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【は?】TikTokのAIが舐めたこと言ってきたから、言われた通りに編集してみた結果 → 思想の違いを感じた

ロケットニュース24

Xともインスタグラムとも違うクラスタを生み出しているTikTok。SNSが飽和する現代日本において新たな界隈を作ったという意味では、後発SNSが成し得なかったことを成し遂げた存在とも言える。

私(中澤)は結構前からTikTokをやっていてフォロワーも4400人くらいいるんだけど、久しぶりにTikTokに投稿してみたところ、投稿動画にAIがアドバイスをしてきていることに気づいた。そこで詳細を読んでみたところ……は?

・インサイト画面

投稿する人しか知らないと思うけど、TikTokには投稿した動画に対してのインサイトを見る画面がある。視聴数、動画をフル視聴したパーセンテージ、視聴継続率、視聴者の種類(男女のパーセンテージ、年齢、国など)、どこから来たかなどをひと目で確認できるのだ。

今や、YouTubeとか他のSNSでも常備されているインサイト画面だけど、TikTokのインサイト画面ってひと際見やすいと思う。細かい情報まである割にシンプルで分かりやすい。

・AIのアドバイス

で、AIのアドバイスが表示されているのはそのインサイト画面の概要欄の1番上。『クリエイターアシスタント』という項目で、まるでTikTokに「最初に読んで!」と言われているかのようである。その分かりやすさでもって表示された内容が以下の通りだった。

「コメント率3.44%と高いので、「ドラクエ好きな人はどんな場所に行きたい?」と質問するとさらに盛り上がります。いいね率2.67%を活かし、旅先の美しい瞬間をもっとアップ close-up で見せるといいですよ!」

──「さらに盛り上がります」ってめっちゃ言いきってくるやん。で、その方法は「ドラクエ好きな人はどんな場所に行きたい?」と質問することなのだそうな。確かに、イギリスに行った際に訪れたアンバーリー城の動画に「ドラクエすぎる町」というタイトルをつけただけで質問とかは書いてないけど、う~む……。

・盛り上がるかなあ?

質問のノリがNHKの教育番組みたいである。こちとらほとんどの動画において、35~50代男性が視聴者層の約80%を占めているアカウントぞ。インサイトに表示されてるんだから知ってるはずだよな? クリエイターアシスタントよ。

ダイヤルアップから始まり、光回線の速度に感動し、mixiでの内輪の盛り上がりを船出として、iPhoneのビッグバンから様々なSNSの宇宙を渡ってきた歴戦のお友達が、『おかあさんといっしょ』みたいな質問を求めていると言うのか。

そんな純粋さはとうの昔に置いてきた。だが、それゆえに私の曇りきった眼(まなこ)には見えてないものも死ぬほどあるとも思う。ひょっとしたら、TikTokのAIはその先を見ているのかもしれない。そこで一回言われた通りに編集してみることにした。

・そのままのコメントを入れてみた

TikTokは投稿後7日間なら、説明文とカバーを編集することができる。そこでタグと城の情報くらいしか入れてなかった説明文コメントに「ドラクエ好きな人はどんな場所に行きたい?」とアドバイスそのままに入力して保存してみた。

投稿を開いても投稿主コメントに反映されており、新たにコメントをつけるより目立っている。はたしてバズるのか? 1週間くらい様子を見た結果……

変わらねえええええ! まず一番分かりやすい判断基準として再生数。比較対象として、前後でAI完全無視の内容だけ似ている動画を投稿したのだけど、どれも再生数にあまり差がない。なんなら何にもしてない動画の方が伸びてるくらいだ

・変化

続いて、編集した動画のコメントを見ると、2人くらいは質問に答えてくれているっぽい人がいた。しかし、他の動画と比べて盛り上がってるかと言うと、コメント数自体はそんなに変わらない。バズっているかどうかという観点で見るとハッキリ言ってバズってない

ただ1つ、変化を感じたのは視聴者層。他の動画は18-24歳が6%とか9%なのに、編集した動画だけ15%になっていた。私のTikTokにおいてこの層が二桁なのは結構珍しい。たまたまなのか質問効果なのかは分からないけれど、純粋な質問が入ることによって純粋な人が来た可能性はなきにしもあらずだと思う。

目に見えて劇的な効果が出るというわけではないものの、ちょっとした盲点に気づくことはできたかもしれない。最初読んだ時は「舐めてる?」と思うくらいぬるいアドバイスに感じたけど、意外と客観性ってそういうものなのかもな。

・感じた思想の違い

効果があったとはいまいち言い切れないTikTokのクリエイターアシスタント。「前からこんなのあったかなあ?」と投稿を遡ったところ、2025年2月下旬の投稿からアドバイスが始まっていた。

現状、インサイトはあっても、より人を惹きつける動画を作るためのヒントをAIが出してくるというのはTikTokだけ。その機能は、動画作りのビリーズブートキャンプみたいである

バズることに向けて、褒められながらトレーニングしているような機能に他のSNSとの思想の違いを強く感じた。他のSNSが一応日常に立脚して進んできたのに対し、TikTokの根本に流れる精神はスポーツなのかもしれない。一体、何を作ろうとしているのか。そんなTikTokを今後も見守っていきたい。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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