ハワイ到着の航空機の車輪格納部から遺体発見 過酷な環境で8時間41分のフライト(米)
クリスマスイブの24日、米イリノイ州シカゴを出発し、ハワイのマウイ島に到着したユナイテッド航空202便の車輪格納部から遺体が発見された。フライト時間は8時間41分で、過酷な環境に耐えられなかったと推測されている。米ニュースメディア『CBS News』などが報じた。
【画像】ボーイング787型機の車輪格納部のイメージ。旅客機に隠れて密航した者の77%以上が死亡している
ユナイテッド航空202便は、米イリノイ州のシカゴ・オヘア国際空港を現地時間24日午前9時31分に離陸し、予定より34分早い午後2時12分にマウイ島カフルイ空港に到着した。
米フライト追跡サイト『FlightAware』によると、同機はこれより前、ブラジルのサンパウロを出発し、シカゴ・オヘア国際空港に到着。そして同空港に約4時間半滞在後、マウイ島へ向けて離陸した。
ユナイテッド航空は声明で、ボーイング787-10型機の車輪格納部から遺体が発見されたことを認め、「車輪格納部には機外からしかアクセスできません。現時点では、その人物がいつ、どのように侵入したか不明です」と発表し、当局と協力して調査を進めていることを明かした。
一方、マウイ警察を含む地元当局は、ハワイのニュースメディア『Hawaii News Now』の取材に対し、「故人に関する調査を積極的に進めている」と述べる一方で、詳細については明らかにしていない。
今回の件では密航の可能性も示唆されているが、米連邦航空局(FAA)によると、旅客機に隠れて密航した者の77%以上が死亡しているという。多くの航空機の車輪の格納部は車のトランクよりも狭いため、車輪格納時に押しつぶされる危険がある。また、飛行高度の上昇にともない、酸素が薄くなるため意識を保つことが難しくなり、さらに凍傷や低体温症を起こして最悪の場合凍死することがある。
しかしながら例外的な事例も報告されており、米ニュースメディア『The New York Times』は2022年11月、ケニア出身の22歳の男が南アフリカのヨハネスブルグからオランダのアムステルダム・スキポール空港までの11時間を貨物機の前輪格納部で過ごし、生きて発見されたと報じた。また、2021年にはアメリカン航空の車輪格納部で、26歳の男が母国グアテマラから米フロリダ州マイアミへの約2時間半のフライトで生還していた。
画像は『Hawaii News Now 「Body discovered in wheel well of plane at Maui airport」』『Aviation metric 「Man dies, body found in Amsterdam bound plane nose wheel」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)