読書系インフルエンサー・ぶっくまさんが選ぶ「100分de名著」は?<物語×生き方編>【NHK100分de名著キャンペーン】
NHK「100分de名著」シリーズを「マッピング」!
2011年の創刊から累計1000万部以上の発行を記録しているNHK「100分de名著」シリーズ。古今東西の名著を25分×4回の100分で読み解き、今の世の中を見通すためのヒントを得る構成が人気です。
今回、全国の書店で開催中の「100分de名著」フェア開催を記念して、『ひと目でわかる図解付き!「知る」を最大化する本の使い方』(翔泳社)の著者としても知られる、読書系インフルエンサー「ぶっくま」さんに、「100分de名著」シリーズの本を独自の軸の「ぶっくマップ」としてマッピングしてもらいました。
タイトルや作者は知っているけれども、手に取ったことのない「名著」が、別の角度から見えてくる「ぶっくマップ」。そのマップから、<物語で感情を揺さぶる×個人の生き方>タイプの本をご紹介します。
<物語で感情を揺さぶる×個人の生き方>タイプの本
フランクル『夜と霧』(読み解き:諸富祥彦)
ナチスによるホロコーストを経験した心理学者フランクル。彼は強制収容所という過酷な状況に置かれた人間の様子を克明に記録し、「人間とは何か」という普遍の問いにひとつの答えを見出そうとしました。
人は何に絶望し希望するのかについて、そして時として容赦なく突きつけられる“運命”との向き合い方について、諸富祥彦さんの解説で探っていきます。
集中講義 宮沢賢治(解説:山下聖美)
なぜ大人は、宮沢賢治に惹かれるのか?
『注文の多い料理店』『風の又三郎』『雨ニモマケズ』『銀河鉄道の夜』……。あの名作たちが教える「人生の気づき」とは? 賢治にとって「幸せ」とは何だったのか? 波乱の生涯を追い、作品の本質をピンポイントで解説します。その全てが一冊でわかる、再入門の書。
サルトル『実存主義とは何か』(読み解き:海老坂 武)
争いと不平等に満ちた21世紀の世界を、サルトルはどう見ただろうか?
第二次大戦終戦直後のパリで行われた講演をまとめた『実存主義とは何か』は、私たちが自由でなければならないことの意味と、思索し続けることの意義を、未来への希望とともに語りかけます。そこに込められたサルトル哲学の本質を、代表作『嘔吐』や盟友ボーヴォワールとの仕事や関係にも触れながら、混迷を深める21世紀世界にこそ必要な視座として、わかりやすく提示します。
集中講義 ドストエフスキー(解説:亀山郁夫)
難解で長大な世界文学の金字塔をていねいに解説した、読む集中講義。
世界中の作家のみならず、村上春樹や平野啓一郎など日本の現代作家にも影響を与えたロシアの大作家・ドストエフスキー。彼の生誕200年にあたる年に「100分de名著」で取り上げた『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』に『悪霊』『白痴』『未成年』の三作品の書き下ろし解説を加えました。
著者の亀山郁夫さんは、これらの五大長編のうち、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』『白痴』の新訳を手掛けており、時代背景や登場人物に投影された作者の思いを詳説、人物相関図や物語の流れを示した表などを駆使しながら、難解な物語をクリアに解説していきます。
カフカ『変身』(読み解き:川島 隆)
「朝目を覚ますと、自分が虫けらに変わっていた」――これって、もしかして私のこと?
主人公が「虫」になる小説の何がそんなにすごいのか? 2012年のテキスト刊行時は「自分を知るための鏡」として『変身』を紹介した著者ですが、ポストコロナの現状を踏まえ、この作品は「個の孤立」だけでなく「家族の孤立」として読むことも可能だと説きます。
そこで書き下ろしの「ブックス特別章」では、ヤングケアラー、ビジネスケアラーの問題とからめた読み解きを試みます。カフカが遺したノートに「自分にあるのは人間的弱さだけ。だが、それは見方によっては巨大な力となる」という言葉があります。カフカ没後から100年、不安と孤独を抱える人が多い今、個の弱さを知ることで人と人とのつながりの大切さを考える「介護小説」として読み直します。
今回ご紹介した「名著」読み解きのためのNHK「100分de名著」シリーズは、全国の書店およびNHK出版のホームページからご確認いただけます。
2025年7月現在、抽選でオリジナル図書カードがもらえる&応募者全員が電子書籍が読めるなど、各種イベント盛りだくさんのNHK「100分de名著」シリーズフェアが全国の書店で開催中です。