犬が飼い主を『ペロペロ舐める』心理4選 舐めてくる場所やシチュエーションごとの理由まで解説
犬が飼い主を『ペロペロ舐める』心理とは?
愛犬がペロペロと舐めてくれるのは、くすぐったいものの嬉しい気持ちが勝りますよね。実際のところ、どのような心理が隠されているのでしょうか?
1.甘えたい
まず考えられるのは、愛情表現として舐めるということでしょう。「甘えたい」「遊んでほしい」「大好き!」などポジティブな気持ちからペロペロしているのです。ときには『もういいよ!』と制止するほど舐め続けるワンコもいます。
このときの犬は目がキラキラと輝き、口角の上がった笑顔のような表情をしていることが多いもの。優しく受け止めて『ありがとう』と声に出して気持ちを伝えてあげてください。愛犬もきっと喜びますよ。
2.おねだりしている
犬は何かを要求しているときにも飼い主さんを舐めることがあります。「ごはんを食べたい」「散歩に行きたい」「構ってほしい」など何かしらのおねだりを含んでいます。
犬に時間の認識はありませんが、ルーティンを学習する動物です。おおよそのごはんや散歩の時間になると「そろそろだ!」と思い催促してくるのです。
要求に応えてしまうと要求が通るまで舐め続ける…などエスカレートすることもあります。その場合はしつけのためにも、いったんその場から離れるなどの対応をとりましょう。
3.良い匂いがする
飼い主さんから良い匂いがするから、という分かりやすい理由で匂いの出所を探ろうとあちこちペロペロすることもあります。
犬は嗅覚が大変優れているため、わたしたちでは感じないようなわずかな匂いも察知します。飼い主さんの口周りを舐めるのであれば、やはりそこから匂いがするのでしょう。美味しい匂いをお裾分けしてほしいと思っているのです。
4.落ち着いてほしい
これまでは飼い主さんを舐める理由がポジティブなものでしたが、反対にネガティブな理由で舐めることもあります。
愛犬を叱っているときにあなたの体の一部をペロペロすることはありませんか?これは「もうやめて」「落ち着いて」という愛犬からのサインです。
このような状況のときは、叱るのを止めた方が良いでしょう。このサインが見られた時点で相当なストレスを感じています。愛犬の気持ちを尊重してあげてください。
舐める場所やシチュエーションで意味が異なる?
犬が飼い主さんを舐める主な理由を解説しました。では、舐める場所や状況でその意味合いは変わってくるのでしょうか。詳しくご紹介します。
顔や口元
犬が飼い主さんの顔や口元を舐めるのは『敬愛』『親愛』からくる行動です。信頼しているリーダーであるあなたのことが大好きであり、敬意を示すとともに甘えたいという気持ちもあるのでしょう。
もう一つ考えられるのは、ごはんの催促です。子犬はお腹が空くと母犬の口元をペロペロしごはんをねだります。その名残から口元を舐めるワンコもいます。
手
飼い主さんの手を舐める理由は「撫でてほしい」「匂いが気になる」「ストレスを感じている」など多岐に渡ります。犬の本能的理由もあればポジティブ・ネガティブ両方の可能性も考えられます。
手を舐めてきた前後のシチュエーションや愛犬の表情などをよく観察し、見極めることが必要です。
足
犬は飼い主さんと遊びたいときに足を舐めることがあります。足を舐められるとくすぐったくて笑ってしまいますよね。そんな楽しそうな飼い主さんを見て嬉しくなりわざと舐めるのです。
また、飼い主さんの足の匂いが好きで舐めることもよくあります。ただ人間の足には雑菌も繁殖しているため、長時間舐めさせることは控えたほうが良いでしょう。
耳や鼻
飼い主さんの耳や鼻を執拗に舐める犬は「しょっぱくて美味しい!」と思っています。犬は塩分を含む味を好みます。耳の中の匂いや鼻水、汗などに反応して舐めとろうとしているのです。
まとめ
犬が飼い主さんを舐めるのにはさまざまな理由があります。中には意外な理由もあったのではないでしょうか。あなたの愛犬にも思い当たる行動はありましたか?
さらに舐める部位によっても意味合いが変わってきます。部位によってメッセージが異なるのは興味深いですよね。これからは愛犬の行動をよく観察してみると面白いかもしれません。
(獣医師監修:葛野宗)