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バガスとは? サトウキビの絞りカスが大活躍

TBSラジオ

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今後エコな環境作りに活躍が期待される資源「バガス」についてです。
バガスとは何か、またどんな取り組みが行われているのか、
Curelabo株式会社 山本直人さんのお話しです。

バガス!?

株式会社アサヒコ 代表 池田 未央さん

バガスはサトウキビの製糖時に発生する搾りカスのことを言います。その搾りかすのバガス自体が工場稼働させるボイラーの燃焼燃料とかにはされてはいるんですけど、なかなか使い切れないという課題があって、その中でバガス自体が90%弱ぐらい、食物繊維セルロース分でできてるということを確認できたので、セルロースを紙にすることっていうのは原料的に可能なので、バガスを一部活用した紙の意図と、いうものを作ったという流れになっております。
デニム生地の横糸にですね、その上の糸を使っております。ジーンズっていうもの自体は、製品寿命が長くですね、アパレル産業の課題であります大量廃棄とか、そういったものを解決する一つの手段だということで、その糸を使って環境負荷が軽減するようなもの作りということで、デニム生地であったり、ジーンズというものを今作らせていただいております。

・沖縄に本社を構えるこちらの企業。もともと、観光産業が成長する沖縄で、どうしてもないがしろになってしまう一次産業を守りたい、その中でも沖縄の象徴的風景、サトウキビ畑を残すためにと始まった事業。
・実はサトウキビは世界で一番作られている農作物ではないか、と言われていて世界中で毎年約19億トン生産されており、山本さん曰く、これはトウモロコシの12億トン、小麦のおよそ9億トン、お米の4億トンをも上回っているそう。
・バガスだけでも世界で5億トン。これをボイラーの燃料などにしているものの、使いきれない場合は廃棄となるため、そこに着目し、食物繊維から成っている特性を生かし、紙製の糸を作って、それを使ってデニムを作り始めた。
・今では沖縄の店舗だけでなくECサイトなどでも全国発売。この事業をきっかけに、この技術を他の食物残渣のアップサイクルなどにも応用してエコな取り組みを続けているとのこと。

同じく早い段階からこの「バガス」に注目し、エコな取り組みを続けている企業がありました。
老舗の食品パッケージ企業 株式会社 折兼 服部 貞典さんのお話しです。

CO2削減

株式会社 折兼 服部 貞典さんのお話し

バガスと竹害になる竹であったりとか、麦藁を混ぜ合わせて、食品パッケージを作ってますきっかけは10年ちょっと前になるんですが、弊社の社長がですね、瀬戸内海で釣り船をした時に、一番最初に釣れたのが、レジ袋だったっていうことで、非常に衝撃的な現状でしたので、これではいけないということで、環境に配慮したパッケージを作っていこうと思ったのが、きっかけです。
プラスチックからバガス容器に変えていただくことによって、CO2の排出量自体は80%以上削減することができますので、バランスに変えるだけでも大きな効果かなというふうに思ってますし、弁当もちょっと前までやはりプラスチックの容器で販売されてましたが、大体マイナス20度で割れてしまったりとか、電子レンジであったときに110度から120度で溶けてしまったり変形したりするんですが、バガス容器は体感マイナス40℃、耐熱もう200℃までいけますので、安心してお使いいただける。というメリットがあると聞いてます。

・BtoBのこちらの企業は、バガス、そして竹と麦わらなどを使ったカレー容器やお弁当容器などの食品パッケージを作っている。
・日本よりも先行してアメリカやヨーロッパの方では、バス素材の容器が多く普及しているとの事で、折兼は国内では早い段階からバガスに注目し容器に取り入れ、今では昔に比べると多くの企業がバガス容器を使ってくれているそう。
・よくイベントなどがある時のフードトラックなどでも活用されており、ツルツルとしたプラスチックの素材よりも、表面がざらっとしているので滑らせてこぼすようなことも発生しにくいなど、意外な所でのメリットもあるそう。
・プラスチック容器からバガス容器にかえるだけで80%以上CO2が削減できると言う事で、もっとバガス容器を広めるべく、啓発活動も地道に行っているそうですが、課題もあるそうです。

再び服部さんのお話しです。

株式会社 折兼 服部 貞典さん

特にプラスチックの容器を大量にやっぱ使ってらっしゃるスーパーマーケットさんであったりとか、コンビニエンスさんがまだ使われてないんですよね。プラスチックの素晴らしいところって、生産性がすごくいいんで、すごく安いんですよね。ですけれど、バガス容器に関してはプラスチックと同じ生産性にはどうしてもなりませんのでどうしてもコストアップになってしまいます。まあ1.5から2倍ぐらい変わるものがあります。
消費者の方々の理解っていうものも、どうしても必要かなというふうに思ってプラスチックはリサイクルに回すことができますので、やはり正しく処分することが必要ですし、あとバガスに関しては、燃えるゴミとして燃やしちゃうことも簡単にできるんですけれども肥料などですね、再資源化するっていうようなところも取り組んでいきたいなというふうに考えております。

社会の意識は変わりつつあるが、どうしてもコスト面を下げることが難しい。スーパーやコンビニでも使ってもらえるように今後取り組みをすすめていきたいとのことでした。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)

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