“おかやま地酒×駄菓子”の新感覚ペアリング! AI味覚センサーが科学的に美味しさを分析
日本特有の製法で造られた、米・米麹・水が主原料である日本酒。実は、「秋あがり」や「ひやおろし」が出回る秋が旬で、毎年10月1日は「日本酒の日」に制定されている。その旬の時期に合わせて、東京・新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」で「おかやま地酒×駄菓子 AI味覚センサーペアリング」メディア発表会&体験会が開催された。
“幻の酒米”から生まれた岡山の地酒と古今東西ポピュラーな駄菓子が奇跡の出会い
数年前からよく聞くようになった“ペアリング”。お酒の各銘柄と料理の組み合わせにより、美味しさを相乗させるもので、ワイン×チーズ、シャンパン×フルーツ、ピール×肉、焼酎×魚などを思い浮かべる人も多いだろう。しかし今回は、まさかの“日本酒×駄菓子”。
岡山県総合政策局 公聴広報課 中山尚美課長は「晴れの国・岡山の温暖な気候、豊かな水資源、秀でた技術をお持ちの杜氏により造られた地酒は国内外で高い評価を得ています」とアピール。さらに、酒米「山田錦」や「五百万石」のルーツであり、全国的にも珍しい日本最古の混じりけのない原生品種で、栽培や酒造りが難しく“幻の酒米”と称される「雄町米」と、子どもも大人も大好きな駄菓子約5000種類を集めた人気の観光スポット「日本一のだがし売場」(岡山県瀬戸内市)を紹介。これらを元に「楽しい企画をしたい」と同イベントを考えた中山氏は「岡山の地酒の魅力を驚きと新鮮味を持ってご体験ください」と呼びかけた。
“日本酒×駄菓子”はなぜ合うの? 味博士がAI味覚センサーを用いて徹底解説
OISSY株式会社 代表取締役社長 兼 味博士の鈴木隆一氏が開発したAI搭載味覚センサー装置「レオ」は、5大味覚「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」を数値化し、3000種類もの食品の組み合わせの良し悪しを学習していることから、対象の食品を分析することで相性度の算出も可能。「新鮮なマグロの刺身に上質な砂糖をかけても美味しくないように、組み合わせを間違えると、どんなにいい食材でも美味しくない」と語る鈴木氏は今回、レオを用いて各地酒に合う駄菓子を約100種類の中から選出した。「岡山の地酒は比較的、うま味やコクが大きいから駄菓子との相性がいいです。また、駄菓子の尖った甘味や塩味を、うま味とコクのある日本酒で緩和することで、より美味しさを感じやすくしてくれます」と話す鈴木氏だが、その結果やいかに。
大典白菊 純米大吟醸 雄町(白菊酒造)×ベビースターラーメン
今回分析した中で甘味とうま味がもっとも強く、苦味も同居する白菊には、塩味・うま味が尖ったベビースターラーメンがマッチして相性度95.1点。ちなみに、レオでは95.1点以上が「非常に美味しい」とランク付けされる。
御前酒 純米 美作(辻本店)×ブラックサンダー
苦味・酸味のバランスがいい美作は、ブラックサンダーの甘味・塩味によって美味しさがアップするため相性度96.2点。
櫻室町 純米吟醸 備前幻(室町酒造)×ヤングドーナツ
苦味に特徴がある備前幻は洋酒に近い味わいがあり、甘味が強いヤングドーナツと最高のマリアージュで相性度96.5点。
燦然 特別純米 雄町(菊池酒造)×ポテトフライ
甘味が際立つ燦然には、うま味・塩味が強いポテトフライがベストコンビ。甘味・うま味・塩味とのバランスで食欲をそそるループ構造が発生して相性度96.8点。
独歩 雄町米ラガービール(宮下酒造)×うまい棒めんたい味
苦味・酸味が尖った雄町米ラガービールには、うまい棒めんたい味の塩味・うま味が絶妙な組み合わせ。互いの味を補い合って相性度は最高得点の98.2点。
おかやま観光特使も新感覚ペアリングに試飲の手が止まらない…
おかやま観光特使で、SSI認定 唎酒師/酒匠の安藤恵氏も出席し、ペアリングを体験。駄菓子は一袋ずつ提供されるが、地酒はおちょこに軽く一杯のため、思わず「ちょっとじゃ足りないです」とはにかみつつも、「燦然が先に走っていて、ポテトフライが後ろから追いかけて抱きしめているような味わい」「日本酒と駄菓子の二つが口に合わさったときの余韻が美しい」などと明言を繰り出すと、鈴木氏は「詩的な表現ですね。科学者的にはなかなかできないので勉強になります」とコメント力に脱帽していた。
今回紹介した地酒は同ショップにて販売中。秋の夜長、故郷や子ども時代に思いをはせながら、岡山が誇る地酒と駄菓子のペアリングを楽しむのも一興ではないだろうか。
「駄菓子付き 地酒飲み比べセット」は3種1000円、4種1200円、5種1600円(雄町米ラガービールが入る場合は+200円)
10月14日までアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」(東京・新橋)にて販売。