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【グッと!地球便】カナダ・バンクーバー ブレイキンダンサーとして、シングルマザーとして奮闘する娘へ届ける家族の想い

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【グッと!地球便】カナダ・バンクーバー ブレイキンダンサーとして、シングルマザーとして奮闘する娘へ届ける家族の想い

今回の配達先は、カナダのバンクーバー。ここでブレイキンダンサーとして活躍する嶋田桃子さん(39)へ、東京都で暮らす父・悦司さん(77)、兄・耕平さん(41)が届けたおもいとは―。

39歳の今も現役の実力者「若い人とは違う表現の仕方がある」

パリオリンピックの種目にもなったダンススポーツ「ブレイキン」。桃子さんはこれまで数々の国内外の大会で優勝してきた実力者で、39歳の今も現役で活動している。いつも行動をともにする息子の遙人くん(6)も生まれたころから一緒に踊っていて、親子でダンスバトルをすることも。
桃子さんがバンクーバーへ渡ったのは2011年。その後、日本人男性と結婚したが、遙人くんが2歳の時に離婚し、以来シングルマザーとして子育てとプロダンサーの活動を両立している。40歳を前に年齢を感じることもあるが、「単純に見た目が派手な技イコール勝てるというわけではないので、若い人と同じじゃなくても違う表現の仕方がある。自分がどういう風に自分を表現するかが一番大事だと思うし、それが一番楽しい」とブレイキンの魅力を語る。この明後日には、バンクーバー最大のダンス大会の出場が控えていた。

ダンスとの最初の出会いは、小学1年生で始めたクラッシックバレエ。そして早稲田大学に入学したときに偶然ブレイキンを知り、卒業後はダンスを続けながら鍼灸指圧師の専門学校へ。その就職先に、たまたまバンクーバーでのインターンという選択肢があった。お金が稼げて、英語が学べて、ダンスの練習場所もあるからとバンクーバーへ渡ると、時間と土地と気持ちに余裕がある風土が心地よく、当初は1年の予定でやってきたこの地で生きていこうと決意したのだった。

男女混合で年齢制限もないダンスバトルに6歳の息子と参戦

バンクーバー最大のストリートダンス大会では、ブレイキンをはじめ様々なジャンルのダンスバトルが行われる。桃子さんがエントリーしたダンスバトルは男女混合で年齢制限もなし。そのため、6歳の遙人くんも同じバトルに出場する。予選では1人ずつ、DJがその場で流す音楽に合わせて即興で50秒間ダンスを披露。審査は技の派手さだけでなく、その踊り手ならではの独創性や音楽へのアプローチも重視されるという。
いよいよ出番を迎えた桃子さんは、バレエで培った柔軟性とダイナミックな動きを取り入れた独創的なスタイルを武器に、フロアで躍動する。一方、大人たちに交じって登場した遙人くんは会場を沸かせるも、1次で敗退。悔し涙を流した。
その後、桃子さんは2次予選に進出し、次は1対1のバトルに挑む。対戦相手は最近多くの大会で優勝している手ごわいダンサー。果たして結果は…。

桃子さんは6人きょうだいで、大家族に囲まれ賑やかに育った。人数が多いので両親からプレゼントをもらう習慣はなかったが、母はそれぞれの誕生日には好きな料理を作ってくれたそう。父は仕事で忙しい中でも子どもの面倒をよく見てくれたといい、口数は少ないが、子どもがやりたいと決めたことには反対せず、背中を押してくれる人だったという。

現地での娘の姿に、父・悦司さんは、「頑張ってるなって感じですね」と目を細める。実は、普段はきょうだい6人の間でも特に近況を報告し合うことはないそうで、兄で二男の耕平さんも妹がカナダに行ったことをSNSで知ったとか。だが、「連絡がないのは元気でやってる証拠。何かあれば連絡が来るだろうし、そのときには助けてあげようと思います」といい、今の暮らしぶりを見て安心する。

ブレイキンに子育てに、日々奮闘する娘へ家族からの届け物は―

バンクーバーに渡って13年。ブレイキンダンサーとして活躍しながら、シングルマザーとして子育てに日々奮闘する桃子さんへ、日本の家族からの届け物はダンス用のウエア一式。そこには、全員で集まることが滅多にない家族みんなからの寄せ書きも添えられていた。悦司さんからは「自主、自立、奮闘」、耕平さんからは「やりたいことを諦めず、今でもやり続けてる、そんな桃を応援してます!」というメッセージが。涙を浮かべながらそれぞれの想いを読んだ桃子さんは「自分の生き方を見て、こういう風に何かを感じてくれたりとか、応援してもらえてるのっていうのはうれしいですね」と感激する。そして「早速使います」と、新しいウエアを着てポーズを決めるのだった。

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