<妻の勘!夫が怪しい……>「急な仕事が入った!」挙動不審すぎる夫……もしや浮気?【まんが】
私(ユウコ)は夫のトシキと2人の息子と暮らしています。トシキは高校の同級生でした。当時はそれほど親しくはありませんでしたが、卒業後に再会してから付き合い、結婚して現在に至ります。共通の知り合いも多く気心が知れていて、互いに何でも言いあえる良きパートナーです。ただ、トシキは「優しい」と言えば聞こえがいいですが、優柔不断で誰にでもいい顔をするところがありました。そんな彼の性格が、今回の一件を引き寄せてしまったのです。
そんなある日、私は夫の異変に気が付くのです。トシキが仕事休みの土曜。遅い朝食を食べた後、突然トシキは出かける身支度をしはじめました。
トシキはやたら早口でしゃべり続けます。「取引先の社長が急に日程ずらしてくれとか言ってくるからさ~。これから会社行かなきゃなんだよ。打ち合わせのあとメシとか行かないとだしさ~。あ、打ち合わせ用の書類も準備しないとだから早く出ないとだよな~。そうだ! サンプルまだ会社に残っていたかな……」ゴニョゴニョとつぶやく様子を怪しく思いながら、私は笑顔で送り出します。「いってらっしゃーい」
まだ「怪しい」と感じただけで、何の確証もありません。本人に問いただすときは証拠をすべて揃えておいて、言い逃れできないくらいまで一気に追い詰めないと……。そう思っていました。しかしトシキは思ったより早く、夕方になる前に帰宅しました。
トシキは何やら挙動不審で、家のなかをウロウロしています。「何か落ち着きなくない?」「えぇ!? なんで? 全然? 全っ然フツーだよ?」そう返すトシキの声は明らかに動揺していました。
トシキは私に促されてお風呂に向かいました。まるで怪しい行動を隠すかのように、わざわざ自分のスマホを脱衣所まで持っていきました。しかし私はトシキのカバンを探り、パスケースを取り出します。
トシキとは高校の同級生だったこともあり、お互いに何でも遠慮なしに言い合える関係性です。とはいえ「怪しい」という気持ちを直球で夫へぶつけるほど、私も単純ではありません。ぶつける前に確実な証拠を押さえなければ。まずは夫がどこに行っていたかを探るため、私は最寄りの駅で乗車履歴を入手したのでした。A駅は隣の県の中心部の駅です。夫の仕事とはまったく縁のない場所なのに……? 私はこの証拠を握りしめ、帰路についたのでした。
※交通系ICカードの履歴確認方法は、カードによって異なります。
嘘をついてまで会いに行ったのは……親しい「オンナ」友達
印字された「A駅」の文字を見つめながら、私にはふと思い当たることがありました。高校時代トシキはよく、男女5~6人くらいのグループで過ごしていました。そのうちのひとり、マリエがA駅付近に住んでいるのです。マリエは高校時代、ずっとトシキのそばにベッタリくっついていました。当時の私は、2人が付き合っているのだろうと思っていたくらいです。
トシキにとってはただの友達のひとりだったかもしれないけれど、はたから見ればマリエがトシキに恋をしているのは一目瞭然でした。
トシキは笑いながら否定していましたが、高校時代のマリエはどう考えてもトシキのことが好きだったようにしか思えないのです。だから数年前に「今度マリエが結婚するんだって」と聞かされたとき、どこかホッとしている自分がいました。ただトシキは結婚後も変わらず友人のひとりとしてマリエとの交流を続けています。今日の慌てたトシキの様子には、おそらくマリエが関わっている……。私はそう直感したのです。
高校時代のマリエはおそらくトシキのことが好きでした。ただトシキは私と結婚しましたし、大人になってからはマリエがどう思っていたのかは分かりません。そんなマリエも数年前に10才年上の旦那さんと結婚したという話は聞いていたのですが……。私に嘘をついてまでマリエに会いに行っていたトシキ。その事実をごまかそうとした時点でやましい気持ちがあったことは確実ではないでしょうか? 私はしっかりとその理由を聞きたいと思っています。
※交通系ICカードの履歴確認方法は、カードによって異なります。
【夫の気持ち】女友達からのありえないお願いにドン引き!!
俺(トシキ)と妻のユウコは高校の同級生。高校時代はただのクラスメイトだったが、卒業してから再会して結婚し、今では2人の息子と暮らす夫婦だ。そして俺には高校時代から仲の良い「マリエ」という友達がいた。ユウコはマリエが俺に好意を持っていたと勘違いしていたけれど、男女の関係は一切なかったし恋愛対象として見たこともなかった。そんなマリエから突然連絡があったのは今朝のことだった。
朝イチでものすごい内容の連絡が入ってしまった。「会ってくれないなら、私、どうなるか分からないよ? トシキが連絡とった最後の人になるかも……」どうしたんだ? 俺は焦ってしまった。
マリエが住んでいるのは隣の県のA駅。会いに行くことはできるけれど……。高校時代に俺とマリエが付き合っていると勘違いしていたユウコは、その後もマリエとの仲を少し疑っているようだった。数年前にマリエが結婚すると伝えたとき、明らかにホッとしていたのだ。
ユウコに言えば、あまりいい気はしないだろう。ここは言わずに行った方がいいな。そう思った俺は内緒で出かけることにした。「取引先の社長が急に日程ずらしてくれとか言ってくるからさ~。これから会社行かなきゃなんだよ……」
俺はマリエとA駅そばのファミレスで落ち合った。久しぶりに会ったマリエは少し疲れた顔をしていた。「どうしたんだよ?」そう聞くとマリエは、待ってましたとばかりに話しはじめた。「実は……ケンジさんがモラハラ気味で……」「モ……モラハラ?」
マリエいわく、夫であるケンジさんから日々「モラハラ」とやらを受けているらしい。自分がどれだけ酷い扱いを受けているかを延々と話していた。しかし正直どうでもいい愚痴ばかりだった。早く帰りたい……。2時間も付き合っているとゲンナリしてきた。「そこまで嫌なら離婚したら?」「それはしないの」「……はぁ?」「そこでトシキにお願いがあるのよ」
マリエは大切な友達だし、困っているときは助けてあげたいと思っている。けれどユウコはどう思うだろうか……。そう思い、ユウコには内緒で問題を解決しようと俺はマリエの元へ向かった。でもこのときの考えが失敗だったと気が付くのは後になってからだった。マリエからのとんでもない相談に、俺はただただドン引きするばかり。マリエがケンジさんを嫌いならひとりで生きていく道を考えればいいはずなのに、どうして「俺の遺伝子が欲しい」という話に繋がるのかが全く分からなかった。
妻から疑いのまなざしを向けられ……バレた?
「私を助けると思って! ね? お願い!」「お前、こんなやつだったっけ……? 俺、帰るわ」そう言って席を立つと、マリエがすがるように俺の手をつかんでくる。「待ってよ!」「お前、自分が何をしているか分かってんの? 最低だぞ?」「……そう?」「モラハラをする方もいけないけれど、それと他の男の子どもを産むのは別問題だ!」
「もう連絡してくんな」強く言い放つと、俺はその場を立ち去った。けれど……帰宅してもユウコの顔を真っすぐ見ることができなかったのだった。
そのあとユウコの勧めで風呂に入ることになった。けれどユウコが何か疑っている気がする……。マリエからの連絡を見られると厄介だからスマホは近くに置いておこう。そう思って俺は脱衣所までスマホを持ってきていた。
財布の中にはマリエと会ったファミレスのレシートもないし、A駅まで行ったことはバレないはずだ。電車に乗るのもいまどきは交通系ICカードだし……。そのとき、俺はふと気づいた。俺の交通系ICカードを駅まで持っていけば、俺が今日どこの駅で降りたかが確認できてしまうのでは……?
俺は慌てて風呂から上がりカバンに入っているパスケースを取り出したが、すでに交通系ICカードはなくなっていた。すると家にいたはずのユウコが外から帰ってきた。俺の行動を不審に思ったユウコが、駅まで行って利用履歴を入手したのだろうというのはすぐに分かった。もっともマリエの言ったこと、やろうとしたことは最低だ。俺はマリエのことを心の底から軽蔑し、絶交宣言をしてきた。ユウコには正直に本当のことを話さなければいけないと思っている。
※交通系ICカードの履歴確認方法は、カードによって異なります。
【私の気持ち】嘘ついて女性と会う⇒アウト!信頼を取り戻す努力をして!
ある休日、トシキは突然「仕事」と言って出かけていきました。帰宅後も明らかに挙動不審なトシキを見て、私は「怪しい」と確信をしました。カバンから交通系ICカードを抜き取り利用履歴の印字をしてきた私は、トシキが隣の県のA駅に行っていたことを知ります。実はトシキは高校の同級生マリエに会いに行っていたのです。マリエは何を隠そう高校時代にトシキに好意を寄せていた人物で、大人になった今でも交流は続いていました。そしてトシキは突然呼び出され振り回された経緯を私に語ったのでした。
「もうマリエのことブロックもしたし!」トシキはマリエからの連絡手段はもうなくなったと言ってスマホ画面を見せてきました。しかし私の疑いは晴れません。「本当に話をしていただけ?」「本当だって!」「別に異性の友達がいても構わないし、連絡とることも気にしてない。でも『嘘をついて2人で会う』はアウト!!」
「正直、私はまだあなたの言った内容を100%信用しているわけじゃないから。信じてほしいならさ……。最初から信頼を失うような行動はしちゃいけないんだよ!!」
私は交通系ICカードの利用履歴を突きつけながら言います。「この紙みたいに、心の中を証拠として見せることはできないの! だから嘘をついたり、疑わしい行動をとったりしちゃいけないの」「で……でも、本当のことを言ったらユウコが不安に……」「結局バレてるんだから、その思いやりは意味ないんだよ!」
「これからのあなたの行動を、よーーーっく見ていますから」「はい……」トシキはその後、マリエとは一切連絡を取っていないようです。きっとこれから私の信頼をとり戻すべく行動してくれることでしょう。
トシキは自身の潔白を懸命に主張していましたが、正直何が本当なのかは分かりません。だって心の中を見ることはできないのですから……。だからこそ信頼を失わないために相手が疑ってしまうような行動をとってはいけないのだなと、今回の件で実感しました。マリエのことは共通の友人を通じ、今でも旦那さんと仲良く暮らしていると聞きました。まぁどうでもいいのですが。後々のことを考えても、マリエとトシキの縁が切れたいい機会だったと前向きに考えたいと思います。