伊勢湾のウタセマダイ釣りで本命9匹&ハマチ4匹を手中【愛知】ウタセエビの刺し方が釣果のカギ
秋のこの時期に皆さんにお勧めしたい釣りが、伊勢湾の伝統釣法であるウタセマダイ釣り。伊勢湾で採れる生きたウタセエビをまきエサとさしエサに使うので、マダイだけではなくこの海域に生息している魚なら何でも狙えるぜいたくな釣りだ。そこで、10月3日にベテラン釣り師の三浦さんと愛知県・南知多町師崎の荒ます釣船のウタセマダイ便に乗船した。
荒ます釣船でウタセマダイ
当日の乗船者は9人。三浦さんが左舷トモ、私がトモから2番目で、午前6時に出船した。ポイントまでは約30分。タックルは、シマノ海明30‐240にフォースマスター601の組み合わせ。ラインはPEライン2号、リーダーフロロカーボンライン7号5mで、ハリス6号1.8m、ウタセマダイバリ11号の自作胴つき3本バリだ。
ポイントに到着するとアンカーが打たれて、生きたウタセエビが配られる。船が安定すると、船長から「水深は28m。後ろの人はオモリ20号で、前の人はだんだんと重くして開始して」と指示が出る。
この釣りはエサの付け方がキモ。ちょうど良い大きさの生きたウタセエビを選び、口からハリを刺し脳天を直撃しないようにツノの付け根にハリ先をちょっと出し、海中で元気よく泳げるように刺す。
私はオモリを30号に捨てイトを1mで仕掛けを投入。イトが船下に入って少し釣りにくい潮の流れで、少しずつ送り込むがアタリは出ない。しばらくすると大ドモでサオが曲がるのが見えて船長がタモ入れ。良型のマダイが上がったようだ。
本命の三段引きを楽しむ
しかし、それ以外は渋い状況なので40分ほどたったころ、15分ほどかけて移動。ここの水深は23mで、船長が左舷側でウタセエビをまいてくれる。ここもイトが船下に入り込むが、誘いをかけながら20mほど送り込んで回収するとエサが全てなくなっている。
そこで、一番下のハリのエサだけがなくなるように、捨てイトの長さを調整する。しばらくすると、ココンとアタリが出た。軽くアワせると、ククンククンと穂先がたたかれた。俗に三段引きといわれるマダイ特有の引きを楽しみながら、小型ながら本命をゲット。
サイズアップを狙うべく再投入するとすぐにアタリが出たが、引きが少し違う。巻き上げてきたらサバフグでガックリ。ハリスを点検し、エサを付け直して投入。同じようなアタリが出たが、すぐに軽くなった。回収するとハリがない。
以降はサバフグの猛攻を受け、エサの消耗が激しくハリス切れが続く。周りも同じような状況なので、船長たまらず場所移動。
ハマチも登場
次の場所では、ようやくイトが左前方に流れていくようになり、釣りやすくなってきた。
ここでは早々に三浦さんが本命ゲット。私も送り込んでいくと、少しイトフケが出た。アレッと思いアワせるとキュキュンという強い引き。慎重に巻き上げると今度は横っ走り。上がってきたのはハマチで、船長がタモですくってくれた。
しばらく小ダイとハマチが遊んでくれたが、またもやサバフグが来襲で移動。当日はこの繰り返しで午後1時の終了を迎えた。私の釣果はマダイ9匹とチダイ1匹、ハマチ4匹。三浦さんも同じような釣果だった。サイズは少し物足りないが、ウタセマダイの魅力は十分に楽しめた。
船中では50cm級のマダイやカンパチも上がっており、これから良型マダイや大型青物が期待できる。
<週刊つりニュース中部版APC・佐久間由郎/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年10月17日号に掲載された記事を再編集したものになります。