金正恩総書記の脚本による映画「72時間」、国民的俳優・内藤剛志は何に期待する?
野村邦丸アナウンサーが大将を務める「くにまる食堂」(文化放送・毎週月~金曜9時~13時)。1月9日(木)の最初のコーナー「ニュース一番出汁」では、邦丸アナとパートナーで俳優の内藤剛志が、北朝鮮の金正恩総書記が制作に関わった映画「72時間」について意見を交わした。
野村邦丸アナ「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が、台本の執筆や演技指導を手がけた新作のプロパガンダ映画『72時間』が、きのうまでに国営の朝鮮中央テレビで放映されました。前後編合わせておよそ4時間に及ぶこの映画は、武勇伝だけでなく、軍指揮官らの反省点に焦点を当てた異色の作品。神格化されてきた金日成主席を俳優が演じた他、恋慕う若い男女が、スキンシップをする描写などが盛り込まれている点も異例ということです」
内藤剛志「ほお~っ!」
邦丸「これ、俳優である内藤さんにも伺いたいんですが、北朝鮮のプロバガンダ映画『72時間』というタイトルの映画、前後編あわせておよそ4時間!」
内藤「恋だとか、そういうものを取り扱っているということで、作品を観ていないので雑な感想ですけどハードルが少しずつ下がって来たのかな~っていう気はしますね。あれもダメこれもダメっていうところからは少しずつ変わりつつあると」
邦丸「金正恩さんのお父さんの金日成さんは大の寅さんファンだったっていうことでもあるし、日本映画とか日本のドラマとかを観ている方もいらっしゃると思うんで。ましてやプロパガンダですから政府の広報作品なんかは誰も観ない……でも観ないと怒られる国なんでしょうけど」
内藤「ドラマの力、演劇の力ってやっぱり大きいですからね。色んな意味を含めてですが、言葉で伝えるよりももっと伝わるっていう気がしますよ」
邦丸「昔から軍当局が映画とか作って、広報に使ったっていうのは影響力大ですよね」
内藤「日本もそうだったわけですからね、戦時中なんかは」
邦丸「でも4時間ですよ!」
内藤「『ゴッドファーザー』より長いですね。『ゴッドファーザー』はほぼ3時間。だから休憩(インターミッション)が無いと無理ですね、トイレタイムが無いと。だから思うのは、いいたいことがたくさんおありなんだなって気がしますよ、4時間で作るのは。まとまらなかったんだなって。それだけたくさん言葉が欲しかったんだろうし」
邦丸「武勇伝はもちろんあると。『総書記が国民を指導したんだ』と。そりゃあるんでしょうけど、スキンシップをする男女の描写って、どの程度までですかね? ハグぐらいなのかな~。あるいは頬と頬をすり合わすみたいな」
内藤「いいんじゃないですかね、それは。色んな考え方があると思うけど、男女の愛だとか親子の愛っていうのは、日本ともあんまり変わらないと僕思うんですけどねえ。その中にいる人間の愛っていうものは、どの国のものでも感動できるっていうのは、人間ならば大体こう思うよなっていうのはあると思うから、チューはどうだっていうわけじゃないですけど、そうなっても不思議じゃないような気がします。それと国の方針とはまた別だと思いますから。人間らしくあって欲しいです!」