博多献上柄をオマージュしたデザインが施されており、金属でありながら柔らかい印象を与える仕上がりとなっています。また、アメリカ・ロサンゼルスの「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」の外壁にも「東洋ステンレス研磨工業」のステンレスが採用されており、国内外の様々な場所で、多岐にわたる用途で活躍しています。
工場内に入ると、うっすらと白みがかっているステンレスの原板が目に入ります。これを自社開発の機械で研磨していくと、美しい銀色の輝きを生み出します。その反射の様子は、まるで鏡のよう。スタジオからも驚きの声が上がっていました。この研磨の際に重要になってくるのが『バフ』という道具。原板の硬さによって麻素材のバフや、柔らかい綿などのバフを使い分けていきます。機械内で高速回転したバフを原板に押し当てることで、表面が磨き上げられ光沢が出る仕組みとなっています。
ステンレスはさびにくく清潔に使用できるため、生活に欠かせない金属のひとつ。一方で、塗料が付着しにくく、一般的には塗装に向かないと言われています。そこで生かされるのが、研磨の“技術”。特殊な磨き方により硬い金属に繊細な模様や質感が生まれ、『ゆらぎ』や『糸模様』といった独特なデザインを施すことが可能となります。
「東洋ステンレス研磨工業」の製品は、美しさだけでなく実用性も抜群。例えば、ステンレスキッチンの天板には反射を防ぎ、光を和らげる研磨が施されています。硬化処理もしているので汚れがつきにくく、汚れても簡単に拭き取ることができるそうです。また、ステンレス素材は錆びにくく長持ちするそう。100パーセントリサイクルできる金属ということで、持続可能な社会づくりにも貢献しています。
「東洋ステンレス研磨工業」の門谷豊社長は「もっと金属の魅力を発信できるものを作り続けなければ」と、熱い思いを語ってくれました。一般的に「冷たい」というイメージがある金属ですが、温かみさえ感じるその仕上がりは、従来の金属に対する認識を覆すものとなっています。金属加工の新たな可能性を切り開いていく「東洋ステンレス研磨工業」の取り組みに今後も注目したいですね!
『東洋ステンレス研磨工業株式会社』
https://www.toyo-kenma.co.jp/
※この情報は、夕方ワイド情報番組「ぎゅっと」(2025年1月21日放送)でお届けしました。