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かつとじ定食900円!「夜10時まで通し営業」人気の定食屋…学生もおじちゃんも”常連客たくさん

SASARU

 ノスタルジックな店内に、子どもの頃食べたどこか懐かしいメニュー。いつまでも残したい老舗の味を紹介する北海道ランチ遺産。地下鉄東西線琴似駅のすぐそばにある赤ちょうちんが目印のお店で、ボリューム満点でコスパ最強の定食をみつけましたよ。

 今年で創業43年目を迎える「味覚のふきだまり 北むら」。居酒屋のような雰囲気ですが、のれんをくぐって中に入ると、昼間でも店内にはおいしそうに定食を食べるお客さんがいっぱい。

 午前11時半から夜10時までの通し営業で、お酒や本格的な料理を楽しむことができます。

 営業中はいつでも格安の定食メニューも味わえる、食堂としての顔も持っています。

 「週に2、3回来る。何を食べてもすごくおいしい」「2時とか3時でも空いているのですごい助かってます」と常連さん。

 厨房に立つのは、店主の村 等(むら ひとし)さん75歳です。みんなからマスターと呼ばれ親しまれています。

 いつも8時過ぎにお店に出て、仕入れに行って、またお店に。市場には夏は自転車で行くことが多いようですが、しょっちゅう転んでしまうのだそう。

 指を骨折しているのに気づかずに、「お客さんが待っているから」とお店を開けたこともあるそうです。

 お店の人気メニューのひとつは毎朝、中央卸売市場で仕入れてくる新鮮な魚。

 刺身の盛り合わせは1500円から。

 季節の野菜などを煮込んだ「ふきだまり煮 600円」。お店の名前もついたメニューです。

 特に夕方以降に人気。

 定食メニューは全部で8種類。

 そのほとんどがボリューム満点で900円というコスパの良さです。

 そんな定食の中から絶対食べるべきメニューを紹介。

 お魚かお肉の日替わり定食は、常連客から大人気。

 ショウガのきいただしで丁寧に煮たカレイの煮付けは、卵までしっかりと味が染みています。

 「下処理とかいろいろ丁寧にやっていると思うので、おいしい」と週に2、3回来るという女性。

 「週に1回。普通は日替わり定食を頼みます。(日替わりで)いろいろな日本の料理を食べました。おいしいです」という外国人も常連さんの一人です。

 寒い時期、女性に人気があるという「かに雑炊 900円」も定食の一つです。

 かにでだしをとった雑炊には、かにの身もたっぷり入ってとってもぜいたく!お酒の締めに頼む方も多いそうです。

 そして定食の一番人気は「かつとじ定食 900円」。

 サクサクに揚げた150gの大きなこだわりのカツ。煮込むのではなく、最後にだしをかけるかつとじ。お店の一番人気です。

 この日初めてお店に来たという野球部の高校生は…。

 「いつも帰り道に(店の前を)通っていて、ずっと気になっていた。きょうはせっかく(学校が)早く終わったので」
 「親がこれ帰り道じゃないの?って。(SNSで)かつとじが紹介されています」
 「サクサクでおいしいです」とすっかりお店を気に入ったようす。

 実は村さんも朝野球のチームに所属している野球好き。

 「(近くの)山の手高校の子だとか、学生のときに前を通ってすごく気になっていたと、大人になってから来てくれた人もいる」と村さん。

 いつ来ても、いつも同じ値段で味わえる。創業当時から変わらぬスタイルです。

 開店当初からずっと通し営業。

 「夜の仕込みは昼終わってからするので、どうせここにいるんだからとずっと開けっ放し」と話す村さん。

 終電に間に合わなくて歩いて家に帰ったこともあるのだそう。十数年前からは定休日を作って休んでいるそうですが、60歳の頃まで定休日なしで朝から夜まで営業していたんですって。

 人口関節を入れたり、頸椎の手術もして「体はボロボロ」という村さん。しかし、仕事にはあるこだわりがありました。

 村さんのこだわりその①「営業中は座らない」。お客さんがいなくても常に仕込みなど立ち続けます。

 なぜ座らないのか聞いてみると「座ると寝てしまう」と笑いながら答えてくれました。

 村さんのこだわり②は、定食に付く小鉢。

 これは、キャベツの芯をみそに漬け込んだもの。キャベツの芯に塩をして、みそに2日ほど漬けると、ほどよい塩梅に。

 「刺身のツマの大根の皮もとってある。きんぴらみたいにしたり、いろいろ考えて無駄にしないように使っている」とのこと。

 この日、お刺身用のヤリイカをさばいていても…。

 「これはイカの子(卵)なの。今どうしようか考えてます。お通しや小鉢に使おうと思ってます」と村さん。

 ヤリイカの卵はだしをとって残った昆布と鰹節と混ぜ、お好み焼きのように焼くことに。

 味見をしたスタッフの池田聖子さんは「すごくおいしいから食べちゃった」と絶賛。

 羽幌で両親が農家をしていたという村さん。農家の苦労を知っているからこそ、食材は特に大切に使います。

 油もすぐ捨てず、廃油で石鹸を作ってしまうほど。

 「2番目についた(修行の)おやじさんがそういうのが得意。無駄にしない人だった。いつも言われたのは捨てればゴミだけど、使えばお金になる!と」と村さんは話します。

  食材を大切にするだけでなく、ひと手間加えることも忘れません。

 「いつも小鉢が付いてるんですけど、すごい工夫されててすごいなと。ちょっと想像つかないような味付け。美味しいから何使ってるんだろうなと思って」と常連さん。

 「そういう質問されることがある。それがうれいんです」と村さん。ほのぼのとしたやりとりが続きます。

 新聞を手に取り、テレビの前の席で日替わりの注文をした男性は「毎日来ている」という常連さん。

 「小鉢がうまい。(続けてもらわないと)困りますよ。あと20年くらいやってほしい」という声に「生きてるかな…」という村さん。

 村さんのこだわりの定食を楽しみにしているお客さんも多いんです。

 最近SNSでも店が話題になることが増えましたが、中には誤解をされている情報も。

 「夫婦でお店をやっている」という書き込みが多いのですが、奥さんは最近もうほとんど店には出ていません。

 「(パートさんを奥さんと)勘違いしていますね、きっとね」と村さん。

 この日のスタッフ池田聖子さんによると、村さんを支えているのは7人の女性スタッフ。「北むらガールズ」とうれしそうに話してくれました。

 「マスターは大変。7人もいるから、その人に合わせなくちゃいけない」と池田さん。

 「私はここが一番天国かなと思って。いつもマスターと会話して」と半田光子さん。

 女性スタッフに支えられ43年がたちました。

 気になるのは、お店の名前「味覚のふきだまり 北むら」。その由来は。

 「田舎の羽幌の方で冬になると(雪で)ふきだまりになる。小さいときからふきだまりっていうのに自分たちはいたので、(その言葉を)はずせなかった。お客さんが(自然に)来てくれるとか、そういう感じを含めて。東京から北海道に帰ってきたので、北をつけて北村」と教えてくれました。

 「ふきだまり」。一般的には否定的な印象が強い言葉ですが、村さんは人が集まる温かい場所の意味を込めてつけました。

 今では地元の常連客が集う名店に成長した「味覚のふきだまり 北むら」の今後について村さんは「どれぐらいできるかわからないので、ガンバルだけガンバル。料理を作るのが好きですから。お客さんが楽しんでくれれば」と話してくれました。

 琴似の街で43年愛される老舗の味。いつまでも続けてほしいですね。

味覚のふきだまり 北むら
住所:札幌市西区二十四軒4条5丁目
営業:午前11時30分~午後10時
定休日:日曜

みんテレ3月13日OAのものです。
(上記の情報は記事作成時点でのものです。
最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください)

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