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リファラル採用とは?介護施設で実施するメリット・デメリットを社労士が解説します!

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リファラル採用とは?介護施設で実施するメリット・デメリットを社労士が解説します!

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本日のお悩み:リファラル採用って何ですか?メリットは?

介護施設の人事担当をしています。 介護業界は採用も難しければ、離職してしまう職員も一定数おり、人材の確保に苦戦しています。

そんななか、他社の採用方法を調べた際に「リファラル採用」というものを目にしました。 ざっくり友人やご家族を紹介していただくものなのかなと思っていますが、リファラル採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

リファラル採用は「紹介採用」「社員推薦制度」

執筆者/専門家

山本 武尊

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/23

こんにちは。いつもご覧くださり誠にありがとうございます。

介護業界特化型の社会保険労務士として、これまで介護施設・介護事業所(以下介護施設等)の人材採用や定着支援に携わってきました。本稿では、最近注目されている「リファラル採用」について、介護施設等の皆さんに向けてわかりやすく解説し、導入にあたってのポイントをお伝えいたします。

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、現在働いている職員に友人や知人、家族を紹介してもらい、その紹介を通じて採用活動を行う方法です。「紹介採用」「社員推薦制度」などとも呼ばれ、欧米では一般的な採用手法ですが、近年は日本でも人材不足の深刻化により、多くの企業が導入しています。

「採用担当者が求人を出して応募を待つ」時代から、「良い人材を信頼できる人から直接紹介してもらう」時代に変わりつつあるのです。

なぜ介護施設にリファラル採用が必要なのか?

介護業界は、どの事業所も「採用が難しい」「採用してもすぐに辞めてしまう」といった共通の課題を抱えています。これは介護業界特有の労働条件や社会的評価、体力・精神的負荷の高さに加え、「現場を知らない人が採用活動をしている」ことも原因のひとつだと感じています。

そこで注目したいのが、現場職員の「リアルなつながり」を活かしたリファラル採用です。

リファラル採用のメリット

では、リファラル採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。リファラル採用のメリットは以下の通りです。

1.ミスマッチが減る
2.採用コストの削減
3.定着率が高い
4.職員のエンゲージメントが高まる

1.ミスマッチが減る

紹介者(現職員)が事前に仕事の内容や職場の雰囲気を被紹介者(求職者)に伝えてくれていることが多いため、入職前後のギャップが少なく働き始めてから後悔するといった状況が生じづらくなるでしょう。

2.採用コストの削減

求人広告や紹介会社に支払う費用と比べて、リファラル採用は職員の紹介による採用のため、圧倒的にコストを削減することができます。

3.定着率が高い

前述した通り、入職前後のギャップが少ないため定着率も高い傾向があります。
また、紹介者という友人がいる安心感や期待感も、離職率の低下につながっているでしょう。

4.職員のエンゲージメントが高まる

リファラル採用を導入することで、職員が「この施設を他人に薦めたいか?」という目線で、運営側が自施設を見つめ直すきっかけになります。

その結果、紹介したい施設を作る=エンゲージメントの高い施設になるといった循環が生まれ、既存職員の定着率向上などにも繋げることができるでしょう。

リファラル採用のデメリット(導入時の注意点)

一方で、リファラル採用には導入時のデメリット(注意点)もあります。主なデメリットは以下の通りです。

1.紹介ばかりに頼ると偏りが出る
2.職員にプレッシャーとなる可能性がある
3.紹介者との関係性トラブルの懸念

1.紹介ばかりに頼ると偏りが出る

職員間の紹介が多い施設は、エンゲージメントの高い施設であると言えますが、同じような価値観・属性の人材ばかりが集まるという観点では、多様性が損なわれる可能性もあります。

新しい視点や価値観を取り入れる姿勢も忘れず、求人サイト・紹介サイト経由での採用等も併用していけるとよいでしょう。

2.職員にプレッシャーとなる可能性がある

職員に対して「紹介を増やせ!」と圧をかけることは、逆効果です。リファラル採用を行う際は、あくまで自発的な紹介が発生するような施設運営を心がけましょう。

3.紹介者との関係性トラブルの懸念

紹介された方が早期離職してしまった場合、紹介者(現職員)との関係性悪化などが懸念されます。紹介者(現職員)にはあくまで、応募者の合否や離職などの影響が出ないよう、運営体制を整えていく必要があるでしょう。

リファラル採用成功の4つのポイント

リファラル採用成功のポイントは以下の4つです。

1.従業員への周知と協力体制の構築
2.インセンティブの設定
3.社内環境の整備
4.紹介したくなる職場づくり

特に、職員が「友人に自信を持って紹介できる」と思えるような働きやすい職場環境を整えることは従業員の満足度向上に繋がり、そこから介護の質の向上、利用者さんの満足度向上といったよい循環に繋がるでしょう。

最後に:紹介とは「信頼の連鎖」

出典:https://mynavi-iryofukushi.jp/media

リファラル採用は、単なる採用手法ではなく、「信頼の連鎖」が生み出す採用文化です。今後、介護業界で働く人材の確保がますます難しくなる中で、「信頼」による採用のあり方は、施設経営における新たな可能性となるはずです。

「紹介したいと思える職場」を目指してまずは小さく始めてみませんか。その一歩が、すべてのスタートラインになります。

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